55 / 94
ある意味ホラー
しおりを挟む
「お子さんが出来て産まれるまでって、魔族の人達はどれくらいの期間なんですか?」
今まで聞いた感じだと短そうではあるけど、キチンと聞いた事は無かったよね?
「何々?この世界の出産事情か?
よし、私が教えてあげよう」
ガーリックが乗り出してきた。
まあ長生きしてるし、色んな事知ってるんだろうな。
お願いしますと頭を下げるとガーリックが話し出した。
「種によって多少の誤差は有るけど、バトルが終わったらすぐさま身体が変化する。
変化後一週間から十日程ずっと二人で子作りして、その間に出来なければその年の純血種は生まれない。
出来たかどうかはすぐわかるらしい。
先ずは体温が上がり母体から栄養を奪い卵が出来るが、かなり痛い上に一気に栄養を奪われここで亡くなる事も多い。
栄養を補給する為にナンバーツーを喰らうんだけど、それでも足りないと死んじゃう事になるんだな。
何せ体内に有る卵は親の栄養素以外受け付けないから、卵が産まれるまではナンバーツー以外食べれない。
食べ物を食べられないからかなり衰弱する。
そして無事に卵がうまれたとしよう。
卵が孵るのが三日くらい、その間に衰弱した身体を戻さなければいけないのだけど、ここでも高確率で亡くなる奴はいる。
卵が孵った後は一週間程は母体から栄養を摂取するから沢山食べないといけない。
卵から孵ったら母体からの栄養素なら何でも良いらしく、普段食べている物をとにかく沢山食べなければいけない。
それを過ぎると食べ物に関しては普通の物を食べる事が出来るので、亡くなる確率は殆どなくなる。
逆に言うと、その間に母体が持たなければ生まれた純血種も死んでしまう訳だ。
その後一年で純血種は成体になるからそれまでの間に狩などの基本的生き方を教える。
そして純血種が独り立ちすると、たとえここまで生きていても、燃え尽きたように親は死んじゃうんだよね……」
うわー……思った以上にシビア…。
話を聞いていたシルジット達も複雑な顔をしている。
因みにと聞いた人族は、俺の知る普通の妊娠出産だった。
いや、詳しくは無いんだけど、保健体育で習った様な感じの妊娠期間や出産後の成長だった。
いやー、聞いといてなんだけど怖いです……。
てか、卵なんだ。
じゃあおへそ無いのかな?
今度ホッティ辺りに見せてもらおう。
「それで今はどの辺りの段階なのですか?」
今から食べる…とかだとめっちゃ怖いんですけど……。
『今日明日中には卵が産まれるくらいかな』
スプラッタは過ぎている様で少しほっとした。
「なら今は会わない方が良いな」
オニギリが言うとオーガは頷く。
「んじゃここで待つの何だし、先に次に行くってわけでどうだ?」
俺を含めた皆が頷く。
『そうしてくれ。今産まれた後の食糧確保で忙しいんだ』
でしょうね、とシルジット達も頷く……ん?シルジット魔族の言葉理解してる?
はてな?と思っていたら背中に何か当たった。
振り返ると小石が落ちてる?視線を動かすと入り口からホッティが手招きしている。
「ちょっとごめん」と立ち上がりホッティの元に行くと、小さな瓶を手渡された。
「?…薬?」
瓶の感じから予想して聞いてみるとコクリと頷く。
「………身体に良いもの……乾燥させ粉にしてる………体力回復も可能…………水で溶かして飲むと良い……」
家には入って来なかったけど、話は聞いていたらしい。
馬車の荷台に隠れていた筈だけど、ワーウルフの純血種って耳が良いのかな?
有り難く受け取ってオーガに渡したら、受け取ったオーガは凄く喜んで受け取った瓶を持ってすぐさま走って行った。
多分妊婦さんの家に行ったのかな。
……それは良いんだけど、一つも疑ってなかったけど良いのかな……。
まあ身体に悪い物渡すわけ無いけどさ。
確か魔族って三、四歳の知能らしいから純粋なのかな?
そう言う事にしておこう。
置いていかれた俺たちは「じゃあまた出直してきます」と大きな声をかけてその場を後にする事にした。
妊婦さんの家には近付きたく無いし、家に居る誰かの耳には届いているだろう。
……いや、なんだか怖いから早く立ち去りたいって事じゃないからね!
忙しそうだし長居しちゃいけないだろうから、出発するだけだからね!
……本当だよ?…………
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
あけましておめでとうございます。
新年一発目の話でコレってどうよ?
とか思いましたけど、だからと言って番外編の様なものを挟むのも何だかな、と思いますし、話の流れも変わるので、あえてそのままです。
今年もよろしくお願いします。
今まで聞いた感じだと短そうではあるけど、キチンと聞いた事は無かったよね?
「何々?この世界の出産事情か?
よし、私が教えてあげよう」
ガーリックが乗り出してきた。
まあ長生きしてるし、色んな事知ってるんだろうな。
お願いしますと頭を下げるとガーリックが話し出した。
「種によって多少の誤差は有るけど、バトルが終わったらすぐさま身体が変化する。
変化後一週間から十日程ずっと二人で子作りして、その間に出来なければその年の純血種は生まれない。
出来たかどうかはすぐわかるらしい。
先ずは体温が上がり母体から栄養を奪い卵が出来るが、かなり痛い上に一気に栄養を奪われここで亡くなる事も多い。
栄養を補給する為にナンバーツーを喰らうんだけど、それでも足りないと死んじゃう事になるんだな。
何せ体内に有る卵は親の栄養素以外受け付けないから、卵が産まれるまではナンバーツー以外食べれない。
食べ物を食べられないからかなり衰弱する。
そして無事に卵がうまれたとしよう。
卵が孵るのが三日くらい、その間に衰弱した身体を戻さなければいけないのだけど、ここでも高確率で亡くなる奴はいる。
卵が孵った後は一週間程は母体から栄養を摂取するから沢山食べないといけない。
卵から孵ったら母体からの栄養素なら何でも良いらしく、普段食べている物をとにかく沢山食べなければいけない。
それを過ぎると食べ物に関しては普通の物を食べる事が出来るので、亡くなる確率は殆どなくなる。
逆に言うと、その間に母体が持たなければ生まれた純血種も死んでしまう訳だ。
その後一年で純血種は成体になるからそれまでの間に狩などの基本的生き方を教える。
そして純血種が独り立ちすると、たとえここまで生きていても、燃え尽きたように親は死んじゃうんだよね……」
うわー……思った以上にシビア…。
話を聞いていたシルジット達も複雑な顔をしている。
因みにと聞いた人族は、俺の知る普通の妊娠出産だった。
いや、詳しくは無いんだけど、保健体育で習った様な感じの妊娠期間や出産後の成長だった。
いやー、聞いといてなんだけど怖いです……。
てか、卵なんだ。
じゃあおへそ無いのかな?
今度ホッティ辺りに見せてもらおう。
「それで今はどの辺りの段階なのですか?」
今から食べる…とかだとめっちゃ怖いんですけど……。
『今日明日中には卵が産まれるくらいかな』
スプラッタは過ぎている様で少しほっとした。
「なら今は会わない方が良いな」
オニギリが言うとオーガは頷く。
「んじゃここで待つの何だし、先に次に行くってわけでどうだ?」
俺を含めた皆が頷く。
『そうしてくれ。今産まれた後の食糧確保で忙しいんだ』
でしょうね、とシルジット達も頷く……ん?シルジット魔族の言葉理解してる?
はてな?と思っていたら背中に何か当たった。
振り返ると小石が落ちてる?視線を動かすと入り口からホッティが手招きしている。
「ちょっとごめん」と立ち上がりホッティの元に行くと、小さな瓶を手渡された。
「?…薬?」
瓶の感じから予想して聞いてみるとコクリと頷く。
「………身体に良いもの……乾燥させ粉にしてる………体力回復も可能…………水で溶かして飲むと良い……」
家には入って来なかったけど、話は聞いていたらしい。
馬車の荷台に隠れていた筈だけど、ワーウルフの純血種って耳が良いのかな?
有り難く受け取ってオーガに渡したら、受け取ったオーガは凄く喜んで受け取った瓶を持ってすぐさま走って行った。
多分妊婦さんの家に行ったのかな。
……それは良いんだけど、一つも疑ってなかったけど良いのかな……。
まあ身体に悪い物渡すわけ無いけどさ。
確か魔族って三、四歳の知能らしいから純粋なのかな?
そう言う事にしておこう。
置いていかれた俺たちは「じゃあまた出直してきます」と大きな声をかけてその場を後にする事にした。
妊婦さんの家には近付きたく無いし、家に居る誰かの耳には届いているだろう。
……いや、なんだか怖いから早く立ち去りたいって事じゃないからね!
忙しそうだし長居しちゃいけないだろうから、出発するだけだからね!
……本当だよ?…………
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
あけましておめでとうございます。
新年一発目の話でコレってどうよ?
とか思いましたけど、だからと言って番外編の様なものを挟むのも何だかな、と思いますし、話の流れも変わるので、あえてそのままです。
今年もよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
異世界のリサイクルガチャスキルで伝説作ります!?~無能領主の開拓記~
AKISIRO
ファンタジー
ガルフ・ライクドは領主である父親の死後、領地を受け継ぐ事になった。
だがそこには問題があり。
まず、食料が枯渇した事、武具がない事、国に税金を納めていない事。冒険者ギルドの怠慢等。建物の老朽化問題。
ガルフは何も知識がない状態で、無能領主として問題を解決しなくてはいけなかった。
この世界の住民は1人につき1つのスキルが与えられる。
ガルフのスキルはリサイクルガチャという意味不明の物で使用方法が分からなかった。
領地が自分の物になった事で、いらないものをどう処理しようかと考えた時、リサイクルガチャが発動する。
それは、物をリサイクルしてガチャ券を得るという物だ。
ガチャからはS・A・B・C・Dランクの種類が。
武器、道具、アイテム、食料、人間、モンスター等々が出現していき。それ等を利用して、領地の再開拓を始めるのだが。
隣の領地の侵略、魔王軍の活性化等、問題が発生し。
ガルフの苦難は続いていき。
武器を握ると性格に問題が発生するガルフ。
馬鹿にされて育った領主の息子の復讐劇が開幕する。
※他サイト様にても投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる