87 / 94
来訪者・4 自己紹介
しおりを挟むいや、しかしおかしいと思ってたんだよね。
神様達からしたらつい最近作った世界だとしても、人の感覚で何百年とか経ってるんでしょ?
なのに純血種が僕の会った人だけとか少な過ぎるでしょ?
いくら生まれにくいと言っても、もっと居ないとおかしいじゃん、って思ってたんだ。
成る程、城に人族と紛れて生きて居たなら、森の中を旅してても会うわけないよね。
納得です。
しかしこの世界の純血種の人達って、食べ物の名前って決まってるのかと思ってたんだけど、違うんだね。
そりゃあそうか、人族として暮らすなら苗字と名前がいるもんね。
ここの世界の苗字って、同じ文字が入るちょっと変わった法則があるみたいだし、食べ物の名前に拘ってなんか居られないよね。
よし、これから名前付けるの楽になるな。
などと一人思考しているうちに自己紹介が始まった。
「んじゃ俺からな。
オーガの純血種でサカユ・ナナクって言うんだ。
こっちのフライと城で建築部門に居るんだ」
俺の所に来たオーガだ。
「初めまして、フライ・ササミ、同じくオーガです。
三代目の頃からサカユ師匠の弟子をしています」
「他にも何人もオーガの純血種居るんだけど、城を建てたのは初代から居る俺だからな。
一緒に城建てたのは人族ばかりだから誰も残ってないんだ。
だから今城の修復とか支持できるの俺だけなんだ。
要はお偉いさんだよな、尊敬してくれて良いからな」
んー、軽い。
「自分からアピールしなきゃあ尊敬されないなんて、可愛そうですわね。
こんにちは、私ドワーフのスフレ・ココアと申します。
ドワーフなんですけど、頑丈な鉄の塊よりちょっと力を入れ間違えると破れてしまう布製品に興味がありまして、四代目の時に城に入りましたの」
成る程、デザイナーさんね。
「私もドワーフなのですけど、私はキラキラしい物が好きなのよ。
色々なアクセサリーや小物を作って居るナッツ・ココです。
五代目の時に城入りしましたわ」
……んん?
「私は料理長のニブ・カカオです。
マーマンの純血種なのですが、生物(なまもの)ばかり食べるのに飽き飽きしましてね、思い切って陸に上がりました。
八代目の頃から城に居ます」
ぽっちゃりイケメンオヤジさん、やっぱりマーマンは食いしん坊なんだね。
「ロウ・トントです、ワーウルフです。
一時期エルフの元で成長の魔法とか習ってたです。
三代目の頃から城で畑やってたです」
朴訥って言うのかな?いかにも田舎で農業やってますって雰囲気のイケメンお爺さん。
「リザードマンのレイ・カツカ。
ロウと一緒に畑と、趣味でガーデニングもしている。
俺は……何代目か覚えてないな」
こちらのおじさんも、オジサマって感じのナイスミドル。
「ジュレ・モモです~。
天狗の純血種です~。
下っ端メイドやってます~。
先先代から居ます~」
あー、ドジっ子メイドってやつか?
可愛い系のお姉さんが自己紹介した途端、それまで黙っていたピータンが口を挟む。
「やだぁ~、高貴な天狗なのに下っ端だなんて、天狗としてのプライドって物が無いの?」
若干キレ気味だけど……
「え~、高貴な天狗の更に純血種なワタシが弱者な人族に使われるなんて、カ~イカンじゃないですか~」
うわっ……
「やだ、この子何言ってんの?」
「ふふふふ~、う~んと年下の子に怒られるワタシ」
うわっ…語尾にハートでも付いていそう………
「いやだ、何?変態なの?」
「うふふふふふふ~~」
うわっ、うわっ……目がとろ~んとしてるよ、怖い!
オネエに変態って言われて喜ぶDMさんですか。
いやー、天狗族って変た………一風変わった個性の方が多いんだね。
「ほらほら、ジュレさん、落ち着きなさい。
失礼、私がこの子の上司になりますメイド長のピューレ・トマトです」
「そして書庫番のロア・ババと、大陸を飛び回り純血種に声をかけて回っているハーピーのカーツ・トリトンです。
サンリット国王への手紙で希望された人材を揃えて来ました。
一先ず町が出来上がるまで宜しくお願いします」
ロアが締めて皆が頭を下げる。
「いえ、大変助かります。
こちらこそよろしくお願いします」
成る程、人族の街に修行に行かなくても良いように、あちらから人材を派遣してくれたのか。
しかも純血種だとお互い気を使わなくて済むしね。
流石国王。
しかし……
ババロアにトマトピューレ、七草粥にササミフライ、ココアスフレとココナッツ、カカオニブに豚トロ、カツカレー、桃ジュレと鳥トンカツ…………
ちゃんと苗字も有るし、日本名風にしなければ気づかないけど、やっぱり食べ物の名前なんだね。
何だろう、どっと疲れが……
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
どうして、ただの女子高生が魔王と戦うことになるわけ!?
小松広和
ファンタジー
私の名前は雨宮麗華。どこにでもいる女子高生。なんの取り柄もない私は白い猫のポチに連れられて異世界へ行くことになった。目標は魔王を倒すこと。さあ、頑張るぞー! って、勝てるわけないでしょ!
初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~
出無川 でむこ
ファンタジー
主人公の黒杉楊一はある日の事、学校で過ごしていたらクラスメイト全員が異世界召喚されてしまった。
異世界召喚された者は勇者といわれて、能力を授かるのだが・・・
クラスメイトの皆は全員、勇者、剣士、魔導士などのこの世界ではチート並みに強い位置する職業に天職するにもかかわらず、黒杉陽一だけは最弱職業村人で召喚される!そのせいでステータスは他の人と比べ低く、劣等生として扱いをされるのであった。
しまいには、初期スキルしか覚えられないという不運に!
そんな、黒杉の異世界生活が始まるのであったが・・・、魔獣討伐の時にクラスメイトの一人に裏切られて谷底に落ちるのであった!なんとか奇跡的に生きたが、そこで出会うのはなんと銀髪ロリの美少女に出会う!
そして、彼女とその仲間達の出会いで運命が動き出す!
神主だった俺が転生したらパン屋でお嬢様の指南役!?
ナギノセン
ファンタジー
蒼玉剣人は、少しだけ特殊な家に生まれたこと以外はごく普通の高校二年生。
夏休みに入った彼には、目前にニつの大きなイベントが控えていた。
高校総体予選と神社の夏祭りだ。
中学から始めたフェンシングは、優勝候補の一角と目されるほどの腕前にまでなった。
今日も夏休みを返上して練習に励んだ。
夏祭りは、彼の生まれた家が千年を超える歴史を持つ神社で、その重要な大祭である。
長男の彼は物ごころのつく前から手伝わされて、気がつけば神前神楽も舞えるし笙も吹ける万能神主になっていた。
その彼が、夏祭りの御山詣の最中に事件は再び起こった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
出来立てダンジョンに入ったら道具が擬人化しだした~後に見つけたマジカルスパイスで最強へ
夜行回
ファンタジー
冒険者に憧れていた悠人と仲間たちが悲劇教団と戦うファンタジー。
悠人は妹の足を治す冒険を始め、リュセラや凛音らと奇妙なダンジョンに挑む。ダンジョンでは魔法や擬人化した物体が登場します。
へんてこな彼らに辟易する悠人達、だが100均と調味料が大好きな悠人、トライ狂いの凛音、道具が絡むと情けないリュセラ達も大概ですよ。
人生の最高のスパイスは悲劇なんかじゃない。喜びというスパイスを足そう。
それはそれとして掛けすぎだと思うなー。
体調の都合で途中から文字数が減少しますが、ご心配なく。まだ飲めます。
更新を2日に一度にします。もう一つ小説を書くための準備です。
この作品も他作と交互に進めるようにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる