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何かが現れた→近づく・様子を見る・逃げる

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「マーマンは、海辺に住み着いた事で海へ潜れる様に進化した種族です。
彼等は力より、どれだけ速く泳げるか、深く潜れるかで競うようですよ」

やっぱりか…。
問題があるんだよねー。

「あのー、俺泳げないんですけど……」

いぬかきとか、バタ足くらいならなんとか……でもそれじゃあ無理だよね。

シルジットの視線が冷たい気がするけど、仕方ないじゃんねえ。
代わりに泳いでって言っても、4人とも泳げなさそうと言うより、二、三メートル泳いだら、そこで力尽きそう。

「それなら純血種の方に頑張って頂くとすれば良いですよ。
コウイチ様は交渉を頑張って下さい」

交渉と言われても俺本人としたら、お互いに益があるように提案したって意識しか無いんだけど。
あ、それが交渉か。

「万一失敗しても、彼等は陸だけでは生活出来ないのですから、水辺から離れると問題ありません。
拗れたら放置しても構わないでしょう」

ニッコリ笑って、ブラックシルジット降臨。

はい、シルジット様の仰る通りに致します。


*****


さてさて、マーマンの純血種は何処かな。

イケメンな半魚人か、イケメン人魚か、どうせどちらにしてもイケメンなんでしょ?

フツメンの俺は、少しばかり被害者妄想入っても仕方なしだよね。
だってこの世界、女神様の趣味でイケメンだらけなんだから。

馬車から降りて、俺とアンズは入り江へ。
シルジットとカクムンドさんは反対側の浜辺へ、後の二人は今日はここで一泊なのでその準備を。

今日は魚も食べれるな。
採れたてピチピチの新鮮な魚の塩焼き、バナナの葉で包んで蒸し焼きとかも美味しいとテレビで言ってたな。

釣りは出来ないけど、純血種の人に会ったら採って来てもらえるかな。
よし、頑張って交渉するぞー。


*****



入り江を暫く歩いていると、少し先の岩場の上に何か生き物の影が見えたので近づいてみた。

逆光で影しか見えないけど、岩の上で誰か寝ている?

いきなり近づくのもなんなので、声をかけてみようかな。

「こんにちはー、ちょっとお聞きしていいですか?
俺たちマーマンの純血種の方を探しているんですけど、ご存知ないですか?」

純血種の人ならラッキー、普通のマーマンなら拳で語り合った後に情報貰おう。

「んあ?純血種って俺の事かな?」
横になったまま返事が返ってくる。

「少しばかりお話しさせていただきたいんですけど、お時間よろしいでしょうか?」

あ、何だか怪しい訪問販売みたいになってしまった。

「今飯食ってんだよ」
寝転がってるよね?
寝ながら食べてんの?

「じゃあ食事が終わってからで良いですから、少し話を聞いていただけませんか?」
譲歩してみる。

「飯終わるの?
昼食べたらそのままおやつ食べて、続けて間食食べた後夕飯で、その後晩御飯食べてから夜食だから、寝る前なら終わってるかな」
ちょっと待て、起きてる間食べ続けるの?

「えっと…食べながらでも良いので話聞いてもらえますか?」
「それで良いなら良いけど」
「じゃあそちらの岩場に行っても良いですか?」
「どうぞー」

受け答えしてる間もずっと食べてる。
とにかく純血種の人が横になってる岩場に登ってみた。
そこに居たのは……




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