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第二章 旅は道連れ
49 商業ギルドへ登録しました
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商業ギルドは冒険者ギルドと随分雰囲気が違いますねえ。
厳つい方は少ないですし、武器を持っていたり、防具を身につけている方も居ません。
人の良さそうな笑顔を浮かべた『営業職』の様な方々ばかりです。
受け付けと書かれたカウンターへ向かうと、垂れ目の女性…ミミの感じと見た目のイメージから、タヌキの獣人の方でしょうか、笑顔で迎えてくれました。
「コーラフ商業ギルドへようこそ。
ご用件をお伺い致します」
………いつもなら、アインが説明してくれているのでお任せしているのですが、今日は別行動でここには居ません。
ブルースは……冒険者ギルドではとても助かりましたけど、商業ギルドの事はあまり知らない様です。
ここは私が説明しないといけないのでしょうね。
「私達は冒険者ギルドに登録しているのですけど、あちらこちらの町や村に回る事もありますので、ついでに行商をしようかと考えているのですけど…、大丈夫でしょうか?」
「あ、はい、大丈夫ですよ。
冒険者の方は依頼品以外に収集した物を、商業ギルドへ卸す事もできますし、ギルドへ登録すれば、ギルドを通さずに個人で取引ができるようになります。
無登録で大量の個人取引をなさると、罰金と罰則が有りますので、個人取引を考えていらっしゃるのなら、商業ギルドへの登録をお勧めします」
無登録でもちょっとした物ならお目溢しがあると言う事ですかね。
「個人取引ですか。
ギルドへ卸すのとどう有った違いが有るのですか?」
「それは勿論、ギルドへ卸すより、個人で取引をされた方が収入は上がります。
但しトラブルも付き物ですので、面倒ごとを避けたい方は、個人取引をされません。
個人取引は後々問題が起こる事も多々有りますので、登録をお勧めします。
勿論個人取引でも、大幅に相場を崩す事は禁止されております」
相場が有るのでしたら、個人で取引してもギルドへ卸しても、差額は微々たるものでは無いのでしょうか?
それならギルドへ卸す方が面倒もないのでは?
「小さな町や村には商業ギルドがない場所もあります。
そう言った場所には、登録した行商人の方々が活躍されています。
また、ギルドでは素材は引き取りますけど、加工した品は受け付けておりません。
服や靴や食べ物などは、お店を開くか、露天や行商として個人していただくこととなります。
勿論お店の開店や、露天の誘致などのアドバイスも承っております」
成る程、確かに店を出したら、客とのやり取りは個人取引ですね。
もっと後ろ暗い?やばい?感じな物を想像してしまいました。
「冒険者の方は色々な町を移動されるので、行く先々で移動中に手に入れた物で不要な物を、必要とされる方に販売されたりしていますね。
その為に商業ギルドに登録される方は多いです」
その後も色々細かいことを尋ねました。
冒険者の事ならブルースに聞けば分かるでしょうけど、商業ギルドの事は、ギルドでキッチリと聞いておかないといけないでしょうから、よくよく聞きました。
……迷惑な客だったでしょうね。
「では登録させていただきます。
カードをお預かりいたします」
私達四人はパーティなので、私のカードだけで良いのかと思ったのですけど、何かあった時のために、四人とも登録することにしました。
はぐれた時や、こっそりとした小遣い稼ぎをする事もあるかもしれませんからね。
名前の横の四つの区切りの一つに、金色が加わり、カードが戻ってきました。
商業ギルドのイメージカラーは『金』…そのままズバリ『お金の金』だそうです。
赤、青、緑……金ですか、黄色じゃダメだったのでしょうか?
商業ギルドを出て、そのまま仕入れのために湖まで出向きました。
漁師さんや、魚を加工している方(干物や燻製)にギルドカードを掲示して品物を売っていただきました。
海では無いので、海藻は有りませんでしたけど、似た様な物も有りましたので、購入しました。
味噌が手に入ったら、ワカメもどきの味噌汁ができますね。
商売をされている方はギルド会員ですから、会員同士持ちつ持たれつで、適正価格より少し安く分けてもらえるようです。
これが一般の方(ギルド以外の買い物客)ですと、値引きは交渉次第で有るのは有るのですが、殆どが適正価格なので、組合員やギルド会員より少々お高くなるそうです。
私がこの先組合の方に販売する時は、少しばかり勉強するのがマナーな様です。
その為にも適正価格を学ばなければなりませんね。
ここで仕入れた魚介は、内陸で魚をあまり食べる機会の無い町で売ることとなります。
アイテムボックスがあればこそできる転売方法ですね。
以前のイメージで、転売はあまりよろしく無い気がするのですけど、世界が違うのだから、頭を切り替えないといけませんね。
本日の予定は終わりましたので、夕食をとってから宿へ向かいました。
今日は私とチャックとシナトラ、ブルースとアインに分かれての二部屋です。
私たちの部屋にはベッドが2つでしたから、くっつけて3人で一緒に寝ました。
厳つい方は少ないですし、武器を持っていたり、防具を身につけている方も居ません。
人の良さそうな笑顔を浮かべた『営業職』の様な方々ばかりです。
受け付けと書かれたカウンターへ向かうと、垂れ目の女性…ミミの感じと見た目のイメージから、タヌキの獣人の方でしょうか、笑顔で迎えてくれました。
「コーラフ商業ギルドへようこそ。
ご用件をお伺い致します」
………いつもなら、アインが説明してくれているのでお任せしているのですが、今日は別行動でここには居ません。
ブルースは……冒険者ギルドではとても助かりましたけど、商業ギルドの事はあまり知らない様です。
ここは私が説明しないといけないのでしょうね。
「私達は冒険者ギルドに登録しているのですけど、あちらこちらの町や村に回る事もありますので、ついでに行商をしようかと考えているのですけど…、大丈夫でしょうか?」
「あ、はい、大丈夫ですよ。
冒険者の方は依頼品以外に収集した物を、商業ギルドへ卸す事もできますし、ギルドへ登録すれば、ギルドを通さずに個人で取引ができるようになります。
無登録で大量の個人取引をなさると、罰金と罰則が有りますので、個人取引を考えていらっしゃるのなら、商業ギルドへの登録をお勧めします」
無登録でもちょっとした物ならお目溢しがあると言う事ですかね。
「個人取引ですか。
ギルドへ卸すのとどう有った違いが有るのですか?」
「それは勿論、ギルドへ卸すより、個人で取引をされた方が収入は上がります。
但しトラブルも付き物ですので、面倒ごとを避けたい方は、個人取引をされません。
個人取引は後々問題が起こる事も多々有りますので、登録をお勧めします。
勿論個人取引でも、大幅に相場を崩す事は禁止されております」
相場が有るのでしたら、個人で取引してもギルドへ卸しても、差額は微々たるものでは無いのでしょうか?
それならギルドへ卸す方が面倒もないのでは?
「小さな町や村には商業ギルドがない場所もあります。
そう言った場所には、登録した行商人の方々が活躍されています。
また、ギルドでは素材は引き取りますけど、加工した品は受け付けておりません。
服や靴や食べ物などは、お店を開くか、露天や行商として個人していただくこととなります。
勿論お店の開店や、露天の誘致などのアドバイスも承っております」
成る程、確かに店を出したら、客とのやり取りは個人取引ですね。
もっと後ろ暗い?やばい?感じな物を想像してしまいました。
「冒険者の方は色々な町を移動されるので、行く先々で移動中に手に入れた物で不要な物を、必要とされる方に販売されたりしていますね。
その為に商業ギルドに登録される方は多いです」
その後も色々細かいことを尋ねました。
冒険者の事ならブルースに聞けば分かるでしょうけど、商業ギルドの事は、ギルドでキッチリと聞いておかないといけないでしょうから、よくよく聞きました。
……迷惑な客だったでしょうね。
「では登録させていただきます。
カードをお預かりいたします」
私達四人はパーティなので、私のカードだけで良いのかと思ったのですけど、何かあった時のために、四人とも登録することにしました。
はぐれた時や、こっそりとした小遣い稼ぎをする事もあるかもしれませんからね。
名前の横の四つの区切りの一つに、金色が加わり、カードが戻ってきました。
商業ギルドのイメージカラーは『金』…そのままズバリ『お金の金』だそうです。
赤、青、緑……金ですか、黄色じゃダメだったのでしょうか?
商業ギルドを出て、そのまま仕入れのために湖まで出向きました。
漁師さんや、魚を加工している方(干物や燻製)にギルドカードを掲示して品物を売っていただきました。
海では無いので、海藻は有りませんでしたけど、似た様な物も有りましたので、購入しました。
味噌が手に入ったら、ワカメもどきの味噌汁ができますね。
商売をされている方はギルド会員ですから、会員同士持ちつ持たれつで、適正価格より少し安く分けてもらえるようです。
これが一般の方(ギルド以外の買い物客)ですと、値引きは交渉次第で有るのは有るのですが、殆どが適正価格なので、組合員やギルド会員より少々お高くなるそうです。
私がこの先組合の方に販売する時は、少しばかり勉強するのがマナーな様です。
その為にも適正価格を学ばなければなりませんね。
ここで仕入れた魚介は、内陸で魚をあまり食べる機会の無い町で売ることとなります。
アイテムボックスがあればこそできる転売方法ですね。
以前のイメージで、転売はあまりよろしく無い気がするのですけど、世界が違うのだから、頭を切り替えないといけませんね。
本日の予定は終わりましたので、夕食をとってから宿へ向かいました。
今日は私とチャックとシナトラ、ブルースとアインに分かれての二部屋です。
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