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鉄板焼きなどを作ってみた
しおりを挟む夕方、スキヤキにお願いしていた二つが出来上がったので、夜のメインは鉄板焼きだ。
ホッティの荷物からすり鉢……乳鉢って言うのかな?を勝手に借りて胡麻をすりおろし、布に入れ力自慢に絞って貰ったら、よしよし出来た、ごま油。
……正式な作り方違うと思うけど、胡麻のまま絞っても油出ないかな?とすり潰してみたけど、出来たんだから何でも良いか。
そしてその間にガーリックに肉を色んな切り方で切ってもらう。
ステーキみたいな感じとか、ブロックに切ってからスライスしたり。
ステーキには各種ハーブをまぶしておく。
後はニンニンの芽をカットして貰ったり、人参とインゲンを同じ長さにカットしてもらい肉で巻く。
これでステーキと、ニンニクの芽の炒め物と肉巻きが出来るね。
今までは肉は塩やハーブを付けてそのまま焼くか、スープに入れるだけだったから、油を使って焼く事無かったんだ。
折角胡麻が有ったんだから使わなきゃだよねー。
因みにこの三品なのは俺が他に料理を思いつかなかったからですよ。
後は竹串でバーベキューみたいに串焼きしか浮かばない…。
ミンチにして丸めると肉団子になる?それを大きくするとハンバーグ?
………違う気がするから、今回はパスで。
とにかく、鉄板焼きの準備はこれで良しとして、スキヤキに作って貰ったもう一つ、おろし金……もどき。
軽金属で板を作って裏から釘で凸凸を作ってもらった。
不揃いだけど、何とかなるでしょ?
いや、本当はこんなんじゃないってわかっているけど、良いんだって、使えれば。
ガーリックに山芋を少し剥いてもらう。
「コー、これ腐ってるよ、ヌルヌルしてる」
うん、ヌルヌルしてるとそう思うよね。
蓮根は、油が少ししか出来なかったから揚げ物はまた今度、と言うことで今回は使わない。
皮を剥いた山芋を摩り下ろしてみる。
醤油が無いから代わりにどうだろうと、半乾きの海草を細かく切ってもらい混ぜ込んだ。
食べてみると、うん、これはこれでアリだと思う。
今日の夜ご飯はこんなもんかな。
…………いや、俺は口を出しただけだけど、包丁でも危ういのにただのナイフで肉を切ったり皮を剥いたりなんてムリです。
しかし困ったなぁ、今までシルジットに教わりながらサクラとガーリックが楽しそうに作ってくれてたけど、サクラは修行に行くからいつ戻って来るかわからないし、ガーリック一人に任せるのは何だかんだな、って感じだし、彼にはもっと他の色んな事やってもらいたいからなぁ。
予定ならチョココロネに料理番やってもらえないか聞くつもりだったのに、おもち置いて食べるだけ食べたら、さっさと行っちゃったからね。
あ、でも彼に任せたら食材全部食べちゃいそうかな。
うーん、料理を作る人もどうにかしないとと思っても、魔族の人達腹が膨れれば良いってタイプだから料理に興味無いし、興味の無い人を無理に修行お願いしても身にならないだろうし。
純血種の人達は、それぞれ好きな事ハッキリしてるからそちらを極めてもらいたいし……むむむむー。
そうこうしてるうちにホクホク顔のシルジット達が戻ってきた。
揃ったところで鉄板焼きだ。
やっぱり慣れた味……もどきだけど美味い!
鉄板焼き以外にも、枝豆とトロロ芋も有るんだけど、枝豆はボチボチ手を出す人は居ても、トロロ芋は皆手をつけない。
いや、最初に手にした人がやっぱり『腐ってる』とか言い出して、調理を見ていた人達は『こーは根っこ食べるんだ、変な奴だぞ』とか人聞きの悪い事広げてるし……。
ゴボウもトロロも根っこと言えば根っこなの?
いや、実だよね?
『コー、根っこなんか食べなくてもこっち食べな』
可哀想な子を見る目でそっと肉をさしだす人も居る……。
チキショー!食文化の違い!
そのうちぎゃふんと言わせてやる!
因みにトロロ芋は好奇心で食べたオニギリ兄弟とガーリック、ホッティは一口食べて顔を顰めた。
でもサクラの口には合ったようで、器の中身は全部食べた。
元が草食か肉食の差かな?
でもいつか和食を皆に認めさせてやる!
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