79 / 206
第二章 旅は道連れ
79 クルトゥスさん 1
しおりを挟む
私達はギルド内の酒場に移動して待つことにしました。
流石に昼前から酒は飲めませんので、(約二名飲もうとして叱られました)果実水を飲んで待つ事20分程でしょうか、外が騒がしくなったなと思ったら、何が落下する音がしました。
何が落ちてきたのかと思っていると、開け放たれた入り口の扉をくぐって一人の青年?少年?が飛び込んで来ました。
「アース!久しぶり!」
「おお、クー、元気そうだな」
「うん、元気だよ。
それよりまた人型になったんだね」
「おう、今はブルースと言う名で、そこに居るジョニーの家族だ」
きっとこの方がクルトゥスさんなのですね。
どの想像も違いました。
私より少し低いくらいの身長の彼?彼女?は……愛嬌のある顔をしています。
笑顔は可愛いです。
えー、おぼこい感じと言いますか…、昭和っぽい感じと言いますか、田舎の子って感じとでも言いましょうか……、はっきり言って地味です。
私も地味ですけど、更に地味。
モブフェイスとか言うんですっけ?
ウォー⚪️ーを探せでいっぱい描かれている様な、人混みに入ると見分けがつかなくなる感じ。
………あ、酷いこと言ってますね。
余りにも想像と違って特徴がなく、ついつい思考が空回りしてしまいました。
でも、濃い顔のこの町では逆に目立ちますね。
周りを見てみると、先程絡んで来た方々以外も、こちらを見ながらヒソヒソしています。
「知り合いだったんだ」
「あの男何者だ?」
「クルトゥスさんと愛称で呼び合ってたぞ」
「しかしクルトゥスさんはいつ見ても癒されるな」
「本当に。ほっとする顔ですよね」
「ああ、顔が見れてラッキーだったな」
どうやらクルトゥスさんの顔は、この世界では癒し系のようですね。
美形が多いから、逆に地味な方が見ていて落ち着くのかもしれません。
「初めまして、クルトゥス・ルーライオです。
ハルトッシュのリーダーをやっています」
見た目は地味な田舎の高校生って感じですけど、私より年上なのでしょう、落ち着いて話すとイメージがまた変わりますね。
「ブラック・サーベラスのリーダーをやっていますジョニーです、初めまして。
こきらがメンバーのチャックとシナトラで、相談役?のアインです。
皆私の家族です」
私の紹介に、何か気付くものがあったのか、一瞬「おや?」と言う顔をして、ニッコリ笑いました。
「話は場所を移してからにしましょうか。
自宅に招待してもよろしいですか?」
「ああそうだな」
頼むとブルースが言うと、クルトゥスさんは入り口へ向かって歩き出したので、私達はその後を付いていきます。
案内された自宅?は……城でした。
そうですよね、この領地の名前は【ルーライオ】ですから、元は【ルーライオ国】で、吸収されて今は領になっているだけですから、クルトゥスさんは王家の血筋の方なんですよね。
城に住んでてもおかしく無いのですよね。
しかしブルースの態度はどうなんでしょう。
会う前はあんなに渋々な感じでしたのに、いざ再開してみると、【ちょっと会うのに間が空いた親しい友人】ですよね。
会いたくないのはポーズだったのでは?と疑いたくなります。
「そう言えば今も冒険者してんの?」
「おお、少し前に再登録してひと月もしないうちに元のランクに戻したぞ」
「さすがアース!」
素直に褒められて、少し照れた様子のブルースが、
「お前だってランク3になったのだろう?
ギルドで聞いたが、ランク2でもおかしく無い働きをしたそうではないか」
そう問いかけると、ほんの一瞬表情を曇らせた後、にこりと笑うクルトゥスさん。
おや?
「城下町に向かって魔獣の大群が押し寄せてね、それをメンバーと解決したら、なんだかランクが上がっちゃったって感じかな」
「スタンピートですか。
それをパーティだけで解決するとは、とても凄いことですよね」
アインが感心した様に言うと、困った様な顔をして頭をかくクルトゥスさん。
「いやー、でも全滅させたとかじゃなくて、ボスクラスの強い個体を倒したら、逃げて行ったって感じだから、実際には7、8匹しか倒してないんだよね」
「それでも凄いと思いますよ」
褒める様に言うアインに、なぜか微妙な顔のクルトゥスさん。
なんでしょう、さっきからの違和感というか、クルトゥスさんの反応は。
「ところでさ、アース……いやブルース達は何か用事があるの?
僕が西から出て国に帰るって言ったら『お前を追い出した様な国に帰る必要はない!どうしても帰るならお前とはここまでだ!我と国とどちらを選ぶのだ!』とか言って名前まで返したのに、また人形になってるし」
えー、ブルース、そんな『仕事と私とどちらが大事なの⁈』みたいな感じで喧嘩別れしたんですか?
それは恥ずかしくて言えないですよね。
「!!!ちょっ!!お前!バカか!
なにペラペラ言っておる!」
「うわー、ブルースのおっちゃんそれはないよ」
「ダサっ」
シナトラとチャックが小声で呟いていますけど、焦っているブルースの耳には届いていない様ですね。
後で二人に本人には言わないように言っておきます。
武士の情けですよ。
流石に昼前から酒は飲めませんので、(約二名飲もうとして叱られました)果実水を飲んで待つ事20分程でしょうか、外が騒がしくなったなと思ったら、何が落下する音がしました。
何が落ちてきたのかと思っていると、開け放たれた入り口の扉をくぐって一人の青年?少年?が飛び込んで来ました。
「アース!久しぶり!」
「おお、クー、元気そうだな」
「うん、元気だよ。
それよりまた人型になったんだね」
「おう、今はブルースと言う名で、そこに居るジョニーの家族だ」
きっとこの方がクルトゥスさんなのですね。
どの想像も違いました。
私より少し低いくらいの身長の彼?彼女?は……愛嬌のある顔をしています。
笑顔は可愛いです。
えー、おぼこい感じと言いますか…、昭和っぽい感じと言いますか、田舎の子って感じとでも言いましょうか……、はっきり言って地味です。
私も地味ですけど、更に地味。
モブフェイスとか言うんですっけ?
ウォー⚪️ーを探せでいっぱい描かれている様な、人混みに入ると見分けがつかなくなる感じ。
………あ、酷いこと言ってますね。
余りにも想像と違って特徴がなく、ついつい思考が空回りしてしまいました。
でも、濃い顔のこの町では逆に目立ちますね。
周りを見てみると、先程絡んで来た方々以外も、こちらを見ながらヒソヒソしています。
「知り合いだったんだ」
「あの男何者だ?」
「クルトゥスさんと愛称で呼び合ってたぞ」
「しかしクルトゥスさんはいつ見ても癒されるな」
「本当に。ほっとする顔ですよね」
「ああ、顔が見れてラッキーだったな」
どうやらクルトゥスさんの顔は、この世界では癒し系のようですね。
美形が多いから、逆に地味な方が見ていて落ち着くのかもしれません。
「初めまして、クルトゥス・ルーライオです。
ハルトッシュのリーダーをやっています」
見た目は地味な田舎の高校生って感じですけど、私より年上なのでしょう、落ち着いて話すとイメージがまた変わりますね。
「ブラック・サーベラスのリーダーをやっていますジョニーです、初めまして。
こきらがメンバーのチャックとシナトラで、相談役?のアインです。
皆私の家族です」
私の紹介に、何か気付くものがあったのか、一瞬「おや?」と言う顔をして、ニッコリ笑いました。
「話は場所を移してからにしましょうか。
自宅に招待してもよろしいですか?」
「ああそうだな」
頼むとブルースが言うと、クルトゥスさんは入り口へ向かって歩き出したので、私達はその後を付いていきます。
案内された自宅?は……城でした。
そうですよね、この領地の名前は【ルーライオ】ですから、元は【ルーライオ国】で、吸収されて今は領になっているだけですから、クルトゥスさんは王家の血筋の方なんですよね。
城に住んでてもおかしく無いのですよね。
しかしブルースの態度はどうなんでしょう。
会う前はあんなに渋々な感じでしたのに、いざ再開してみると、【ちょっと会うのに間が空いた親しい友人】ですよね。
会いたくないのはポーズだったのでは?と疑いたくなります。
「そう言えば今も冒険者してんの?」
「おお、少し前に再登録してひと月もしないうちに元のランクに戻したぞ」
「さすがアース!」
素直に褒められて、少し照れた様子のブルースが、
「お前だってランク3になったのだろう?
ギルドで聞いたが、ランク2でもおかしく無い働きをしたそうではないか」
そう問いかけると、ほんの一瞬表情を曇らせた後、にこりと笑うクルトゥスさん。
おや?
「城下町に向かって魔獣の大群が押し寄せてね、それをメンバーと解決したら、なんだかランクが上がっちゃったって感じかな」
「スタンピートですか。
それをパーティだけで解決するとは、とても凄いことですよね」
アインが感心した様に言うと、困った様な顔をして頭をかくクルトゥスさん。
「いやー、でも全滅させたとかじゃなくて、ボスクラスの強い個体を倒したら、逃げて行ったって感じだから、実際には7、8匹しか倒してないんだよね」
「それでも凄いと思いますよ」
褒める様に言うアインに、なぜか微妙な顔のクルトゥスさん。
なんでしょう、さっきからの違和感というか、クルトゥスさんの反応は。
「ところでさ、アース……いやブルース達は何か用事があるの?
僕が西から出て国に帰るって言ったら『お前を追い出した様な国に帰る必要はない!どうしても帰るならお前とはここまでだ!我と国とどちらを選ぶのだ!』とか言って名前まで返したのに、また人形になってるし」
えー、ブルース、そんな『仕事と私とどちらが大事なの⁈』みたいな感じで喧嘩別れしたんですか?
それは恥ずかしくて言えないですよね。
「!!!ちょっ!!お前!バカか!
なにペラペラ言っておる!」
「うわー、ブルースのおっちゃんそれはないよ」
「ダサっ」
シナトラとチャックが小声で呟いていますけど、焦っているブルースの耳には届いていない様ですね。
後で二人に本人には言わないように言っておきます。
武士の情けですよ。
20
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる