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その夜は、折角小屋が有るし、急ぐ旅でもないのでそこで一泊。
オニギリやサクラ達と交流を深めた。
そこで不思議に思った事が一つ。
俺は誰が相手でも普通に喋っているけど、人族は魔族の言葉はわからないそうだ。
アンズと話してても、シルジット達は俺の言葉のニュアンスで、何となく把握しているけど、言葉が通じているわけではない。
魔族は人族の言葉は話せないけど、何を言っているのかは理解している。
純血種は、他の種族でも何を言っているかはわかるし、純血種の言葉は人族にも通じる。
つまり、俺とワーウルフと純血種が話していたら、シルジットたちには俺と純血種の言葉はわかるけど、ワーウルフだけは鳴き声に聞こえると。
俺には全部同じに聞こえるのに、不思議だ。
文字に関しては、魔族に文字自体が無いので、使うのは人族の文字との事。
勿論こちらも普通の魔族は読み書きできず、興味を持った純血種は読み書きできる者もいるんだって。
因みに俺はシルジット先生から、文字を教えてもらっている最中です。
色々情報を擦り合わせたりしていたら、オニギリに聞かれた。
「そう言やあ、コーミチは魔族の町を作るのに、なぜわざわざ人族と交流とかするのかい?
魔族は魔族、人族は人族で良いんじゃないか?」
自分では特に何か考えたわけでもなく、普通に交易とかして共に発展…とか思ってたんだけど。
王様にも言われたし。
一度言葉に出してキチンと伝えておこうかな。
『一人の考えで突っ走るな』
よく父さんに言われてた事だし、言葉にして話し合うと曖昧な事もキチンと決まるだろう。
僕は頭の中を整理する意味も含めて話し出した。
「まず俺は魔王になっても人族と付き合いを続けたいです。
勿論王様に言われたってのもあるけど、俺は魔王になっても人族だし。
そこに関しては理解いただけますか?」
「そりゃ人族は色々スゲーとこあるから文句とか無いな」
「私もこれから教えを請うのに、付き合いが無くなると困りますね」
「交流無くなったら師匠とかに会えなくなるわけだろ?
そりゃ困るな、まだまだ教えてもらいたい事もあるわけだし」
皆、人族との交流は問題無いみたいで一安心だ。
「人族の方としてはどうですか?」
シルジット達に話を振ってみると、少し考えてから答える。
「そうですね、私達人族としては魔族だから、人族だからで対立するつもりもないですし、良い関係を築きたいと王も仰ってましたから。
ただ、純血種以外の魔族の方の力試しが頻繁にあり、体力的に劣る私達としては困っていただけですし、交流自体は問題無いと思われます」
「そんなに頻繁に有るわけかい?」
シルジットの言葉にトンソクが質問した。
「そうですね、最近特に多くなりましたね。
魔族の方としたら【軽く投げてみた】でも人族は骨が折れたり、かなり大怪我になります。
怪我が酷くなると完治まで時間がかかりますし、その間働けなくなります」
「人族はそんなに治りが遅いのかい?」
骨折だと大体一月はかかるし、リハビリもしないといけないよな、とか思っていたら、
「程度によりますが、捻挫なら一月半程で後遺症が残ります。
骨折なら四、五ヶ月ですかね。
こちらも後遺症が残ります」
「いや、遅すぎるだろ!!
どんだけかかるねん!!
ひ弱にも程が有るだろ!!」
「コウイチ様…」
「コーピチ…」
思わず大きな声が出てしまった。
でも仕方ないと思う。
「…あ、すみません、思わず突っ込んでしまいました。
えっと話を続けましょう。
そう言うわけで、怪我すれば生活にも影響有りますし、かと言って対立したいわけでは無い。
なので俺が召喚されて来て魔王になると。
この辺りは説明しましたけれど、人族に教えを請うだけでは一方的になります。
こちらの世界では、人族の持つ物が欲しい場合物々交換で手に入れると聞きました。
そして旅の中で人族は狩がへ……体力的にも難しいと思い、技術を教えてもらう代わりに、動物や海産物を人族に渡して、お互い対等な関係を築けないかなと思うのですがどうでしょうか?」
色々誤魔化すために一気に喋った。
そうですね…とシルジットがアスリムにちらっと視線を向けて話し出す。
「アスリムには悪いのですが、私達人族は狩が下手です」
あ、ぼかして言ったのに、ズバリと言っちゃったよ。
「矢は二、三射しか出来ませんし、川で漁をしようにも、投網一回投げる程しか体力有りません。
なので肉や魚は皆さん純血種の方が物々交換で持ち込んでいただけなければ、口にする機会がかなり減ります。
しかも森に入ると魔族の方の力試しに遭遇し、怪我をするので、最近狩をする人もとても減りました。
なので安定して供給いただけるなら、助かるどころの話では有りません。
国として技術や知識を供給するのは全く問題有りませんし、とても良い関係が築けると思われます」
やっぱり食べ物は大事だよね。
ああ、ご飯、味噌汁、ラーメン、カレー、オムライス、スパゲッティ、唐揚げ、ハンバーグ………
オニギリやサクラ達と交流を深めた。
そこで不思議に思った事が一つ。
俺は誰が相手でも普通に喋っているけど、人族は魔族の言葉はわからないそうだ。
アンズと話してても、シルジット達は俺の言葉のニュアンスで、何となく把握しているけど、言葉が通じているわけではない。
魔族は人族の言葉は話せないけど、何を言っているのかは理解している。
純血種は、他の種族でも何を言っているかはわかるし、純血種の言葉は人族にも通じる。
つまり、俺とワーウルフと純血種が話していたら、シルジットたちには俺と純血種の言葉はわかるけど、ワーウルフだけは鳴き声に聞こえると。
俺には全部同じに聞こえるのに、不思議だ。
文字に関しては、魔族に文字自体が無いので、使うのは人族の文字との事。
勿論こちらも普通の魔族は読み書きできず、興味を持った純血種は読み書きできる者もいるんだって。
因みに俺はシルジット先生から、文字を教えてもらっている最中です。
色々情報を擦り合わせたりしていたら、オニギリに聞かれた。
「そう言やあ、コーミチは魔族の町を作るのに、なぜわざわざ人族と交流とかするのかい?
魔族は魔族、人族は人族で良いんじゃないか?」
自分では特に何か考えたわけでもなく、普通に交易とかして共に発展…とか思ってたんだけど。
王様にも言われたし。
一度言葉に出してキチンと伝えておこうかな。
『一人の考えで突っ走るな』
よく父さんに言われてた事だし、言葉にして話し合うと曖昧な事もキチンと決まるだろう。
僕は頭の中を整理する意味も含めて話し出した。
「まず俺は魔王になっても人族と付き合いを続けたいです。
勿論王様に言われたってのもあるけど、俺は魔王になっても人族だし。
そこに関しては理解いただけますか?」
「そりゃ人族は色々スゲーとこあるから文句とか無いな」
「私もこれから教えを請うのに、付き合いが無くなると困りますね」
「交流無くなったら師匠とかに会えなくなるわけだろ?
そりゃ困るな、まだまだ教えてもらいたい事もあるわけだし」
皆、人族との交流は問題無いみたいで一安心だ。
「人族の方としてはどうですか?」
シルジット達に話を振ってみると、少し考えてから答える。
「そうですね、私達人族としては魔族だから、人族だからで対立するつもりもないですし、良い関係を築きたいと王も仰ってましたから。
ただ、純血種以外の魔族の方の力試しが頻繁にあり、体力的に劣る私達としては困っていただけですし、交流自体は問題無いと思われます」
「そんなに頻繁に有るわけかい?」
シルジットの言葉にトンソクが質問した。
「そうですね、最近特に多くなりましたね。
魔族の方としたら【軽く投げてみた】でも人族は骨が折れたり、かなり大怪我になります。
怪我が酷くなると完治まで時間がかかりますし、その間働けなくなります」
「人族はそんなに治りが遅いのかい?」
骨折だと大体一月はかかるし、リハビリもしないといけないよな、とか思っていたら、
「程度によりますが、捻挫なら一月半程で後遺症が残ります。
骨折なら四、五ヶ月ですかね。
こちらも後遺症が残ります」
「いや、遅すぎるだろ!!
どんだけかかるねん!!
ひ弱にも程が有るだろ!!」
「コウイチ様…」
「コーピチ…」
思わず大きな声が出てしまった。
でも仕方ないと思う。
「…あ、すみません、思わず突っ込んでしまいました。
えっと話を続けましょう。
そう言うわけで、怪我すれば生活にも影響有りますし、かと言って対立したいわけでは無い。
なので俺が召喚されて来て魔王になると。
この辺りは説明しましたけれど、人族に教えを請うだけでは一方的になります。
こちらの世界では、人族の持つ物が欲しい場合物々交換で手に入れると聞きました。
そして旅の中で人族は狩がへ……体力的にも難しいと思い、技術を教えてもらう代わりに、動物や海産物を人族に渡して、お互い対等な関係を築けないかなと思うのですがどうでしょうか?」
色々誤魔化すために一気に喋った。
そうですね…とシルジットがアスリムにちらっと視線を向けて話し出す。
「アスリムには悪いのですが、私達人族は狩が下手です」
あ、ぼかして言ったのに、ズバリと言っちゃったよ。
「矢は二、三射しか出来ませんし、川で漁をしようにも、投網一回投げる程しか体力有りません。
なので肉や魚は皆さん純血種の方が物々交換で持ち込んでいただけなければ、口にする機会がかなり減ります。
しかも森に入ると魔族の方の力試しに遭遇し、怪我をするので、最近狩をする人もとても減りました。
なので安定して供給いただけるなら、助かるどころの話では有りません。
国として技術や知識を供給するのは全く問題有りませんし、とても良い関係が築けると思われます」
やっぱり食べ物は大事だよね。
ああ、ご飯、味噌汁、ラーメン、カレー、オムライス、スパゲッティ、唐揚げ、ハンバーグ………
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