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森へ行きましょう(未来の)魔王さん(ランラ〜ラ)
しおりを挟む馬車の中で毎度の如く、シルジット先生の世界基礎知識コーナー。
「純血種の方は、狩をした動物を街へ持ち込み、着る物などを交換したりしているそうです。
その他にも薬草や食べれる植物なども物々交換しているとの事です。
純血種は元の種族にもよりますが、人族と変わらない見た目をしております。
なので気まぐれに人族の町へ遊びに行ったり、欲しい物を手に入れたりしていると聞いています。
そして私の知り合いの純血種の方は、もっと森の奥に住まわれる他の純血種の方に頼まれたりして、割と街に行かれるそうなんです。
好奇心旺盛なのでね。
だから私が迷った時にも、あちらから声を掛けてくれたのですよ」
そうか、世捨て人で引きこもりでも、流石に着る物なんかは自分で準備出来ないか。
知能があるなら羞恥心も有るだろうし、裸や毛皮を腰に巻いただけなんて事はしないだろうから。
糸を紡いで機織りして、裁断して縫製とか面倒な事しなくても、人族の街に行けば手に入るのならそちらを選ぶだろうな。
俺でもそうする。
だって一枚じゃ着替えも出来ないんだし。
「でも物々交換とかでも物が手に入るんだ。
この前街に行った時シルジットさんお金払ってたから、お金が無いと買い物出来ないのかと思ったんだけど」
「お金も使えますが、物々交換が基本なんですよ。
町により物価も価値観も違いますし。
ただ狩をして獲物を獲って来るとか、織物をするなど何かの技術が有れば良いですけど、交換出来るモノの無い方の救済処置として貨幣が生まれました」
貨幣の歴史はまだ浅く、最近ようやく浸透して来たらしい。
二代前の王に女神がお告げで教授したとの事。
少しは働いてるんだね、あの残念さんも。
そして馬車は森の中へ。
*****
この森は木が鬱蒼と茂って道無き道を進む…と言う訳ではなく、小高い丘が有ったり、池が有ったり沼地が有ったり、木々の密集している所が有ったりとかで、かなり広範囲らしい。
城で見せてもらった大まかな地図を思い出してみる。
大陸の東に人族の街、その東は海だ。
北は魔族でさえ簡単に超えられない高い山脈、南は海だ。
僕達が最終的に目指す西は、北の山脈から連なる山、その山は南に行くと低くなる、「 の形で山が囲んでるって感じかな。
とりあえず木々が密集していないので、馬車の旅を続けられるのは有り難い。
密集している所も半日程で突っ切ることの出来る場所が殆どだそうだ。
歩きの旅にならなくてよかったよ。
*****
「もうすぐ着きますよ」
シルジットさんの知り合いの純血種の人は、森に入ってしばらく行くと有る、大きな栗の木の下の洞に住んでいるとの事。
建築技術の無い魔族の人達は大概木の洞や洞窟、地下に穴を掘って住むかのいずれからしい。
しかし、住処にできるほどの洞のある栗の木って?
そこまで育つ物なの?
異世界だからなのか、あの残念さんのせいなのか…。
「その人って元は何族なんですか?」
「元はオークの出だそうですよ」
オーク…オークってあれでしょ、豚って言うかイノシシって言うか。
厳つくて棍棒振り回すイメージ。
「ほら、あの木の……?」
言葉の止まったシルジットさんの視線を辿ると、この木なんの木っぽい大きく育った木の下に、こじんまりとした家が建っている。
近づいてみると、土壁の四角い簡素な造りだけど、妙に透明度の高い窓の有る家だ。
大きさは…友達の家に有った、八畳と簡易キッチンの付いたプレハブくらいの大きさかな?
「家が建ってますね」
「以前来た時にはあの洞に住んでいたのですけど…」
確かに木には扉がついている。
あの扉の先が元の住処なのかな?
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