【完結】異世界に召喚されて勇者だと思ったのに【改訂版】

七地潮

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林の中のカラフルゾーン

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海から離れ沼に向かい馬車は行く。

集合場所は、海から北西へ向かい、小さな林をいくつか抜けた森の中らしい。

森の中は流石に馬車は行けないから、俺とシルジットかさんが降りて沼まで歩き、そのまま北上して森を抜ける。

馬車は森をぐるりと回って、先に北の出口で俺たちを待つ。
そういう感じのスケジュールだそうだ。

途中の林の中を走っていると、木々の合間にあり得ないカラフルな色を見つけた。

花畑とかではなく、立体的なカラフルゾーン。

「シルジット、アレは何ですか?」
わからない時のシルジット。

「さあ、何でしょう?
見た事も聞いた事も無いですね。
木々の間にあんなに色とりどりの場所とは………。
カクムンド、あちらへ寄って下さい」

シルジットはちょっと悩んだ後、道を外れてカラフルゾーンへ行くことにしたみたいだ。

近づいてみたら、木々の間にカラフルな布が巡らされてる。

何故にこんな所に布を張り巡らせてるんだ?

赤、黄色、緑、ピンクにレモンイエロー?
本当に何これ?

馬車を降りてさらに近づいて見ると、ピンクは赤い布の上に白の薄い布が、レモンイエローも黄色の布の上に白の布が。

なんだろう、布の見本市?
出荷前に色の具合を見ているとか?

さらに近くへ寄って行くと…

「!!!」
「コウイチ様!」

いきなり縄が飛んできて縛り上げられ、さらに宙に引き上げられた。

何これ、罠?

「コウイチ様!大丈夫ですか!?」

下の方でシルジットが叫ぶけど、結構高い位置まで逆さ吊りで上げられている。
助けてくれようとナイフを取り出してるけど届かない。

頭に血が上る……逆さ吊りだから、頭に血が下がるのか?
パニクり、思考回路が迷走中の俺です。

この紐どこから来てるのか、シルジット達が辿って行くと、布のの向こうに俺をを吊り上げているヤツが居るみたいだ。

「えっと、どなたですか?俺を縛ってるのは。
力試しなら受けますので、とりあえず下ろしてもらえますか?」
見えない相手に話しかけてみる。

「え?ご飯じゃ無いの?」

ひょいっと布の向こうから女性…勿論キレーなお姉さんが顔を覗かす。

「嫌だ、ご飯がかかったんじゃあないの?
あなた人族よね?何か私に用でもあるの?」
人族と聞くといことは魔族だよね、見えないけど。
……ご飯発言は聞こえなかった事に…。

「はい、人族のコウイチと言います。
魔族の方を束ねる為、魔王になろうと旅しています」
「魔王?それ何?」
「シルジット、説明よろしくお願いします」
面倒なのと、本当に血が昇るか下がるかで、眩暈がしてきた。

「へえー、そんな面倒な事する為に旅をしてるの。
物好きねえ」

いや、好きでやってるんじゃ無いんだけど。

「ご飯がかかったかと思って捕まえちゃったの。
間違えてごめんね、今下ろすわ」

言うとシュルンと紐が外れて…勿論空中に居た俺は地面に落ちた…。
どうせなら地面まで下ろして欲しかった。

「生きてる人族って初めて近くで見るわ。
良かったら家へ寄って行きなさいよ。
ダーリンも中に居るし」

え?何の魔族か知らないけれど、シーズン中、ダーリン、と言うことはここでもイチャイチャ見せつけられるの?

もうお腹いっぱいなんですけど…。
でもスルーするわけにはいかないか…。

諦めて、今日は【イチャイチャ見せつけられデー】だとでも思う事にしょう。

「そっちに有る隙間から入って来てね」

言いながらお姉さんは引っ込む。

お呼ばれ致しますか。




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