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チョコレートって簡単に作れるものでは無いと知らない俺です
しおりを挟む「チョココロネ?」
茶色三段バラのオットセイ?トド?
いや、きっとジュゴンってやつか?
でも胸より上は人、胸から下がバインバインバインとムッチムチの半魚人ならぬ半海獣。
そしてやっぱり無駄にイケメン。
首から下は巨漢なのに、顔は小顔って下手なアイコラ状態でちょっと不気味ですよ…。
しかもメチャ日焼けしていて、焦茶色、まさにチョココロネ。
「チョココロネって何?」
「俺の居た世界の、チョコレートって言う甘いお菓子の入ったパンです」
「美味しいの?」
「美味しいですよ。
チョコの甘さや生クリームとのコンビやら、バリエーションもありますし、俺はよく食べてました」
特に牛乳との組み合わせがサイコーだと思う。
「おおー、食べてみたい!
魚や貝ばかり食べてるから、最近食欲が落ちてるんだよね」
いや、あり得ないでしょ、話してる間もずっと食べてるじゃん。
「それじゃあ、もしチョコレートが作れたら、差し入れさせていただきますよ」
俺が言うと、食い気味に身を乗り出してきた。
「本当に?!
チョコレートって、どうやれば作れるの?
それが有ればチョココロネ作れるんだよね?」
確かカカオと砂糖で作れるんじゃないの?
よく知らんけど。
「元になる木の実を見つけられたら、何とかなるかもしれないので探してみますね」
俺も甘いもの食べたいし。
「おおー、楽しみにしとくよ」
「えっと、それで本題なんですけど、今度俺、魔王になる事になってまして、魔族の方と人族の橋渡し役みたいな事するんです。
それで海で暮らしている魔族の方にも、協力していただきたくって」
「協力って?」
「そうですね、魔族の町を作ったら、人族と交易でもして対等な共存関係で、仲良くしていこうと思ってるんです。
なので海産物を集めてきて貰って、それを人族の食べ物と交換したり…」
「協力する!」
被せ気味に即答された。
「もう本当に魚介は食べ飽きたんだよ。
陸の木の実とかだと手に入る事はあっても、人族の食べ物となると……うへへへへへ」
顔だけイケメンが食べ物を想像…妄想して顔面土砂崩れだ…。
「他のマーマンの方々にもお願いと言うか、力試しで人族を襲わないで欲しいんですけど。
ひ弱な人族との力試しで、人族に結構深刻な被害があるので、それを無くすために魔王になるんですよ」
「あー、陸の魔族は人族見かけると、玩具見つけたみたいになるらしいね。
マーマン達は泳ぎや素潜りの勝負するって海に引き込むから、結構溺死してるもんね」
は?それヤバくない?
これは確実に共存関係結ばないと。
「あ…あのー…人族襲わないようにしてもらえますか?」
「良いよ」
軽!
「面倒だけど、人族の食べ物の為だもんね。
俺より早く泳げる奴居ないし、深く潜れる奴も居ないから、俺が抑えつけとくわ」
俺はありがたいけど、
「抑えつけるだけだと反発しそうですし…。
そうだ、魔族の町が出来たらですけど、誰が一番多く海産物を集められるか、誰が一番早く品物を運べるか、一番多く運べるか、とかを競い合わせるってのはどうでしょう?」
「おおー、それなら不満も出ないかな」
要は泳ぎで競い合う事が出来れば良いのだろうから。
「じゃあなるべく早く町を作ってお知らせしますので、それまでは抑えてていただけますか?」
「良いよー。
その代わりチョコレートの件も忘れないでね」
何だかちょこちょこ軽い。いや、親父ギャグとかでなく。
「よろしくお願いします。
それで今はアシンの燻製とか有るんですけど、何か魚と…」
「すぐ取ってくる!」
言うが早いか海に飛び込んで行き、ものの二、三分でイルカサイズの魚を取ってきてくれた。
「交換、交換!!」
「ありがとうございます。
ではこちらと…あ、そうだ、名前はなんとおっしゃるんですか?」
「名前?そんなのないよ。
あれって人族に付けてもらうのが普通だろ?
…あ、そう言えばさっきつけて貰ったよね?」
ん?何の事?もしかして…
「俺の事はチョココロネって呼ぶが良い」
名付けたつもりなんか無いんだけど。
見た目がそう見えただけなんだけど。
まあ本人がそれで良いって言うなら良いか。
俺のセンスじゃ無いからね。
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