97 / 206
第二章 旅は道連れ
97 いつの間にやら社長?
しおりを挟む
お稲荷さんはポチさんが北海道出身と伺ったので、酢飯の俵型と、自分が馴染みの三角の五目飯の2種類を作りました。
「これ酸っぱいけど美味しい」
「お腹が膨れるよね。
オレはこっちのとんがった方が好きかな」
チャックとシナトラが、フォークに刺したお稲荷さんを食べながら話しています。
三角形と言う言葉はないのでしょうか?
確かにとんがった形と言えますけど……。
「これは両方ともオイナリサンさんなのですか?
形と中身が違いますけど」
齧った断面を見比べながらアインが尋ねて来ます。
「妻から聞いた話なのですけど、東と西……えー…場所によって形と中身が変わるそうです。
私の住んでいた国の神様で、五穀…米や麦などの穀物を司る神様の神使……お使いの狐を稲荷と呼ぶそうです。
その神様とお使いの稲荷にお供えとしてよく使われていたそうで、この料理をお稲荷さんと呼ぶ様になったとか?
形は穀物の神様だから、米俵……わからないですよね。
私の住んでいた国でお米を入れていた袋?入れ物?を俵と言うのですけど、その形を模したものです。
三角形…とがった形はお使いの狐のミミを模していると聞きました」
これが正確なのかはわかりませんが、私は妻からそう聞きました。
ていうか説明が難しい!
通じない言葉が多すぎる!
「キツネ…?
それはジョニーの居た国の独特の動物なのですか?」
ああ、そこから通じないのか!
ていうか、絶対この世界にも狐は居る!
呼び名が【なんとか犬】になっているだろうけど、絶対に居る!
筈!
鷲掴んだフォークを使いにくそうにしながら、ルシーが尋ねて来ます。
「じゃあこの四角いのもオイナリサンなの?」
おーい!三角は無くても四角は有るんかい!!
いやいや、落ち着け俺、深呼吸だ、深呼吸。
「豆が入っておるな。
これはこれで美味い」
「ちょっと変わってるし、これも食べただけでは真似できない味だわ。
これも特産品にしたいわね」
ブルースとランさんにも。
そうですよね、この風味は普通に煮た豆を入れただけでは出ませんからね。
「お気に召していただいて何よりです。
チーズを入れても美味しいんですよ、巾着納豆」
「え⁈」
ネタバラシをしたらランさんが固まってしまいました。
大豆で作った油揚げに、大豆で作った納豆と薬味を入れて、大豆油でこんがり焼いて、大豆醤油をくるり。
大豆尽くしの一品です。
「あんな悪魔の食べ物が……美味しい…ですって………」
何やらショックが激しい様ですね。
「ナットってそんなに美味しくないの?」
興味を持ったシナトラの前に、青い扉のチルド箱から出した納豆をそっと置いてみます。
「「「くさっっっ!!!!」」」
興味津々に覗き込んでいたブルース達が飛び退きました。
「父ちゃん、これ腐ってるよ!」
「確かに腐っていますね。
糸を引いています」
鼻を押さえ、恐る恐るフォークで納豆の粒を持ち上げたアインの眉間には皺が寄っています。
「腐っていると言いますか、発酵させた食品ですよ。
目に見えない微生物…小さな小さな生き物が働いて、体に良い物に作り替えてくれる?そんな感じです。
味噌や醤油を作る原料も発酵させた麹を使いますし、皆さんの好きなチーズも発酵食品ですよ」
チーズだって慣れないとあの香りは臭く感じると思います。
納豆だって、慣れれば美味しそうな匂いと感じられると思うのですけど……。
まあ、無理には薦めません。
「…………これはナットーじゃない…これはナットーじゃない…これはナットーじゃ……………………。
よし、このキンチャクマメも特産品にしましょう」
何やらブツブツと自分に言い聞かせていたランさんですが、納豆から目を逸らせ、豆と言う事で折り合いをつけたと言うか、自分を誤魔化したと言うか。
まあ、口は挟みません。
そういえば、先程からポチさんは一言も発せず、黙々と食べて来ますね。
「お口に合いましたか?」
「味噌汁は?」
「お出汁が用意できませんでしたので、今日はないです」
「麻婆豆腐」
「色々調味料が足りません」
「イカ飯」
「イカが有れば作れますね」
「松前漬け」
「それも材料次第です」
「ゴッコ汁」
「何ですかそれは?」
単語と言いますか、食べたい物しか出て来ませんね。
「豆腐ハンバーグとかも作れましたかね。
後はメインではないですけど、焼き豆腐を入れてすき焼きとか…」
「すき焼き!!!」
「料理名は分かりませんけど、豆腐と山芋をフライパンで焼いて出汁醤油を回し掛けて刻み海苔をパラパラと……」
「食べたい!!!!!」
「お出汁さえあれば味噌汁だけではなく、肉じゃがなどの煮物もできますよね。
今日作った物も、旨さが増すと思います。
がんもどきも色々な組み合わせで煮物にできますし、まずはお出汁ですね。
3、4日後にはできますよ、お出汁」
「ああああああああ~~~~~」
ポチさんが物凄く気落ちしています。
言っていて自分も食べたくなりました。
お出汁が出来上がるのが楽しみですね。
しかしこれはお出汁が出来上がるまでここに滞在するという事ですよね。
明日にはアインに商業ギルドへ行ってもらうとして……ん?
「ねえアイン、明日の商業ギルドって、私は行かなくて良いのですか?」
私の考案……ではないですね、伝えたレシピの登録ですけど、本人がいなくて大丈夫なのでしょうか。
疑問に思って尋ねると、アインがニッコリ微笑んで爆弾発言をかましやがりました。
「ええ、私はジョニーの【サーベラス商会】の従業員として登録していますから、代理人として契約ができるのですよ」
「は⁉︎⁉︎」
「勿論登録後の利益はジョニーに全て行きますのでご安心下さい」
いや、そこじゃねえ!
俺の商会?アインが従業員?
何も聞いてないぞ、そんな話!
なんだよ、その『イタズラが成功しました』みたいな笑顔は!
「一番最初に商業ギルドで登録する時に、ジョニーはこれからも色々情報を登録する事になるでしょうし、いずれそれを商いにする事もあるかも知れません。
ですから最初から商会として登録しておけば手間が省けますでしょう?
商会名はパーティ名と同じでも良いかと思いましたけど、【ブラック】と付くのは如何なものかと思いまして、【サーベラス】にしました」
「何も聞いてないんだけど?」
と言った俺に、アインはしれっと、
「カードを見れば記載されています」
と返して来た。
ポーチからギルドカードを出してみて、よくよく見てみると、確かに裏に書いてあったよ、【サーベラス商会 代表】ってね。
「あ、僕のカードにも書いてるよ、サーベラス商会従業員って」
「オレのも」
「皆気付いておらんかったのか?
我は知ってたぞ」
え?俺、知らない間に商会の代表……社長になってたの?
パーティーリーダーで、社長……………マジかよ…。
俺……私はガクリと膝をついてしまいました。
「これ酸っぱいけど美味しい」
「お腹が膨れるよね。
オレはこっちのとんがった方が好きかな」
チャックとシナトラが、フォークに刺したお稲荷さんを食べながら話しています。
三角形と言う言葉はないのでしょうか?
確かにとんがった形と言えますけど……。
「これは両方ともオイナリサンさんなのですか?
形と中身が違いますけど」
齧った断面を見比べながらアインが尋ねて来ます。
「妻から聞いた話なのですけど、東と西……えー…場所によって形と中身が変わるそうです。
私の住んでいた国の神様で、五穀…米や麦などの穀物を司る神様の神使……お使いの狐を稲荷と呼ぶそうです。
その神様とお使いの稲荷にお供えとしてよく使われていたそうで、この料理をお稲荷さんと呼ぶ様になったとか?
形は穀物の神様だから、米俵……わからないですよね。
私の住んでいた国でお米を入れていた袋?入れ物?を俵と言うのですけど、その形を模したものです。
三角形…とがった形はお使いの狐のミミを模していると聞きました」
これが正確なのかはわかりませんが、私は妻からそう聞きました。
ていうか説明が難しい!
通じない言葉が多すぎる!
「キツネ…?
それはジョニーの居た国の独特の動物なのですか?」
ああ、そこから通じないのか!
ていうか、絶対この世界にも狐は居る!
呼び名が【なんとか犬】になっているだろうけど、絶対に居る!
筈!
鷲掴んだフォークを使いにくそうにしながら、ルシーが尋ねて来ます。
「じゃあこの四角いのもオイナリサンなの?」
おーい!三角は無くても四角は有るんかい!!
いやいや、落ち着け俺、深呼吸だ、深呼吸。
「豆が入っておるな。
これはこれで美味い」
「ちょっと変わってるし、これも食べただけでは真似できない味だわ。
これも特産品にしたいわね」
ブルースとランさんにも。
そうですよね、この風味は普通に煮た豆を入れただけでは出ませんからね。
「お気に召していただいて何よりです。
チーズを入れても美味しいんですよ、巾着納豆」
「え⁈」
ネタバラシをしたらランさんが固まってしまいました。
大豆で作った油揚げに、大豆で作った納豆と薬味を入れて、大豆油でこんがり焼いて、大豆醤油をくるり。
大豆尽くしの一品です。
「あんな悪魔の食べ物が……美味しい…ですって………」
何やらショックが激しい様ですね。
「ナットってそんなに美味しくないの?」
興味を持ったシナトラの前に、青い扉のチルド箱から出した納豆をそっと置いてみます。
「「「くさっっっ!!!!」」」
興味津々に覗き込んでいたブルース達が飛び退きました。
「父ちゃん、これ腐ってるよ!」
「確かに腐っていますね。
糸を引いています」
鼻を押さえ、恐る恐るフォークで納豆の粒を持ち上げたアインの眉間には皺が寄っています。
「腐っていると言いますか、発酵させた食品ですよ。
目に見えない微生物…小さな小さな生き物が働いて、体に良い物に作り替えてくれる?そんな感じです。
味噌や醤油を作る原料も発酵させた麹を使いますし、皆さんの好きなチーズも発酵食品ですよ」
チーズだって慣れないとあの香りは臭く感じると思います。
納豆だって、慣れれば美味しそうな匂いと感じられると思うのですけど……。
まあ、無理には薦めません。
「…………これはナットーじゃない…これはナットーじゃない…これはナットーじゃ……………………。
よし、このキンチャクマメも特産品にしましょう」
何やらブツブツと自分に言い聞かせていたランさんですが、納豆から目を逸らせ、豆と言う事で折り合いをつけたと言うか、自分を誤魔化したと言うか。
まあ、口は挟みません。
そういえば、先程からポチさんは一言も発せず、黙々と食べて来ますね。
「お口に合いましたか?」
「味噌汁は?」
「お出汁が用意できませんでしたので、今日はないです」
「麻婆豆腐」
「色々調味料が足りません」
「イカ飯」
「イカが有れば作れますね」
「松前漬け」
「それも材料次第です」
「ゴッコ汁」
「何ですかそれは?」
単語と言いますか、食べたい物しか出て来ませんね。
「豆腐ハンバーグとかも作れましたかね。
後はメインではないですけど、焼き豆腐を入れてすき焼きとか…」
「すき焼き!!!」
「料理名は分かりませんけど、豆腐と山芋をフライパンで焼いて出汁醤油を回し掛けて刻み海苔をパラパラと……」
「食べたい!!!!!」
「お出汁さえあれば味噌汁だけではなく、肉じゃがなどの煮物もできますよね。
今日作った物も、旨さが増すと思います。
がんもどきも色々な組み合わせで煮物にできますし、まずはお出汁ですね。
3、4日後にはできますよ、お出汁」
「ああああああああ~~~~~」
ポチさんが物凄く気落ちしています。
言っていて自分も食べたくなりました。
お出汁が出来上がるのが楽しみですね。
しかしこれはお出汁が出来上がるまでここに滞在するという事ですよね。
明日にはアインに商業ギルドへ行ってもらうとして……ん?
「ねえアイン、明日の商業ギルドって、私は行かなくて良いのですか?」
私の考案……ではないですね、伝えたレシピの登録ですけど、本人がいなくて大丈夫なのでしょうか。
疑問に思って尋ねると、アインがニッコリ微笑んで爆弾発言をかましやがりました。
「ええ、私はジョニーの【サーベラス商会】の従業員として登録していますから、代理人として契約ができるのですよ」
「は⁉︎⁉︎」
「勿論登録後の利益はジョニーに全て行きますのでご安心下さい」
いや、そこじゃねえ!
俺の商会?アインが従業員?
何も聞いてないぞ、そんな話!
なんだよ、その『イタズラが成功しました』みたいな笑顔は!
「一番最初に商業ギルドで登録する時に、ジョニーはこれからも色々情報を登録する事になるでしょうし、いずれそれを商いにする事もあるかも知れません。
ですから最初から商会として登録しておけば手間が省けますでしょう?
商会名はパーティ名と同じでも良いかと思いましたけど、【ブラック】と付くのは如何なものかと思いまして、【サーベラス】にしました」
「何も聞いてないんだけど?」
と言った俺に、アインはしれっと、
「カードを見れば記載されています」
と返して来た。
ポーチからギルドカードを出してみて、よくよく見てみると、確かに裏に書いてあったよ、【サーベラス商会 代表】ってね。
「あ、僕のカードにも書いてるよ、サーベラス商会従業員って」
「オレのも」
「皆気付いておらんかったのか?
我は知ってたぞ」
え?俺、知らない間に商会の代表……社長になってたの?
パーティーリーダーで、社長……………マジかよ…。
俺……私はガクリと膝をついてしまいました。
11
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
魔族の幼子ルンは、突然両親と引き離されてしまった。掴まった先で暴行され、殺されかけたところを救われる。圧倒的な強さを持つが、見た目の恐ろしい竜王は保護した子の両親を探す。その先にある不幸な現実を受け入れ、幼子は竜王の養子となった。が、子育て経験のない竜王は混乱しまくり。日常が騒動続きで、配下を含めて大騒ぎが始まる。幼子は魔族としか分からなかったが、実は将来の魔王で?!
異種族同士の親子が紡ぐ絆の物語――ハッピーエンド確定。
#日常系、ほのぼの、ハッピーエンド
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/08/13……完結
2024/07/02……エブリスタ、ファンタジー1位
2024/07/02……アルファポリス、女性向けHOT 63位
2024/07/01……連載開始

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる