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ドワーフ
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「『10代後半で、力持ちの男性限定!今シシル町の川が氾濫しておりこの町の水元が無くなりかけています!今、このリーグ町を守れるのは君だ!シシル町に行って、氾濫を止めよう!期間は1/10~2/20!君も一緒に頑張ろう!』
………かぁ…なぁ~んだ、ようするにアルバイト募集の紙か。」
次の日になり、昨日の夜顔に張り付いてきた紙を読み上げていた。
「アルバイト……報酬出るのか?」
と、もう一度紙を見直した時だった。
「あれ…もう1つ書いてある……
ぇ、『宿と三食昼寝付き』だとっ!?それってもう俺の為にあるようなもんじゃん!これはもう行くっきゃない!え、なになに!?『応募会場はシシル町のリックスという建物に!応募締切は1/5の10時まで』!?………今じゃねーか!!」
俺は全速力で広場から出て応募会場まで向かった。
シシル町に近付くにつれて色々なものを見た。
建物の横の細い道にぐったりと倒れているジジィや、白い粉の入っている袋を持って叫んでいる人…
シシル町はもっと…皆が笑っていて、こんな所で倒れていても誰かが話し掛けていたのに…
今はそういう気配が全く無い。
皆…見ない振りをして…
子供なんて叫んでいる人を見て指を指して笑ってる…
変だ…何か変だ…
「だぁ~…疲れたぁ~、やっぱりリーグからシシルまで走るのはキツかった~」
で、会場何処だ?
キョロキョロ周りを見渡すと、1人の女性が歩いていた。
よし、あの人に聞いてみよう。
女性に近付きゆっくりとした口調で話し掛ける。
「すみません、リックスって建物、何処にあるか知っていますか?」
俺はそう話し掛けると女性は少し戸惑い嫌そうな目でこちらを見た。
…うわぁ。
「知ってますけど…」
「道案内ってしてくれませんか?」
「…………はぁ。」
そう溜息なのか返事なのか分からない声を出した女性はゆっくりと歩き始めた。
んん?道案内してくれるのかな?
俺は女性について行くために歩き始めた。
しばらく歩いていると、流石に空気が重くなり耐え切れず話しかけた。
「あの~…最近シシル町ってなんか変わりましたね、活気が無いというか…元気がないというか…」
「……どうしてそう思うんですか?」
女性は、そう言い立ち止まった。
「どうしてそう思うのですか?」
2回問われてしまった。
え、どうして止まるの!?怒らせちゃったかな?
「え、あ、いやぁ~…今商店街に居るのに誰ともすれ違わないから…的な?」
「…まぁ、そりゃあ皆外に出たくないですよ。」
「どうして?」
女性はまた歩き出し少し怒っているよな口調で話し始めた。
「知らないんですか?シシル町で麻薬が広がったの。」
麻薬…!?
「麻薬って…」
「『ヘロイン』ってご存知ですか?1番強い麻薬です。」
「ヘロイン!?」
………
「……って何ですか?」
「って!そんなに驚いておいて知らないんですか!?……ヘロインというのは麻薬の中でも中毒性の強い薬物なんです。」
「じゃあ、どうしてそんな麻薬が広まったんですか?」
女性は黙って、下を向いた。
「…貴方って本当に何も知らないんですね…
一年程前にこの町に『パステル団』という人達が現れたんです。」
パステル団…
「そしてその人達は、
『この町をもっと良くして行きましょう。』
と言って町を活性化し続けていきました。私も最初は嬉しかったんです…あんな事が起きるまでは…」
あんな事?
「私が買い物をしている時にパステル団の甲冑を着た人が一般市民を路地裏に連れて行ったんです。」
言いたくなさそうな顔をしながら話を続ける彼女。
「あの!えっと…もう大丈夫です…大体分かりました…」
多分だけど、その路地裏で麻薬を渡していたのだろう…
「着きましたよ。」
女性の向く方向を見ると普通の建物よりも遥かに大きい建物がそこにあった。
「ありがとうございます。」
女性は立ち止まり、こちらを見た。
「あの…ここがどんな建物か知っていますか?」
「リックスっていう建物ですよね?」
女性は持っていたカゴを力強く握りしめ、口を開いた。
「……リックス…もとい、パステル団の基地です。」
………かぁ…なぁ~んだ、ようするにアルバイト募集の紙か。」
次の日になり、昨日の夜顔に張り付いてきた紙を読み上げていた。
「アルバイト……報酬出るのか?」
と、もう一度紙を見直した時だった。
「あれ…もう1つ書いてある……
ぇ、『宿と三食昼寝付き』だとっ!?それってもう俺の為にあるようなもんじゃん!これはもう行くっきゃない!え、なになに!?『応募会場はシシル町のリックスという建物に!応募締切は1/5の10時まで』!?………今じゃねーか!!」
俺は全速力で広場から出て応募会場まで向かった。
シシル町に近付くにつれて色々なものを見た。
建物の横の細い道にぐったりと倒れているジジィや、白い粉の入っている袋を持って叫んでいる人…
シシル町はもっと…皆が笑っていて、こんな所で倒れていても誰かが話し掛けていたのに…
今はそういう気配が全く無い。
皆…見ない振りをして…
子供なんて叫んでいる人を見て指を指して笑ってる…
変だ…何か変だ…
「だぁ~…疲れたぁ~、やっぱりリーグからシシルまで走るのはキツかった~」
で、会場何処だ?
キョロキョロ周りを見渡すと、1人の女性が歩いていた。
よし、あの人に聞いてみよう。
女性に近付きゆっくりとした口調で話し掛ける。
「すみません、リックスって建物、何処にあるか知っていますか?」
俺はそう話し掛けると女性は少し戸惑い嫌そうな目でこちらを見た。
…うわぁ。
「知ってますけど…」
「道案内ってしてくれませんか?」
「…………はぁ。」
そう溜息なのか返事なのか分からない声を出した女性はゆっくりと歩き始めた。
んん?道案内してくれるのかな?
俺は女性について行くために歩き始めた。
しばらく歩いていると、流石に空気が重くなり耐え切れず話しかけた。
「あの~…最近シシル町ってなんか変わりましたね、活気が無いというか…元気がないというか…」
「……どうしてそう思うんですか?」
女性は、そう言い立ち止まった。
「どうしてそう思うのですか?」
2回問われてしまった。
え、どうして止まるの!?怒らせちゃったかな?
「え、あ、いやぁ~…今商店街に居るのに誰ともすれ違わないから…的な?」
「…まぁ、そりゃあ皆外に出たくないですよ。」
「どうして?」
女性はまた歩き出し少し怒っているよな口調で話し始めた。
「知らないんですか?シシル町で麻薬が広がったの。」
麻薬…!?
「麻薬って…」
「『ヘロイン』ってご存知ですか?1番強い麻薬です。」
「ヘロイン!?」
………
「……って何ですか?」
「って!そんなに驚いておいて知らないんですか!?……ヘロインというのは麻薬の中でも中毒性の強い薬物なんです。」
「じゃあ、どうしてそんな麻薬が広まったんですか?」
女性は黙って、下を向いた。
「…貴方って本当に何も知らないんですね…
一年程前にこの町に『パステル団』という人達が現れたんです。」
パステル団…
「そしてその人達は、
『この町をもっと良くして行きましょう。』
と言って町を活性化し続けていきました。私も最初は嬉しかったんです…あんな事が起きるまでは…」
あんな事?
「私が買い物をしている時にパステル団の甲冑を着た人が一般市民を路地裏に連れて行ったんです。」
言いたくなさそうな顔をしながら話を続ける彼女。
「あの!えっと…もう大丈夫です…大体分かりました…」
多分だけど、その路地裏で麻薬を渡していたのだろう…
「着きましたよ。」
女性の向く方向を見ると普通の建物よりも遥かに大きい建物がそこにあった。
「ありがとうございます。」
女性は立ち止まり、こちらを見た。
「あの…ここがどんな建物か知っていますか?」
「リックスっていう建物ですよね?」
女性は持っていたカゴを力強く握りしめ、口を開いた。
「……リックス…もとい、パステル団の基地です。」
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