【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

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第二章 旅は道連れ

24 文字数が多いと大変です

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え…この個別指定~とか言うのを書き込まなければならないのですよね。
文字数が多いと、指先で書いているから、一文字ずつが大きくなりますので、タブレットの範囲内に収まるかどうか………あ、何とかなりましたけど、最後の三文字ほとんど潰れていますよね…。

【個別指定情報開示のやり方
情報を他人と共有したいってことも出てくるよね。
そう言う時は画面の情報を、指定した相手に見せることができるシステムなんだ。
但し誰でも見れる訳じゃないよ。
魂の近しい相手、つまり名付けで繋がった相手か、心を通わせた相手、恋人とか伴侶になら見せることができるんだ。

やり方は簡単、まずは【個別指定情報開示】と書き込んで画面を呼び出してね。
それから相手の名前を【開示相手】の欄にフルネームで書き込むだけで大丈夫。
注意することは、情報開示解除をしないと、ずっと情報垂れ流しになるから、見せたい物見せた後は、解除してね。
解除の仕方は、【開示相手】の欄を左から右になぞると名前が消えるよ。
それで完了、簡単でしょ? 】

………タブレットの中の人は子供なのでしょうか?
と言うより……何と言いますか、話しかけられている様な…何なのでしょう、不思議な感覚ですねえ。
あ、それよりまずは【個別指定情報開示】ですね。
また八文字を画面に書き込み、アインの名前を、真名込みで書き込み……長すぎるわ!!
アインシュタインなんてもう読めないレベルで潰れていますよ。

空中に向かって指を動かしている私に、
「タブレットとか言う物を操作しているのですね」
と、アインが尋ねてきます。
「ええ、今新しい機能を試しているところです………どうですか、見えますか?」
なんとか名前を書き終え、アインに尋ねると、少しギョッとした表情をして、空中に視線を向けました。

「……この浮かんでいるモノがタブレットというモノですか?
私にも見えるのですが…」
「はい、今指定した相手にも画面を見ることができる設定にしました」
説明すると、アインはこめかみを抑え
「何でも有りですね…」
と呟いてから、この事も家族以外には、言わない、使わないと約束させられました。

ブルースは
「今度我にも見せろ」
と笑っていますし、シナトラはよく分からないと首を傾げています。
チャックはアインと同じょうに、呆れ顔でこちらを見ています。
何でしょうか、私が非常識な気がして来ました……。

気を取り直して、ポイント交換の窓を開けて、交換品をアインに見てもらいます。

「この、0.5という所ですと二つ選べるのですね。
……そうですね、【索敵】はブルースが使えますから敢えて持たなくても良いでしょう。
【バフ、デバフ】も捨て難いですね」
「個人的には【クリーン】の魔法が欲しいのですけど…」
私以外は使えるのだから、私も自分の清潔は自分で保ちたいです。
「貴方以外が使えるから必要ないです」
キッパリと却下されました。

「この【チェンジ】はわかりませんね。
【状態異常魔法】なら彼が使えるでしょうし」
視線を向けられたチャックは、顔を伏せてしまいました。
チャックは魔素を上手く取り入れられず、魔法が使えないのはアインに伝えていない事ですから、知らなくても仕方ありません。

「やはりここは【時空魔法】でしょう」
「それはどういったモノなのですか?」
【時空魔法】と言うからには【時間】と【空間】を扱うモノなのでしょうけど、私には想像が付かず、前回からパスしているモノです。

「熟練度によりますが、【時間と空間】に関する魔法が使えるはずです。
初歩ですと、鞄に【マジックバック】の魔法をかけると、鞄が異次元につながり、沢山の荷物を入れる事が出来る様になります」
私の頭の中には青いロボットが浮かびました。

「【マジックバック】の熟練度が上がると、許容量が増えたり、時間停止機能が付いたりします。
その上も有った筈です」
荷物をたくさん持ち運べるのは便利ですね。

「他には【移転】も使えるようになりますね。
これは【上級魔法】のスキルを習得しないと使えませんが」
テレポーテーションとか言うやつですね。
これはちょっとワクワクします。

「あとは対象の時間を進めたり、少しの間止めたりします。
これも【上級魔法】のスキルが必要ですね。
とりあえず取っておいて熟練度を上げておくと、【上級魔法】スキルを手に入れた時に、便利な魔法がたくさん使えますよ。
マジックバックだけでも重宝しますし」

説明を聞いた私も、これが良いと思いました。
「ではこの【時空魔法】と交換しておきます」
「そうですね、【結界】も捨て難いですけど、まずは【時空魔法】が良いですね」
「【結界】ですか?」
こちらは想像できますけど、何に使うのでしょうか?

「結界は我も張れるが、離れると範囲から外れるからな。
自分で張れる方が良いだろう。
だが先に【時空魔法】というのは我も賛成だな」
「何だか聞いたことあるよ。
『マジックボックスとか有れば狩った獲物を保存出来るのに』って母さんが言ってたから、食べ物に困らなくなるんだよね」
子供のシナトラでも知っている魔法ですか、有名なのですね。

「でも、確か時空魔法って難しいから使える人って少ないって聞いたけど?」
珍しくチャックも会話に加わって来ました。
「そうですね、【時間】はまだしも【空間】と言うものを理解できないと使えないですね。
ですから、【時空魔法】を習得したからと言って、全員が全ての魔法を使えるわけではないのです。
【時間に関する魔法】しか使えない人が多いですね」
アインがこちらを見て
「貴方には【空間】と言うものが理解できますか?」
と聞いてきました。

空間、スペース、言葉で言い表せと言われると少し困りますが、イメージはわかります。
私が頷くと、アインは「よくできました」という微笑みを浮かべて頷いた。
私では分からないことが多いですから相談して良かったです。

私は【個別指定情報開示】のアインの名前を左から右になぞり、アインを見ます。
「見えなくなりましたね」
アインの返答に、解除の仕方が間違っていない事が確認できました。

「では【時空魔法】と交換しますね」
交換品の【時空魔法】をタップして、私は3ポイント目の能力を手に入れました。





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