【完結】乙女ゲームのヒロインに転生したけどゲームが始まらないんですけど

七地潮

文字の大きさ
上 下
5 / 13

ヒロイン 3

しおりを挟む
膝小僧の怪我は回復魔法で治したとして、破れたスカートのままじゃあ居られないから、保健室へ向かったの。

ゲーム内で悪役令嬢に噴水に落とされてびしょ濡れになったヒロインが、保健室…いやゲームじゃあ養護室だっけ?そこで予備の制服借りてた…はず。

保健の先生って覚え方してたけど、本来は養護室の担当である、教会から出向して来た人で、学園関係者でも先生でもない。

この国?世界?では王様や皇帝が治めていて、教会は女神様がもたらされたと言う光魔法を使える人の集まりで、回復魔法とか医療、調薬などは教会が牛耳っている…だったかな?

とにかくそう言った医者や薬剤師とか回復魔法が使える人は、教会にスカウトされる。
勿論断ってもOKだけど、教会に所属すると色んな補償が有ったり、なんやかんやと優遇してもらえるとか。

勿論その家族も恩恵にあずかれるからこそ、男爵…父は私を引き取ったんだけどね。

学園に入る前、教会からスカウトが来たけど、私はチヤホヤされたいから、卒業するまで答えは待ってもらう事にしている。
父だって、教会からのメリットよりも、格上の玉の輿の方が良いでしょうしね。
よく分かんないけど、社交とかいろんな面で。

ま、そんな裏話は置いといて、保健の先生ことロマモスは、ゲーム内でお色気担当、一番生で見るのが楽しみなキャラなの。

ネットでも、『喉仏から鎖骨のラインがヤバい』とか、『聖職者ちゃうやん、性○者じゃん』とか色々言われていたキャラ。

元々光属性の魔法の使えるヒロインに好感が有るから、攻略はめちゃ楽。
魔法のステータス上げればコロリと落ちる、チョロいキャラなんだけど、人気が高かったのが、全年齢ギリギリの際どいやりとり。
セリフは途中で意味深な微笑みになっちゃうし、フェードアウトが多いし、妄想掻き立てられるキャラなの。
つまり想像力(妄想力)が無ければつまらないキャラ。

私は好きだったよ。

そんなエロ…お色気担当なロマモスと初邂逅は学園に通って暫くして、教会へのスカウトから。
その後もちょくちょく出てきてお色気振りまいて、逆にヒロインが攻略対象じゃない?ってくらいグイグイ来る変わり種キャラ。

そんな彼に早めに会える!と楽しみにしてたけど、そうだよね、出向と言えど、学園で働いてるんだから、入学式に行ってるよね。

仕方ないから制服だけ借りていこうと、壁際にあるある棚?タンス?を開けた私が悪かった……。


扉を開けるとそこにはビッシリと女神様の大小様々な像や絵画が………。
オタクな友達の推しの祭壇の様なその様子に、無言のまま扉を閉め、破れた制服のまま帰りましたよ。

なんだろう、女性が推しキャラの祭壇作ってるのと同じなんだろうけど、男性がやってると………………キモ

あんなお色気ダダ漏れキャラなのに、人目につかないところでは…………


うん、考えるのやめよう。
近づくのもやめとこう。
目指すチヤホヤは、ライトなチヤホヤ。粘着質はごめんなさい、だよ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生令嬢は攻略したくない

リオール
恋愛
「駄目だ、攻略したいと思えない!」 実は転生令嬢の私。 やり遂げる事の出来なかった乙女ゲームの世界で、けれど攻略したい対象がいない! このまま誰ともくっ付かないノーマルエンドにする?学園生活楽しむ方向で行く? そう思ってたら、不意に声がした。 「俺と友達になるか?」 どこか懐かしい声。 彼は一体誰? ==================== 連載となるかは未定です

悪役令嬢になんかなりません

コイケ
恋愛
これはもはやお約束。転生先は悪役令嬢。 最終闇落ちの死亡確定なんてまっぴらごめん。 なら、私は私の道を行く。

ほら、誰もシナリオ通りに動かないから

蔵崎とら
恋愛
乙女ゲームの世界にモブとして転生したのでゲームの登場人物を観察していたらいつの間にか巻き込まれていた。 ただヒロインも悪役も攻略対象キャラクターさえも、皆シナリオを無視するから全てが斜め上へと向かっていってる気がするようなしないような……。 ※ちょっぴり百合要素があります※ 他サイトからの転載です。

【完結】悪役王子に宣戦布告したつもりがなぜか良い雰囲気になってます

花見 有
恋愛
前世に読んでいた恋愛小説の世界に転生したマリッタは、小説の推しカプを別れさせようと嫌がらせをする悪役王子に「二人に嫌がらせするなら許さない」と宣戦布告した。ここから、悪役王子との攻防が始まるかと思いきや、翌日、悪役王子はマリッタの元を訪れて昨日の事を謝ってきたのだった。

山あり谷あり…やっぱ平坦なのがいいよね

鳥類
恋愛
ある日突然前世の記憶が蘇った。まるでそれを覆っていたシャボン玉が割れて溢れ出たように。 思い出したことで気づいたのは、今自分がいる世界がとある乙女ゲームの世界という事。 自分は攻略対象の王太子。目の前にいるのは婚約者の悪役令嬢。 …そもそも、悪役令嬢って…俺が心変わりしなきゃ『悪役』にならないよな? 気付けば攻略対象になっていたとある王太子さまが、自分の婚約者を悪役令嬢にしないためにヒロインさんにご退場いただく話です。 ヒロインは残念女子。ざまぁはありますが弱めです。 ドラマティックな展開はありません。 山も谷も盛り上がりも無くてもいい、大切な人と一日一日を過ごしたい王子さまの奮闘記(?) サラッとお読みいただけたらありがたいです。

【完結】みそっかす転生王女の婚活

佐倉えび
恋愛
私は幼い頃の言動から変わり者と蔑まれ、他国からも自国からも結婚の申し込みのない、みそっかす王女と呼ばれている。旨味のない小国の第二王女であり、見目もイマイチな上にすでに十九歳という王女としては行き遅れ。残り物感が半端ない。自分のことながらペットショップで売れ残っている仔犬という名の成犬を見たときのような気分になる。 兄はそんな私を厄介払いとばかりに嫁がせようと、今日も婚活パーティーを主催する(適当に) もう、この国での婚活なんて無理じゃないのかと思い始めたとき、私の目の前に現れたのは―― ※小説家になろう様でも掲載しています。

政略結婚ですか、はい、喜んで。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

『候補』だって言ったじゃないですか!

鳥類
恋愛
いつのまにやら『転生』して美幼女になっていましたよ!魔法がある世界とかサイコーか! 頑張って王宮魔導師になるぞ!と意気込んでいたら…いつのまにやら第一王子殿下の『婚約者候補』にされていた…!! 初投稿です。 異世界転生モノをやってみたかった…。 誤字脱字・タグ違いなどございましたらご一報いただければ幸いです。 内容については生温くサラッと読んでいただけたらと…思います。

処理中です...