40 / 94
現状整理してみる・2
しおりを挟む魔族としては技術や知識が欲しい。
人族としては安定した食糧確保が出来れば助かる。
うん、需要と供給がバッチリだよね。
「今のところ、サクラさんが衣料品を作る技術を学びたいとして、他にも色々出てくるだろうけど……、あの、気を悪くしたらすみませんが、俺がいた世界では、表面的に取り繕っていても、差別とか結構有ったんですが、人族の人達は大丈夫でしょうか?」
悲しい事に、学校でも地方から出てきて方言がきつい人なんか、それだけでいじめられてたりしたし。
父さんからも外国人労働者が職場で精神的にも肉体的にも追い詰められて、やり返す事で大きな事件になったりする事が良くあるとか聞いた事有るし。
【自分と違う物を弾き出すのは保身でも有るけど、人は考える事も想像する事も、思いやる事も出来るんだから、行動する時はよく考えて、想像して、相手の立場に立ってて行動しなさい】
っていつもは『萌えー』とか『尊いー』とか言いながら原稿書いてる母さんが言ってたな。
……父さん母さん元気かな………。
あ、いけないいけない、ぼーっとしちゃった。
急に黙り込んだから皆んなが俺を見ている。
「おい、ココシチ大丈夫か?」
「すみません、ぼーっとしちゃって。
話を続けましょう」
大丈夫だよー、って感じが出るように微笑んでみる。
「差別ですね、そう言った事は聞いた事有りませんね。
流石に人型以外の見た目の方…先日のカニスキさんみたいな方ですと驚く人もいるでしょうけど、純血種の方々は総じて見た目も麗しいですし、人には無い力を持っていますので、憧れると言う方が多いかと思われます」
シルジットの言葉に、他の三人が頷く。
確かに皆さん顔はイケメン、美女、美少女に男装の麗人だもんね。
…関係ないけど、それならこの先【異世界ファンタジーオヤクソク】な絶対に美形しかいないあの種族に出会ったりするのかな…。
「まあ、そう言う事なら問題無いですね。
着る物はサクラさん、住む所はオニギリさん達、鍛治はスキヤキさん、伝達事項はワーウルフの方々、後はどう言ったものが必要なのか、今はわかりませんが、人族の方に協力いただけると、これから作る町もとても住みやすくなると思います。
皆さんの協力が無いと何も出来ませんので、これからよろしくお願いします」
俺が頭を下げると、周りの皆が焦り出す。
「そんな…コウイチ様は私達の為に色々ご迷惑をかけているのですから、頭を下げないでください」
「コーリチが頭下げる事無いぜ」
「そうそう、コロミチのおかげで俺達好きな事思いっきりやれるわけなんだし」
『アルジに逆らう奴は俺がヤキ入れてやるぜ』
……アンズちゃん、ありがたいけど、物騒な事やめようね。
……………そしてそろそろ突っ込んでいいかな。
「あの、オニギリさん、俺の名前知ってますか?」
「ん?何言ってんだ、ポロイチだろ?」
「違うぜアニキ、モロチ」
「違ーーーう!!!」
トンソクが危ない言葉発しそうだったから叫んでしまった。
「言いにくいのか覚え辛いのかわかりませんが、俺の名前はコウイチです。
覚え辛いのなら、これからはコウと呼んでください」
「ん?コーか、よしわかった、お前がそう言うならこれからはコーと呼ぶぞ」
「はい、それでお願いします」
俺の名前なんてたった四文字なんだけどな。
『アルジ、俺もコーって呼んだ方が良いのか?』
「ん?アンズは好きに呼んで良いよ」
『よっし、じゃあ俺はこれからもアルジって呼ぶぞ!
俺が一番の古株なんだからその辺は他の雑魚との差別化だ』
アンズちゃん、古株も何もまだ僕この世界に来て十日程だし、他の人達を雑魚って…。
まあ実際スライムは最強だから仕方ないのか?
なんだかわりかし真面目な話をしたので、気持ち的に疲れたので、今日はここまでで解散。
女性はいつものように荷台で、今日はそこにサクラも加わり、三人で寝るそうだ。
シルジット達と僕は小屋の中で、俺はベッド?(土の台の上に獣の皮が敷いてある)二人は床に。
オニギリ達はまだ飲み足りないので、心ゆくまで飲んだらそこで寝るそうだ。
今日はいっぱい喋ったし、色々頭使ったし、突っ込んで疲れたのでとっとと寝よう。
おやすみなさーい。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる