【完結】異世界に召喚されて勇者だと思ったのに【改訂版】

七地潮

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勘弁してください女神様 3

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《いえ、それじゃあダメなんです!》

うおぅ!びっくりした。
何でいきなりこの空間?

《心の中で強く私に呼びかけたので、それが祈りとなりこちらへ呼ぶ事が出来ました》
勝手だ。
非常に勝手だ。

「この際色々聞かせていただきます。
何で権力欲がある人ではダメなんですか?
そもそも純血種が纏めれば済む事なんじゃないですか?
何で雄が女体化するんですか⁈」

《え?そこ大事?》

「大事です!
女性は大事です!
綺麗なお姉さんは大事です‼︎
綺麗なお姉さんの元が、戦闘狂の筋肉ダルマな男なんて以ての外です‼︎‼︎‼︎」

《え?この世界に連れて来た時より凄い反応?
これって地球で言う『ヒクワー』って状態?》

「なんですか、ゴブリンが進化して他種族とか!
つまるところ、綺麗なお姉さん魔族が居ても元を辿れば皆ゴブリン?
あり得ないですよ!」
いや、その後ついつい熱く語ってしまった僕でした。


《権力欲のある者だと、人族と戦争が起こる事もあり得るので絶対にダメなのです。
純血種は、確かに力と知恵が有りますが、他の種や人族を支配する様な考えを持つと、今の力試しの戦いから戦争になる恐れも生まれますので、純血種の方々には支配欲が気薄になる様にしています》

ある程度落ち着いたので話を進めて貰った。

《とにかく戦争だけはダメなのです。
魔族、人族だけではなく、動物や植物、星にまで負担がかかります》

「言いたい事や考えは分かりますけど、もう少しバランス調整とか、戦争にならない様に上手く導くとか出来ないんですか?」

よくやってたアプリゲームだって、偏りが出て来るとバランス調整のアップデートとかよくやってたんだし、上手いこと調整すれば良いんじゃないのかな。

《まだ私の経験が足りないと言うのも有りますが、力、知恵、支配欲、権力欲などを与えると戦争は避けられないのは、他の神々も頭を悩ませているのです。
どんなに経験を積んだ神でも、戦争の全く無い世界は作れていないと言っていい状況なのです。
貴方の居た地球の神も、新しく生まれる命からは欲を薄くする様にしてバランスを取っていますので、参考ににして、種族毎に知恵と力を振り分けてみたのです。
でも結果は力の無い人族は協力して生きていますが、知恵の無い魔族が纏まらずこう言う結果になっています》

何だかちょっと聞き捨てならない様な事が…まぁもう地球に居ないし、戻れもしないからいいか。

「まぁ、引き受けていますから魔王目指しますけど。戦争反対は同意できますし」

魔族の人や純血種が纏めて、うっかり支配欲などを持つと戦争になるかもしれないから、人である異世界を召喚したと言うのが正解なのか。

神様だけあって、色々考えているんだってのはわかる。
わかるけど何だか色々納得いかないと言うか納得出来ない事が…

まぁ言っても仕方ないか。
この女神様が残念なのは最初からだし。

《それではそろそろ元の場所へ戻します。
この世界の事をよろしくお願いします》

「はい、出来る範囲で頑張ります」

脱力してがっくりしている僕の耳に最後に聴こえて来たのは…

《あ、純血種は最終進化なので、生まれた時から女性もいますよ》

え?ちょっ!それ大事な事‼︎



「詳しくーー!」
「⁉︎何をですか?」

どうやら寝ていたらしい僕が、叫びながらガバッと起きたので、シルジットさんとスケエリアがびっくりした顔でこちらを見ていた。

「あ、いや、その、何でもないです。
寝ぼけたのかな?
あははは…」

ヤバイ、恥ずかしくて顔が赤くなる。
詳しい事なんて言いたくないから、このまま寝惚けた事にしておこう。

いや、本当にもう色々な意味で勘弁してくださいよ女神様。



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