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Assassination of the night
しおりを挟む20:34
赤城との遭遇戦から一時間ほどたった時、俺と千郷は休憩所を探して彷徨い歩いていた。
千郷は歩きながら不安そうに言った。
「もし休憩所を見つけられなかったらどうする?」
「見つけられるまで探すから、関係ない」
「この階の休憩所が満席だったらってことよ」
「その時はここで寝るか、別の階へ行くしかない」
「本気で言ってるの?」
もちろん迷宮の通路などで寝るのは危険だし、今更別の階へ行くのには時間がかかりすぎる。第一に選ぶべき選択肢ではなかった。しかし、この階で使用可能な休憩所が埋まっていればどちらかを選ばねばならない。
「はあ……こんなことなら来なければ良かった」
「……そういえば君は何のためにこのバイトを受けたんだ?」
俺がそう訊くと、千郷は歩きながら答える。
「ちょっと借金」
「ちょっとって……いくらだ?」
千郷はきっとこちらを向いて、首を振った。
「別にいう義理は無いでしょ。わざわざハンドルネームを使わせて本名が分からなくなってるのはそれぞれプレイヤーが誰であるかが分からないようにする処置だろうし、あまり人に詮索をかけるのはどうかと思うわ」
「……そうかい」
千郷は怪我の痛みで気が荒くなっているらしい。休憩所で痛み止めなんかが置いてあれば良いのだが……
「ん? あれは……休憩所じゃない?」
千郷が示したのは緑色に光る、〝休憩所〟と書かれたプレートのかかっているドアだった。傍のモニターには〝empty〟と表示されている。つまり、空いているのだ。
「やった! 見つけたぞ」
俺と千郷は大喜びでドアに近づき、部屋の中に入ろうとした。
「ん、ちょっと待って」
「どうした?」
「いや、ちょっと気になることがあってね」
「気になること?」
頷くと、千郷はドアの取っ手の近くにある鍵穴を見せた。
「確か施錠は中からするんだよね。なのに外側に鍵穴があるのはおかしくない?」
言われてみればその通りだ。中から閉めるだけなら外側に鍵穴を付ける必要はない。このドアをどこかの廃ビルのドアなどを流用していない限りは、何らかの手段によって外から開けられるのだ。
「ゲーム主催者が開けられるようにしてるんじゃないかな」
何かの拍子にプレイヤーが鍵を掛けたまま部屋で死んだ場合、主催者がその死体を運び出すため、ドアを開ける必要がある。つまり、この鍵はそのためなのだろうと推測したのだ。
「そうよね……考えすぎかしら」
「もし心配ならベッドの一つでドアを開けられなくしたらいい。このドアは内開きみたいだし」
俺はそう言うと、さっさと休憩所の中に入った。
「おお……」
部屋の中はフローリングの床となっており、大きい冷蔵庫、電子レンジ、三つのベッドがあり、流し台まで設置されている。さらに二つドアがあり、〝トイレ〟〝風呂〟と書いてあった。
「ようこそ、休憩所へ」
備え付けられていたスピーカーから声がする。
「主催者か……」
「はい、それぞれ柔軟にニーズに答えるため、十二人のプレイヤー全員に解説を行っています」
「そうか……ここに医療器具とか医薬品の類は無いのか? 治療を受ける必要がある人間がいるんだが」
もちろん千郷のことである。スピーカーの隣にはカメラが設置されており、今話している相手はこちらを見ながら話しているようなので、誰を指しているかは分かるだろうが。
「あります。風呂場にキットがあるのでそれで治療できるでしょう。説明はついていますので詳しくは答えませんが」
「じゃあ、外へここの食べ物を持っていくのは良いのか?」
「構いません。減った分は自動的に補充しますので」
どうやって補充するかはわからないが、誰かが食料の補充に来たところを取り押さえる、などという考えは予想済みだろう。何か対策を講じているはずだ。
「他にありませんか?」
「一つだけ言わせて」
千郷が割り込んでくる。
「なんでしょうか」
「貴方、私たちが生き残ったらひどい目に遭わせてあげるわ」
「そうですか」
私〝たち〟と言われたので俺も何か反抗的なアクションをとらねばならないのだろうか。何をしたら良いのか分からなかったので、ひとまず監視カメラに向けて中指を立ててみた。
「では皆さん、幸運を」
それで放送は終わった。俺と千郷の言動を華麗にスルーしたらしい。
「ま、いいわ。休憩所が見つかったわけだし。食べ物って何があるのかしら」
「まずは君の腕を手当てしてからだ」
風呂場に置いてあったリュックサックに救急治療セットが入っており、薬や包帯で痛みを和らげ、傷を覆った。
「これで良し」
「ありがとう。……ところで何か食べる?」
千郷はそう言って冷蔵庫を開けた。
「うーん、冷凍食品ばっかりね……電子レンジがあるからそれでチンしなさいってことでしょうけど……このクッキーは持っていけそうね」
千郷は冷蔵庫に入れてあった乾パン、クッキー、ビスケットを取り出した。
「持ってくって言っても入れるものが無いだろ」
「さっき使えそうなのは見つけたわ」
千郷は風呂場の救急セットが入っていたリュックサックにぽいぽいとお菓子を詰め込んだ。
「喉渇きそうだな」
「水筒みたいなのは流石に無いから、そこは我慢よ、我慢」
確かにここを出ている間食べ物の心配をする必要がないのはありがたい。エネルギー表示を見ると、かなりの高カロリーであるらしく、この体力を使いそうな状況下ではありがたい物資だった。
「ていうかここシャワーもあるのね」
千郷は自分の来ている服に顔を近づけた。
「……まだ臭いは無いけど、着替えとかあるのかしら」
「さっき救急キットを持ってくるときに気付いたんだが、風呂場に各プレイヤーの服が金庫に入れられてたぞ。自分のパスワードが暗証番号になってるから、それで開けられる」
主催が準備したものだろうが、わざわざゲーム開始時と同じ服を着させるのは遠目に見ても誰が誰だか分かるようにするためだろう。
「シャワー浴びたいけど、傷口が開くといけないし……」
「タオルを濡らしてレンジで温めたらどうだ? 体は拭けるぞ」
「ああ、そうね。あなたは?」
「俺は普通にシャワー使うよ」
俺は端末を置いて風呂場へ行き、汗を洗い流して新しい着替えに身を包むと、風呂場から出た。
「あれ?」
千郷がいない。さらにスリングショットも見当たらない。
まさか、と思って自分の端末を探す。あれを盗んで逃げられたら俺は死んだも同然だ。俺は、無意識に千郷は裏切らないと思っていたのかもしれない。その保証は無いのに。
必死で探していると、ドアが開いて千郷が戻ってきた。
「うーん、やっぱベッドで塞いでおいた方が良いわ。なんか嫌な予感がする」
「どこ行ってたんだ?」
「どこって……ドアの前だけど。外についてる鍵穴が怪しかったから」
「俺の携帯は⁉」
「さあ……さっき床に置いてて踏みそうだったから、私がそこに置いといて上げたのよ」
端末は風呂場のドアの傍に立てかけてあった。
俺はそれを見て安堵する。
「ベッド一つこっちに移動させて。入り口封鎖するから」
「なんだ、結局することにしたんだ」
「ええ。やっぱり気になるからね……」
俺はベッドを移動させ、ドアが開かないようにぴったりと固定した。千郷は小さなあくびを一つしてから言った。
「そろそろ寝ましょ。制限時間あるんだから、さっさと寝ないと休む暇が無いわ」
「そうだな、じゃあ俺はこっちで寝るから」
「夜這いとかやめてね」
「しないよ、そんな事」
むっとして言い返す。これでも俺は紳士だと自負している。そんな気は一切……起こさないつもりだ。
俺は自分のベッドにもぐりこむと、電気を消した。
ふと、明日もベッドで眠れる保証はないことが頭をよぎり、掛けてある毛布を軽く握った。
〈橋野和樹〉
ポイント 0
所有武器 罠操作アプリ
所有アイテム 赤の鍵
現在位置 地下二階西のフロア
〈長崎千郷〉(負傷)
ポイント 0
所有武器 スリングショット
所有アイテム なし
22:17
「くそっ、あの女……」
赤城達也は先ほど発見した休憩室の中で包帯を巻いている。彼は、コッコーの周辺に集まってくるプレイヤーを待ち伏せし、予想通りのこのこと現れた橋野と長崎を襲ったのだった。
しかし、攻撃は失敗し、こちらの手札を知られ、取り逃がしてしまった。コッコーはあの二人に殺されたのだろうが、それでもどちらも殺せれば一気に300ポイント、つまり1億5千万円が手に入っていたのである。
少なくとも最後の一撃が肩でなく胸か頭に当たっていたら……
赤城は歯噛みした。
とはいえ、休憩所を発見できたのは幸運だった。治療キットもあったし、食料も入手できる。しかもその間は安全ときている。今のところはあの失敗以外は順調だった。
赤城はベッドに寝転がると、目を閉じた。
―こんなチャンスがあるのならやってみるか。
赤城は〝バイト募集〟の広告を見た時にそう思った。赤城達也、というのは本名で、暴力団の構成員である。赤城は日々の上納金に頭を悩ませており、うまいシノギ(収入源や仕事のこと)もほとんどない。切羽詰まった時に見つけたのが、あの広告だったわけである。
赤城は既に両親から勘当され、暴力員組員にまでなってしまってはいるが、彼には彼なりの正義があった。
曰く、「金は正義」と。
現代ではその正義を掲げている者は決して少なくは無いが、彼ほどそのポリシーと現状のギャップが大きい人間も多くはないのではなかろうか。
つまるところ、彼は金が欲しかったのである。金があれば上納金どころか組内でものし上がれる。ぜひともこの〝ゲーム〟で優勝して金を手に入れなくてはならないのだ。
ベッドの上で苦悶の表情を浮かべる。キットには鎮痛剤もあったが、まだ効いてきていないのだろう。
「いつつつ………」
痛みを紛らすため、赤城はベッドから起き上がって冷たい水で冷やそうかと流しへ近づこうとした。
かちゃん。
「………⁉」
そのとき、横を見ると、扉のシリンダー錠が回り、何かが落ちるような金属音を響かせた。
「なっ……」
ドアがゆっくりと開いていく。
(馬鹿な……! なんでドアが開くんだ。そうだ、ボウガン、ボウガンを……)
しかし、ボウガンは遠くに置いてあり、手元には無い。
「お久しぶりです」
ドアを開けると、真っ白な着物を着た人物―雪香は答えた。顔には微笑をたたえている。
「お、お前はどうやってこのドアを……っ!」
後ずさりしながら赤城は言った。
雪香は答えず、黙って袖から一振りのナイフを取り出した。30センチほどの長さで、切っ先は鋭く光っている。
次の瞬間、雪香はナイフを両手で持つと、尻もちをついている赤城に向かって思い切り振り下ろした。
勢いのついたナイフは赤城の肋骨の間を通り、内臓に直接突き刺さる。
「があああっ!」
赤城は想像を絶する痛みに叫んだ。目は飛び出んばかりに見開かれ、ナイフをただ無表情で振り下ろす雪香を凝視している。口から、胸の傷から、生温かい血液が流れ出ていく。
―馬鹿な。俺が、こんなところで。
目を開けているはずなのに辺りが暗く、寒くなっていく。目の前でナイフを振り下ろしている雪香の顔すらも見えず、意識は消えかかっていた。
―いやだ、俺は、もっと、
伸ばした手は空を掴む。人生で赤城が最後に見たものは灰色の壁だけだった。
数度ナイフで体を貫かれ、最後の断末魔を上げると、赤城は事切れたのか、ぱたりと手を落として動かなくなった。
「ふう………」
雪香は汗を拭うと、赤城の死体を見降ろした。心臓はまだ少し動いているのか、ごぼごぼと血を吐き出し続けている。その一滴が顔にぴちゃりと飛んで、雪香は眉をひそめた。
もうすでに着物の方は赤城の返り血で汚れているのだが、それでも不愉快だった。
雪香は黙って死体から離れると、休憩所の中を探し回り、赤城の武器、ボウガンを見つけた。
(あら、なかなかいい武器を持っていたのですね。ラッキーだわ)
雪香の所持している武器は〝ボックス〟から入手したナイフ一振りのみ。ボウガンは大きな戦力アップだと言えるだろう。
(私の支給品は序盤が不安ですからね……)
雪香に支給されたアイテム。それは、左手首にかけている鍵束―〝マスターキー〟だった。
〝〈アイテム〉マスターキー
この鍵束は錠前があるものなら何でも開けられる。赤の鍵や青の鍵などの色付きの鍵の代わりもできるうえ、休憩所の錠前、そしてもう一つ開けられる扉がある。これは奇襲やアイテム収集に有利ではあるが、当然戦闘では役に立たないため、新たな武器を探さなければならない。〟
雪香はとある理由でこの〝ゲーム〟の定跡を知っているので、マスターキーを利用した〝裏技〟も知っているのだが、それを今やれば優勝しても、どの道殺されるだけだろう。
(それなら、勝ち残るしかない……ですね)
雪香は風呂場に向かうと、洗面台に置いてあった鋏で腰まで伸びていた髪を切り、短くした。その後、金庫に着替えを取りに行くが、そこに用意されていたのは今着ているのと同じ白い着物だった。
ゲームに参加すると分かっていればもっと動きやすい服装にしておくべきだったが、今それを考えてもどうしようもあるまい。
雪香は溜息をつくと、抱えて風呂場のシャワールームへ移動しようとした。無論、浴びた血液を洗い流すためである。
「やはり私が説明する必要は無さそうですね、どこに何があるか知ってらっしゃる」
天井のスピーカーから声が聞こえてきた。主催者がこちらに語り掛けているのだ。
「ええ、まさか私がこの〝ゲーム〟に参加するとは思いませんでしたね」
「はっ、そりゃそうでしょうね。実はゲームの火付け役としてあなたを配置していたんですが、貴方のほかにかなり強いプレイヤーがいますからね、いくらあなたの〝知恵と知識〟でもあのプレイヤーには通用しないかもしれませんよ」
「……それはコッコーを殺した奴のことですか?」
「さあ。ま、貴方はすでに〝こちら側〟ではないんです。うかうかしてると死んじゃいますよ」
そんな言葉を残して放送は不意に終わった。
「…………」
雪香は唇を噛んで備え付けられたスピーカーを睨んだ。
〈雪香〉
ポイント 0(+100)
所有武器 ナイフ ボウガン
所有アイテム マスターキー
現在位置 地下二階北のフロア
〈赤城達也(本名)・死亡 残り十一名〉
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