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第二章 旅は道連れ
50 成長していますよ
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翌朝早く、昼食用の屋台の食べ物を購入した後、待ち合わせの町の入り口へ向かいます。
移動はギルド貸し出しの荷馬車です。
子供二人を歩かせるわけにはいきませんからね。
荷馬車は、馬がリヤカーを引いている感じの物です。
それをアインが運転?して、私とチャック、シナトラは子供達と一緒に荷台に乗っています。
ブルースはアインの隣りに座っていて、武器をどうカスタマイズするか相談しているようです。
道中襲って来る魔獣を倒しながら、昼の休憩以外はサクサクと進みました。
荷台で子供達とおしゃべりをしている間に、目的地である次の町へ到着できました。
因みに、最初の村と冒険者ギルドに登録した町はアインの管轄地で、今日出てきた町からは平原の王国の領地だそうです。
だからなのでしょうか、前の町よりさらに人族が多いですね。
そして気になるのが……すれ違う人すれ違う人、体臭なのか香水なのか、とにかく臭いが………。
「うむ、やはり人が多いと臭うな」
「どう言う事ですか?」
御者席に座っているブルースに尋ねたところ、クリーンは魔法の使える動物なら、先天的に持っているそうなのですが、大概の人族は持っていないそうです。
「臭いが無ければ、非捕食者は狙われにくいですからね。
姿形は隠せても、臭いは隠せません。
ですからいつの間にか、魔法を使える動物はクリーンを使える様になっていました。
魔法を使える個体が群に一匹でも居れば、襲われる確率が減りますからね」
だから私以外はクリーンが使えたのですか。
「人族は動物ほど鼻が効きませんから、多少臭いがあっても気にならないのですかねえ?
気になる方は香水を使いますし、大きな街では共同浴場があったり、お金持ちですと、家に風呂を作る事もあるそうです」
「余程気になれば、体を拭いたり、川へ飛び込んだりしている様だな」
「この町の規模ですと、浴場も無いですし、風呂を設置している家も無いでしょうから、臭うのは仕方ないかと思いますよ」
「皆慣れてしまっておるのだろう。
お前も気にするな」
説明を聞いていたシナトラが鼻を押さえて
「いろんな臭いがあり過ぎて鼻が変になるよ~」
と、ボヤいています。
普通人の私でさえちょっと……と思うのですから、鼻の良いシナトラ達にはキツいでしょうね。
「こればかりは慣れるしか無いぞ。
大きな街迄はずっとこんな感じだからな」
ブルースにポンと肩を叩かれて
「そんな~」
と情けない声をあげていました。
冒険者ギルドへ行き、子供達を迎えに来ていた父親へ引き渡し、サクサクと依頼達成の手続きと報酬の受け取りをしてから、3人で宿を探しました。
シナトラが、限界だったので……。
「我は付与師の元へ向かうぞ、別行動でも問題ないだろ。
ジョニー、剣を出してくれ」
言われて預かっていた大剣を出して渡します。
「私も付き添いますね。
宿の場所は、ジョニーがそこに居てくださればおおよその場所は分かりますので、できれば宿から出ないでくださいね」
と、二人は別行動です。
宿に着き、部屋へ入った途端に
「クリーン!!クリーン、クリーン、クリーーーーン!!!」
シナトラは部屋中余すところなく、クリーンをかけまくりました。
部屋にこもっていた臭いも、少し湿っぽく感じたベッドのシーツも、無臭でサラサラです。
「あーー、やっと息ができる。
もう僕この部屋から出ないからね!
ご飯も部屋で食べるし、出発まで絶対に出ない!」
「オレも出たく無いかも…。
でも、外に出ないといつまで経っても慣れないんだよね……でもツライ」
気持ちはわかります。
デオドラントが根付いている場所から来た私も、この雑多な臭いはキツいですからね。
消臭スプレーと除菌スプレーと、ウエットなティッシュが欲しいです。
いや、有ったとしても、人に向かってシュッシュするわけにはいかないですけどね。
それより…臭いのインパクトで、初めての護衛依頼が飛んでいってしまいましたね。
もっと子供達と、別れを惜しみたかったですし、親御さんにもゆっくりご挨拶を…と思っていたんですけど。
辛そうなシナトラを放置できませんでしたからね。
ブルースも武器屋へ行きたくてそわそわしていましたし、少しばかり態度が悪かったかもしれません。
ブルースの武器がどれくらいで出来上がるのかはわかりませんけど、町中に出ることがあれば、依頼主の親子にも会うことがあるかもしれません。
その時には謝りましょうかね。
やることもないので、自分の現状の把握でもしておきましょうか。
「鑑定っと」
【名前 ジョニー
年齢 19歳
種族 人族・男性
職業 冒険者(水魔法・打撃武器)
健康状態 良好
《隠匿情報》
スキル タブレット・中
亜人化 言語変換 鑑定・中 調理・中 調合 上位魔法開放
魔法 火魔法・小+ 水魔法・小+ 風魔法・小 土魔法・小 回復魔法・小 時空魔法・中 氷魔法・小 雷魔法・小
眷属 チャックベリー(マネ鳥) フランクシナトラ(森オオネコ) ブルースリー(王様トカゲ) アインシュタイン(魔族・魔王)
ポイント累計 4ポイント
特記 異世界転生者
寿命 残り110年 】
色々成長していますねえ……って寿命⁈
この感じですと、ポイント掛ける十倍なんでしょうか?
どこまで伸びるのか、ちょっとワクワクしないでもないです。
移動はギルド貸し出しの荷馬車です。
子供二人を歩かせるわけにはいきませんからね。
荷馬車は、馬がリヤカーを引いている感じの物です。
それをアインが運転?して、私とチャック、シナトラは子供達と一緒に荷台に乗っています。
ブルースはアインの隣りに座っていて、武器をどうカスタマイズするか相談しているようです。
道中襲って来る魔獣を倒しながら、昼の休憩以外はサクサクと進みました。
荷台で子供達とおしゃべりをしている間に、目的地である次の町へ到着できました。
因みに、最初の村と冒険者ギルドに登録した町はアインの管轄地で、今日出てきた町からは平原の王国の領地だそうです。
だからなのでしょうか、前の町よりさらに人族が多いですね。
そして気になるのが……すれ違う人すれ違う人、体臭なのか香水なのか、とにかく臭いが………。
「うむ、やはり人が多いと臭うな」
「どう言う事ですか?」
御者席に座っているブルースに尋ねたところ、クリーンは魔法の使える動物なら、先天的に持っているそうなのですが、大概の人族は持っていないそうです。
「臭いが無ければ、非捕食者は狙われにくいですからね。
姿形は隠せても、臭いは隠せません。
ですからいつの間にか、魔法を使える動物はクリーンを使える様になっていました。
魔法を使える個体が群に一匹でも居れば、襲われる確率が減りますからね」
だから私以外はクリーンが使えたのですか。
「人族は動物ほど鼻が効きませんから、多少臭いがあっても気にならないのですかねえ?
気になる方は香水を使いますし、大きな街では共同浴場があったり、お金持ちですと、家に風呂を作る事もあるそうです」
「余程気になれば、体を拭いたり、川へ飛び込んだりしている様だな」
「この町の規模ですと、浴場も無いですし、風呂を設置している家も無いでしょうから、臭うのは仕方ないかと思いますよ」
「皆慣れてしまっておるのだろう。
お前も気にするな」
説明を聞いていたシナトラが鼻を押さえて
「いろんな臭いがあり過ぎて鼻が変になるよ~」
と、ボヤいています。
普通人の私でさえちょっと……と思うのですから、鼻の良いシナトラ達にはキツいでしょうね。
「こればかりは慣れるしか無いぞ。
大きな街迄はずっとこんな感じだからな」
ブルースにポンと肩を叩かれて
「そんな~」
と情けない声をあげていました。
冒険者ギルドへ行き、子供達を迎えに来ていた父親へ引き渡し、サクサクと依頼達成の手続きと報酬の受け取りをしてから、3人で宿を探しました。
シナトラが、限界だったので……。
「我は付与師の元へ向かうぞ、別行動でも問題ないだろ。
ジョニー、剣を出してくれ」
言われて預かっていた大剣を出して渡します。
「私も付き添いますね。
宿の場所は、ジョニーがそこに居てくださればおおよその場所は分かりますので、できれば宿から出ないでくださいね」
と、二人は別行動です。
宿に着き、部屋へ入った途端に
「クリーン!!クリーン、クリーン、クリーーーーン!!!」
シナトラは部屋中余すところなく、クリーンをかけまくりました。
部屋にこもっていた臭いも、少し湿っぽく感じたベッドのシーツも、無臭でサラサラです。
「あーー、やっと息ができる。
もう僕この部屋から出ないからね!
ご飯も部屋で食べるし、出発まで絶対に出ない!」
「オレも出たく無いかも…。
でも、外に出ないといつまで経っても慣れないんだよね……でもツライ」
気持ちはわかります。
デオドラントが根付いている場所から来た私も、この雑多な臭いはキツいですからね。
消臭スプレーと除菌スプレーと、ウエットなティッシュが欲しいです。
いや、有ったとしても、人に向かってシュッシュするわけにはいかないですけどね。
それより…臭いのインパクトで、初めての護衛依頼が飛んでいってしまいましたね。
もっと子供達と、別れを惜しみたかったですし、親御さんにもゆっくりご挨拶を…と思っていたんですけど。
辛そうなシナトラを放置できませんでしたからね。
ブルースも武器屋へ行きたくてそわそわしていましたし、少しばかり態度が悪かったかもしれません。
ブルースの武器がどれくらいで出来上がるのかはわかりませんけど、町中に出ることがあれば、依頼主の親子にも会うことがあるかもしれません。
その時には謝りましょうかね。
やることもないので、自分の現状の把握でもしておきましょうか。
「鑑定っと」
【名前 ジョニー
年齢 19歳
種族 人族・男性
職業 冒険者(水魔法・打撃武器)
健康状態 良好
《隠匿情報》
スキル タブレット・中
亜人化 言語変換 鑑定・中 調理・中 調合 上位魔法開放
魔法 火魔法・小+ 水魔法・小+ 風魔法・小 土魔法・小 回復魔法・小 時空魔法・中 氷魔法・小 雷魔法・小
眷属 チャックベリー(マネ鳥) フランクシナトラ(森オオネコ) ブルースリー(王様トカゲ) アインシュタイン(魔族・魔王)
ポイント累計 4ポイント
特記 異世界転生者
寿命 残り110年 】
色々成長していますねえ……って寿命⁈
この感じですと、ポイント掛ける十倍なんでしょうか?
どこまで伸びるのか、ちょっとワクワクしないでもないです。
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