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第二章 旅は道連れ
58 山脈を超えて
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「もうこの辺りから隣の国の領域となります。
私は資料上でしか知らないのですけど、着くまでに大まかな説明をしておきますね」
山脈を越え、今はブルースからも降りて、麓を目指して歩いて下山をしているところです。
ゆっくり歩きながらアインの話を聞きました。
今までいた国は、大陸の中のほんの一部で、特殊な方なのだそうです。
他の国では先日チラリと聞いた貴族階級の様なものがあり、宗教もあり、いろんな理由で戦もあちらこちらであるそうです。
貴族階級は、どこの国でも国王が、トップなのは変わりません。
その国王の親族が【特位】と呼ばれ、一親等迄が持てる位(くらい)だそうです。
国が乗っ取られたりして、国王がその座を退いた時には無くなる位ですが、平和な時代なら、ぬくぬくと税金で暮らしているそうなのです。
王様の予備として考えられている、特殊な位なので【特位】なのだそうです。
貴族階級はよく知らないのですけど、公爵みたいな感じなのでしょうか?
【特位】の下はまとめて【従位】と呼ばれるそうです。
これは国の運営に関わる仕事の方に与えられる位で、仕事内容や、国によって上下が変わるそうです。
その中でも、どこでも必ずトップなのが【補佐】。
国王不在時の代理などもする…私のイメージでは【宰相】の様なものなのでしょうか?
他にも【財位】(財務大臣?)【交位】(交渉する人だから外務大臣?)【文位】(歴史書の編纂などをしているそうです…文部大臣?)【魔位】(魔法省のトップなのだとか)【蓄位】(備蓄や何やらを取り仕切っているとか)【伝位】(情報管理部?)【人位】(住民課?)【職位】(ハローワーク?)【軍位】(これはわかりやすいね)【神位】(神殿のトップ)【暗位】(情報収集などの隠密活動だとか)
などなど、色々な位が有るそうですが、国の規模によって全ての位が有るとは限らないようです。
位の上下も国によって変わるのだとか。
そしてどの国でも、子供に位は引き継げず、一代限りなのだそうです。
ボンクラが国の運営に入ってこない様にする為だそうですよ。
その下に、功績を認められて授かる位として、【上位】【中位】【下位】とあり、位と共に領地を拝領されるそうなので、多分これは伯爵とか、子爵、男爵みたいなものなのでしょうか。
この三つは従位と違って、子供に受け継いで行かせることができるそうです。
領主がちょこちょこ変わると、住民が振り回されますからね。
そしてこちらも一代限りの【営位】というものがあり、大商人や豪農、網元や狩猟の纏め役など、国に営利を齎す者に与えられる【名誉賞】みたいなものですかね。
国の会議にも出ることができるし、色々特権は与えられるそうです。
位は全て、補佐が前任者からの推薦を吟味して、問題がなければ国王が認可するそうです。
へーーー。
色々教えて頂いたのですけど、覚えられません。
関わる事もないでしょうから、細かい【従位】は覚えるつもりも有りません。
そう言った位が有るのですね、でいいでしょう。
上中下の位の方々も、直接は関係ないですね。
一番接触が有る可能性なのは【営位】ですかねえ。
でも、大商人などには近づかなければ問題ないですよね。
面倒事には極力関わりたく有りませんからね。
山を降りた辺りは遊牧民の縄張りだそうです。
家畜の餌を求めて、広大な土地を移動しながら生活をしているようです。
イメージ的にモンゴル民が浮かんできますね。
後は、強そうなのと、山羊のバター茶のイメージですね。
ちょっとワクワクします。
山を降りて暫く歩くと、山羊の姿がチラホラ見えてきました。
第一村人……第一部族発見でしょうか、遠くに馬に乗った人の姿が見えます。
どうやら彼方も私達に気付いた様で、こちらへ向かって来ていますね。
「山を越えたら言葉が違う、なんて事は無いよね?」
「大丈夫ですよ」
チャックの問いにアインが答えていますけど、そうですよね、国が変われば言葉も変わる、なんて事はあり得ますよね。
自分が自動翻訳されて言葉に不自由しないので、頭から抜け落ちていました。
会話をしながら歩いている私達に向かい、馬は駆けてきます。
ドドッ、ドドッ、と立派な4本の足が地面を蹴る音が近付くにつれて、思わず凝視してしまいました。
「うわー、でっかーい!」
シナトラが嬉しそうに声を上げていますけど、本当に大きいんです。
馬も人も。
いえ、大きいと言うより『ゴツい』ですね。
北海道で見たばんえい馬に似ていますけど、それより更にゴツいです。
「お前ら、もしかして神の山の向こうから来たのか?」
「神の山?」
「ああ、あの山の向こうには、俺らの先祖に護る力を与えてくれた神様がいらっしゃるから、あの山は神の山なんだ」
「確かに私達は山を越えて来ましたけど、ただの旅人ですよ」
「僕はただの冒険者だよ」
「我はただのトカゲの亜人だ」
「……ただのマネ鳥の亜人です」
「私はただのジョニーです」
アインがさらりと自己紹介?したのに続いて、皆が続きます。
……これで何が伝わるかはわかりませんけど、流れでこうなってしまったのでしょうね。
「俺はただの羊飼いだ。
で、神の山の向こうから来たって事は、お前ら神の国の奴らか?」
「山の向こうに神の国などは有りませんよ。
私達はロスフォータと言う国から来ました。
彼らは冒険者で、私は付き添い…の様なものですかね。
神などは居ませんし、普通に人族や亜人の暮らす国です」
アインの説明に羊飼いは首を振り、
「いや、我々には山の向こうに住む方々は、神の様な存在だから、神の住む国と呼んでいるし、あの山を神の山と呼んでいるだけなのだ」
よくわかりませんが、立ち話もなんだから、彼の一族のテントに来てくれと言われて、断る理由とないですし、詳しく知りたいとアインが言うので、案内について行くことにしました。
案内された先には、大小様々なテントが10基有ります。
一つのテントに一家族が寝起きしているそうで、家族の人数でテントの大きさが違うそうです。
テントの周りでは、女性が手作業をしています。
彼女達は羊飼いに連れられて訪れた私達を怪訝そうな表情を隠さずに見つめてきました。
「ホル、なぜ外部の者を連れて来たのだい」
一際大きなテントから、若い男性に支えられた老婆が姿を表しました。
「ババ様、この方々は神の山の向こうから来たんだ。
連れてこないわけにはいかないだろ」
羊飼い…どうやらホルさんと言われるようですね。
ホルさんの言葉に遠巻きにしていた女性だけでなく、テントの中に居ただろう男性や年配の女性もわらわらと出てきて、あっという間に取り囲まれてしまいました。
何なのだろうと、ブルースやアインの方を見ていたら、サザッと音を立てて皆が跪いてしまいました。
え?ええー?
一体何なのですか?
私は資料上でしか知らないのですけど、着くまでに大まかな説明をしておきますね」
山脈を越え、今はブルースからも降りて、麓を目指して歩いて下山をしているところです。
ゆっくり歩きながらアインの話を聞きました。
今までいた国は、大陸の中のほんの一部で、特殊な方なのだそうです。
他の国では先日チラリと聞いた貴族階級の様なものがあり、宗教もあり、いろんな理由で戦もあちらこちらであるそうです。
貴族階級は、どこの国でも国王が、トップなのは変わりません。
その国王の親族が【特位】と呼ばれ、一親等迄が持てる位(くらい)だそうです。
国が乗っ取られたりして、国王がその座を退いた時には無くなる位ですが、平和な時代なら、ぬくぬくと税金で暮らしているそうなのです。
王様の予備として考えられている、特殊な位なので【特位】なのだそうです。
貴族階級はよく知らないのですけど、公爵みたいな感じなのでしょうか?
【特位】の下はまとめて【従位】と呼ばれるそうです。
これは国の運営に関わる仕事の方に与えられる位で、仕事内容や、国によって上下が変わるそうです。
その中でも、どこでも必ずトップなのが【補佐】。
国王不在時の代理などもする…私のイメージでは【宰相】の様なものなのでしょうか?
他にも【財位】(財務大臣?)【交位】(交渉する人だから外務大臣?)【文位】(歴史書の編纂などをしているそうです…文部大臣?)【魔位】(魔法省のトップなのだとか)【蓄位】(備蓄や何やらを取り仕切っているとか)【伝位】(情報管理部?)【人位】(住民課?)【職位】(ハローワーク?)【軍位】(これはわかりやすいね)【神位】(神殿のトップ)【暗位】(情報収集などの隠密活動だとか)
などなど、色々な位が有るそうですが、国の規模によって全ての位が有るとは限らないようです。
位の上下も国によって変わるのだとか。
そしてどの国でも、子供に位は引き継げず、一代限りなのだそうです。
ボンクラが国の運営に入ってこない様にする為だそうですよ。
その下に、功績を認められて授かる位として、【上位】【中位】【下位】とあり、位と共に領地を拝領されるそうなので、多分これは伯爵とか、子爵、男爵みたいなものなのでしょうか。
この三つは従位と違って、子供に受け継いで行かせることができるそうです。
領主がちょこちょこ変わると、住民が振り回されますからね。
そしてこちらも一代限りの【営位】というものがあり、大商人や豪農、網元や狩猟の纏め役など、国に営利を齎す者に与えられる【名誉賞】みたいなものですかね。
国の会議にも出ることができるし、色々特権は与えられるそうです。
位は全て、補佐が前任者からの推薦を吟味して、問題がなければ国王が認可するそうです。
へーーー。
色々教えて頂いたのですけど、覚えられません。
関わる事もないでしょうから、細かい【従位】は覚えるつもりも有りません。
そう言った位が有るのですね、でいいでしょう。
上中下の位の方々も、直接は関係ないですね。
一番接触が有る可能性なのは【営位】ですかねえ。
でも、大商人などには近づかなければ問題ないですよね。
面倒事には極力関わりたく有りませんからね。
山を降りた辺りは遊牧民の縄張りだそうです。
家畜の餌を求めて、広大な土地を移動しながら生活をしているようです。
イメージ的にモンゴル民が浮かんできますね。
後は、強そうなのと、山羊のバター茶のイメージですね。
ちょっとワクワクします。
山を降りて暫く歩くと、山羊の姿がチラホラ見えてきました。
第一村人……第一部族発見でしょうか、遠くに馬に乗った人の姿が見えます。
どうやら彼方も私達に気付いた様で、こちらへ向かって来ていますね。
「山を越えたら言葉が違う、なんて事は無いよね?」
「大丈夫ですよ」
チャックの問いにアインが答えていますけど、そうですよね、国が変われば言葉も変わる、なんて事はあり得ますよね。
自分が自動翻訳されて言葉に不自由しないので、頭から抜け落ちていました。
会話をしながら歩いている私達に向かい、馬は駆けてきます。
ドドッ、ドドッ、と立派な4本の足が地面を蹴る音が近付くにつれて、思わず凝視してしまいました。
「うわー、でっかーい!」
シナトラが嬉しそうに声を上げていますけど、本当に大きいんです。
馬も人も。
いえ、大きいと言うより『ゴツい』ですね。
北海道で見たばんえい馬に似ていますけど、それより更にゴツいです。
「お前ら、もしかして神の山の向こうから来たのか?」
「神の山?」
「ああ、あの山の向こうには、俺らの先祖に護る力を与えてくれた神様がいらっしゃるから、あの山は神の山なんだ」
「確かに私達は山を越えて来ましたけど、ただの旅人ですよ」
「僕はただの冒険者だよ」
「我はただのトカゲの亜人だ」
「……ただのマネ鳥の亜人です」
「私はただのジョニーです」
アインがさらりと自己紹介?したのに続いて、皆が続きます。
……これで何が伝わるかはわかりませんけど、流れでこうなってしまったのでしょうね。
「俺はただの羊飼いだ。
で、神の山の向こうから来たって事は、お前ら神の国の奴らか?」
「山の向こうに神の国などは有りませんよ。
私達はロスフォータと言う国から来ました。
彼らは冒険者で、私は付き添い…の様なものですかね。
神などは居ませんし、普通に人族や亜人の暮らす国です」
アインの説明に羊飼いは首を振り、
「いや、我々には山の向こうに住む方々は、神の様な存在だから、神の住む国と呼んでいるし、あの山を神の山と呼んでいるだけなのだ」
よくわかりませんが、立ち話もなんだから、彼の一族のテントに来てくれと言われて、断る理由とないですし、詳しく知りたいとアインが言うので、案内について行くことにしました。
案内された先には、大小様々なテントが10基有ります。
一つのテントに一家族が寝起きしているそうで、家族の人数でテントの大きさが違うそうです。
テントの周りでは、女性が手作業をしています。
彼女達は羊飼いに連れられて訪れた私達を怪訝そうな表情を隠さずに見つめてきました。
「ホル、なぜ外部の者を連れて来たのだい」
一際大きなテントから、若い男性に支えられた老婆が姿を表しました。
「ババ様、この方々は神の山の向こうから来たんだ。
連れてこないわけにはいかないだろ」
羊飼い…どうやらホルさんと言われるようですね。
ホルさんの言葉に遠巻きにしていた女性だけでなく、テントの中に居ただろう男性や年配の女性もわらわらと出てきて、あっという間に取り囲まれてしまいました。
何なのだろうと、ブルースやアインの方を見ていたら、サザッと音を立てて皆が跪いてしまいました。
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※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
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