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第二章 旅は道連れ
31 塩にぎりにして食べました
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ぐっすりと眠っていた私は、馴染んだ暖かさに目を覚ましました。
背中にくっつく様にチャックが寝ています。
壁の隙間はぴっちりと埋まっていますか、まだお日様は登っていない様ですね。
もう一眠りしましょう。
次に意識が戻ったのは、枕元での誰かの話し声が聞こえたからです。
半分眠ったまま聞いていると、どうやらサルの獣人さんが、夜中にチャックが居なくなったと探しに来た様です。
黙って出てきたのですね、チャックは。
「この子は寝ている間に、こうして彼にくっついて魔素を補給しているのですよ。
伝えていなくてお騒がせしまたね」
アインも居るようで、チャックがここに居る説明をしてくれている様ですね。
魔素の件もそうなのでしょうけど、きっと寂しいからと言うのも有るんだと思いますよ。
言いませんけどね。
さて、そろそろ外も明るくなっているようですし、私も起きましょう。
「おはようございます。
チャックがご迷惑をおかけしたようで、すみませんでした」
「いや、無事ならそれでいいさ」
サルの獣人さんは笑って許してくれました。
アインにも謝っておきます。
本人にも一言言わせましょうかね。
「ほら、チャック、起きているのでしょう?
何か言うことないの?」
声をかけると、モソモソと起き上がり、視線を床に向けたままではありましたが、枕元に居たサルの獣人さんとアイン、この家の奥さんの三人に、
「お騒がせしてすみませんでした」
と、ちゃんと謝りましたよ。
サルの獣人さんは、チャックの頭を撫でて戻って行きました。
チャックはそのまま私と一緒に朝ご飯をいただいて、そろそろ出発です。
……あ!その前に思い出しました、お米を買っていかないと。
奥さんにどこに売っているか尋ねたのですが、雑草なのでいくらでも手に入るからと、袋いっぱい分分けてくれました。
「本当にその辺に生えてるから、道すがら集めればいいよ」
と、アドバイスもいただきましたので、これは鑑定をしながら歩かなければなりませんね。
皆の朝ご飯が終わったら、村人に別れを告げて、出発です。
次に向かうのは、獣人も人族も一緒に暮らしている町だそうです。
森と平野の境目あたりに有る町で、その先は平原が続いていて、主に人族の町や村があるのだとか。
平原の中心あたりには、王都が有って、平原を人族の王様が治めているそうです。
歩きながらアインに教えてもらったところ、西の森はアインが治める土地で、【西の森の魔王国】と呼ばれていて、平原は、人属の治める【平原の王国】北の山を含む森は【北の森の王国】と呼ばれる獣人の王様がいらっしゃるそうです。
平原の先の山脈地帯は【東の山の魔王国】と呼ばれる魔族の方が治めていて、この4人の王の治める土地で、他の国からは【ロスフォータ連合】と言うそうです。
元々東の国だけだったのですけど、住人が増え、どんどん開拓していき、国境の北の地を獣人に、西の国境の地を自分と同じ魔族に、平穏な中央を一番か弱い人族に統治を任せた一つの大国だったのですけど、時の流れとともに独立したそうです。
南は海で、そこは【海の王】と呼ばれる魚人の方々が複数で治めていて、西の森や北の森の先、東の山の向こうなどは、それぞれ別の国があるそうです。
私達は一先ず平原の国を目指し、東の国を超えて、比較的治安の良いと言われている、国境向こうの国を目指すらしいです。
その国には、以前ブルースの名付けをした、無性の方が居るそうなので、同じような能力を持った私が話を聞くために、会いに行く事にしました。
最初は渋っていたブルースなのですが、アインが二人きりで話をして、納得をした様で、行き先が決まりました。
「我に乗れば一っ飛びなのにな」
「急ぐ旅でもないですし、この世界を知るためにも、いろんな場所に立ち寄る方がいいと思いますよ」
私も色々見て回りたいので、ゆっくり旅が嬉しいです。
「それに家族も増えるかもしんないんだよね?」
シナトラの言葉に頷きます。
野球チームが二つ三つ作れる程、沢山の家族が欲しいですね。
そして妻を驚かせてやりましょう。
「ふふふふ」
「随分楽しそうだね、家族が増えるのがそんなに嬉しいの?」
並んで歩くチャックが見上げてきます。
「そうですね、沢山沢山欲しいですね。
でも、一番最初の家族はチャックですよ」
頭に手を置きそう告げると、チャックに手を払われました。
「だ、誰もそんな事言ってないし!」
耳まで赤くした彼はズンズンと先に行ってしまいました。
あら残念。
太陽が真上に来た頃に、休憩とお昼を取る事になりました。
いつものように木の実を取りに行くチャック、肉を狩に行くシナトラとブルース。
アインは木々の魔素を取り入れるとかで、瞑想中です。
私は早速米をいただこうと思います。
この世界の米も、日本の米と同じ様に、水で洗って炊けば良いんですかねえ?
タブレットを開いて一応確認……おや?ポイントが貯まっている様です。
家族が増えたわけでもないのに、ポイントが貯まっていると言うことは、家族が増える云々より、私の気持ち次第でポイントが貯まる……と言うことでしょうか?
そうだとしたら、ブルースやアインが仲間になったより、昨日の子供たちとの触れ合いの方が………、いや、これは追求すべきではありませんね。
昼食の後にでも、貯まったことだけ伝えて、次の交換品を相談しましょう。
米は妻のやっていた様に、水でくるくる洗って火にかければ良かったです。
水加減や火加減は、調理スキルでどうにかなりましたけど、米を洗い水を捨てる時に、かなりの米を流してしまいました……。
ああ、勿体ない。
背中にくっつく様にチャックが寝ています。
壁の隙間はぴっちりと埋まっていますか、まだお日様は登っていない様ですね。
もう一眠りしましょう。
次に意識が戻ったのは、枕元での誰かの話し声が聞こえたからです。
半分眠ったまま聞いていると、どうやらサルの獣人さんが、夜中にチャックが居なくなったと探しに来た様です。
黙って出てきたのですね、チャックは。
「この子は寝ている間に、こうして彼にくっついて魔素を補給しているのですよ。
伝えていなくてお騒がせしまたね」
アインも居るようで、チャックがここに居る説明をしてくれている様ですね。
魔素の件もそうなのでしょうけど、きっと寂しいからと言うのも有るんだと思いますよ。
言いませんけどね。
さて、そろそろ外も明るくなっているようですし、私も起きましょう。
「おはようございます。
チャックがご迷惑をおかけしたようで、すみませんでした」
「いや、無事ならそれでいいさ」
サルの獣人さんは笑って許してくれました。
アインにも謝っておきます。
本人にも一言言わせましょうかね。
「ほら、チャック、起きているのでしょう?
何か言うことないの?」
声をかけると、モソモソと起き上がり、視線を床に向けたままではありましたが、枕元に居たサルの獣人さんとアイン、この家の奥さんの三人に、
「お騒がせしてすみませんでした」
と、ちゃんと謝りましたよ。
サルの獣人さんは、チャックの頭を撫でて戻って行きました。
チャックはそのまま私と一緒に朝ご飯をいただいて、そろそろ出発です。
……あ!その前に思い出しました、お米を買っていかないと。
奥さんにどこに売っているか尋ねたのですが、雑草なのでいくらでも手に入るからと、袋いっぱい分分けてくれました。
「本当にその辺に生えてるから、道すがら集めればいいよ」
と、アドバイスもいただきましたので、これは鑑定をしながら歩かなければなりませんね。
皆の朝ご飯が終わったら、村人に別れを告げて、出発です。
次に向かうのは、獣人も人族も一緒に暮らしている町だそうです。
森と平野の境目あたりに有る町で、その先は平原が続いていて、主に人族の町や村があるのだとか。
平原の中心あたりには、王都が有って、平原を人族の王様が治めているそうです。
歩きながらアインに教えてもらったところ、西の森はアインが治める土地で、【西の森の魔王国】と呼ばれていて、平原は、人属の治める【平原の王国】北の山を含む森は【北の森の王国】と呼ばれる獣人の王様がいらっしゃるそうです。
平原の先の山脈地帯は【東の山の魔王国】と呼ばれる魔族の方が治めていて、この4人の王の治める土地で、他の国からは【ロスフォータ連合】と言うそうです。
元々東の国だけだったのですけど、住人が増え、どんどん開拓していき、国境の北の地を獣人に、西の国境の地を自分と同じ魔族に、平穏な中央を一番か弱い人族に統治を任せた一つの大国だったのですけど、時の流れとともに独立したそうです。
南は海で、そこは【海の王】と呼ばれる魚人の方々が複数で治めていて、西の森や北の森の先、東の山の向こうなどは、それぞれ別の国があるそうです。
私達は一先ず平原の国を目指し、東の国を超えて、比較的治安の良いと言われている、国境向こうの国を目指すらしいです。
その国には、以前ブルースの名付けをした、無性の方が居るそうなので、同じような能力を持った私が話を聞くために、会いに行く事にしました。
最初は渋っていたブルースなのですが、アインが二人きりで話をして、納得をした様で、行き先が決まりました。
「我に乗れば一っ飛びなのにな」
「急ぐ旅でもないですし、この世界を知るためにも、いろんな場所に立ち寄る方がいいと思いますよ」
私も色々見て回りたいので、ゆっくり旅が嬉しいです。
「それに家族も増えるかもしんないんだよね?」
シナトラの言葉に頷きます。
野球チームが二つ三つ作れる程、沢山の家族が欲しいですね。
そして妻を驚かせてやりましょう。
「ふふふふ」
「随分楽しそうだね、家族が増えるのがそんなに嬉しいの?」
並んで歩くチャックが見上げてきます。
「そうですね、沢山沢山欲しいですね。
でも、一番最初の家族はチャックですよ」
頭に手を置きそう告げると、チャックに手を払われました。
「だ、誰もそんな事言ってないし!」
耳まで赤くした彼はズンズンと先に行ってしまいました。
あら残念。
太陽が真上に来た頃に、休憩とお昼を取る事になりました。
いつものように木の実を取りに行くチャック、肉を狩に行くシナトラとブルース。
アインは木々の魔素を取り入れるとかで、瞑想中です。
私は早速米をいただこうと思います。
この世界の米も、日本の米と同じ様に、水で洗って炊けば良いんですかねえ?
タブレットを開いて一応確認……おや?ポイントが貯まっている様です。
家族が増えたわけでもないのに、ポイントが貯まっていると言うことは、家族が増える云々より、私の気持ち次第でポイントが貯まる……と言うことでしょうか?
そうだとしたら、ブルースやアインが仲間になったより、昨日の子供たちとの触れ合いの方が………、いや、これは追求すべきではありませんね。
昼食の後にでも、貯まったことだけ伝えて、次の交換品を相談しましょう。
米は妻のやっていた様に、水でくるくる洗って火にかければ良かったです。
水加減や火加減は、調理スキルでどうにかなりましたけど、米を洗い水を捨てる時に、かなりの米を流してしまいました……。
ああ、勿体ない。
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