【完結】異世界に召喚されて勇者だと思ったのに【改訂版】

七地潮

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魔族の名前は食べ物シリーズのようです

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「そう言えば二人共名前は無いの?」

俺が尋ねてみると、蜘蛛さんが答える。
「名前?私が〈お姉ちゃん〉でこの子は〈この子〉って言うわよ」
「いや、それ名前じゃ無いんじゃないかな」

どうもお召し上がりになられた人族からざっくりと、年上の女性はお姉ちゃん、自分より小さい場合はこの子とかあの子とか言うと聞きかじったので、それを名前としていたそうだ。

「それじゃああなたが付けて」と丸投げされた。

どうもこの世界では、人族が魔族の人に名前を付けるらしい。

名前か…これはやっぱり食べ物シリーズで通した方が良いのか?
蜘蛛さんは、ストレートのショートボブ?な見た目で楠○さんとか付けたいけどアウトだろう。

それならまんま見た目で…

「カニスキとか?」

「カニスキですか?
何か意味が有るのですか?」

シルジットから突っ込みが入った。
これで見た目のままとか言うと、逆に俺が美味しくいただかれそうだよね。

「えっと…高級(な食べ物)とか?」
「高級…お姉ちゃんにピッタリだよ」
親指姫からOKが出た。
蜘蛛さんも満更ではなさそう?

「それじゃあこの子は?」
アルラウネって言うんだっけ?
アルラウネ……アルラウネ………あるラムネ?

「ラムネとか?
意味は刺激的(な飲み物)って感じ?」
「刺激的!
そうね!この可愛さは刺激的だわ!」
「えへへへ」

ふー、どうやらお気に召した様だ。
ほら、名前なんて覚えやすいが一番……だよね?


*****


今日はそのまま、カラフルハウスに泊めてもらえる事となった。
だだっ広い野原でなく、仕切られた空間の中って安心して眠れそう。

泊めてもらう代わりに食べ物をお裾分けする事に。

二人共雑食だと言うことなので、パンと干し肉とキノコのスープ、メインは一夜干しの魚の塩焼き、バランス良いね。

準備が整いさあ食べようとした時に、問題発言発生。

「そのスライムは?」
「へ?」
「そのスライムはデザート?私も食べたいわ」
カニスキが、サラリと恐ろしいことを言う。

「いやいやいやいや!
アンズは大事な仲間です!」

雑食にも程がある!
俺の可愛いアンズをデザート扱いとか、マジにやめてほしい!

「スライムってプルプルしてて、喉をすーっと通って美味しくのに」
ゼリー扱いですか?
イメージはわかるけどやめて下さい。

アンズも落ち着いて!
攻撃体制に入らないの!
このまま同行して貰うんじゃなくて良かった。

正直な話、人族をお召し上がりとか言ってたから、身の危険を感じて同行のお誘いはしなかったんだけど、正解だったよ。

と言うか、同じスペース内に寝て大丈夫なの?
カクムンドさん達、今日も見張りはガッツリ宜しくです。


翌日皆無事に朝を迎えて、朝食後早々に出発しましたとさ。





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