【完結】乙女ゲームのヒロインに転生したけどゲームが始まらないんですけど

七地潮

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ショタ視点

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僕の名前はノリアーム・ユフ、子爵家の四男です、14歳です。

学園に入るのは15歳になってからなんだけど、僕の魔力が類を見ないほど量も質も高いので、特別に一年早く入学しました。

この先も飛び級して、早く卒業して、魔法省に入省予定…確定です。

11月の最後の週か12月の頭にある試験では魔法学で、勿論トップを取らなければなりません。

一般教養や作法はそこそこ良い点を取れば大丈夫なのですが、実技は問題ないのですけど、座学が少し自信がありません。

だって魔法って考えて使うものじゃ無いですよね?
感覚?フィーリングで発動させるものですよね?
あれこれ考えるものでは無いと思うんです。

それでも出来ないなんて言ってはいられません。
なので今日も勉強中です。

それなのに、それなのに……最近勉強の邪魔をする人が居るんです…………。


「ノリ君、ねえねえ、ここってどう言う意味なのかなぁ?」

僕は僕の勉強が有るのに、教室でも、僕が借りている自習室にもやって来て、ピッタリとくっついてくるんです。

怖い、気持ち悪い。

大体何で『ノリ君』なんて呼んでくるのでしょう?
僕の名前は『ノリアーム』です。
親しい人は『リアム』と呼びますけど『ノリ君』なんて呼ぶ人は居ません。
意味もわかりません。

「ほら~、ここ、わかんないんだ~」

わからないなら先生に聞いてください。
僕の邪魔をしないでください。
そう言いたいんですけど、年上のお姉さんだし、クラスメイトだし、言えません。

「も~~、照れちゃって~。
可愛いんだから~」

ささやかながら、胸を押しつけて来るのはやめて下さい。
毎回毎回気持ち悪いんです。

「うふふ、ぷるぷる震えちゃって、も~、食べちゃいたい(ふっ)」

みみみみみみみに息をーー!!!

ゾワっとして逃げ出そうとしたけど、胸を押しつけてべったりくっついついるから逃げられず、椅子ごとひっくり返ってしまったのです。
そしてくっついているから必然的に彼女も一緒にひっくり返って…………



   チュッ


「!!!!!!!!!」
「キャッ!ノリ君ったら事故チューに見せかけて大胆なんだから!」

じこちゅーって何ですか?
それより上から退いて下さい!

涙目になって睨みつけているのに、

「え~、な~に?
そんなうるうる瞳で見上げて来て。
もう一回したいの?」
「!!!!!!!!!!!!!」

恐ろしいことを言いながら、顔を近づけて来る彼女……いや、痴女!
誰か!助けてーーー!!!!






大きな音を(転けた音)聞きつけた隣の自習室に居た生徒が何事かと駆けつけて来て、女生徒に押し倒され襲われている僕を助けてくれました。

彼女は一週間の停学処分となり、僕はテスト勉強に集中できました。
いえ、テスト勉強に集中することで、色々あった怖いことを頭の中から追い出したのでした。




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