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宴の夜(1)
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ーその夜。
結局、後嗣の儀は正式に幕を閉じたらしい。王宮からの正式な伝令が黒曜宮に訪れ、無事皇子4人ともが後嗣の儀をつつがなく終えたことを書面にて花鶏に奏上した。
よって今夜、黒曜宮では旧知の者たちが花鶏の無事を祝って慎ましい宴の席と相成った。
「蘇芳殿~、ヒック、こっち来て一緒に飲みましょうや~。早蕨殿も~」
酒瓶の口を掴んで高く掲げてみせる波瀬は、もはやわかりやすく酔っ払いだった。
「いい加減飲みすぎだ……。花鶏殿下もどうぞ。僭越ながらお注ぎいたしましょう」
花鶏は手をひらひらさせて、
「私はいい。先生が『未成年の脳の発育に悪い』から『あるこーる』は二十歳になってからと煩いんだ。『あるはら』はしてもされても駄目だからって」
目を白黒させている青葉の方を見て苦笑しながら、
「まだあのよくわからない異国語を使う癖が抜けませんか、蘇芳様」と、早蕨が言った。
言いながら、蘇芳の杯に龍鳳を満たしてやる。
「異国語というか、うむ、まあな。花鶏殿下も最近は会話の中でよく使っておられるよ」
「いいんだか悪いんだか」
早蕨は現在、蘇芳の私邸にも黒曜宮にも居ない。彼は二年前、蘇芳の推薦を受けて科挙試験を受け見事合格した。そのまま、政務殿で外交にかかわる職務に就いている。自宅は城下に、程よい広さの部屋を間借りしていた。
平民が試験を受ける場合、貴族の推薦が必要となる。きっと早蕨の父親は、これを見越して息子の将来の道が開かれればと蘇芳の家に遣ったのだろう。
(結局、蘇芳は一度も推薦をしてやらなかった。飼い殺しだな)
優秀な人材はどんどん世に出すべき!という信念のもと、蘇芳は彼を推挙した。
「お父上の存命の間にさせてやれなくてすまない」そう言って謝る蘇芳を前に、早蕨はただ深く頭を下げた。
以来、黒曜宮に住まう花鶏や蘇芳との交流は減ったものの、相変わらず親交は続いたし、何より彼もまた花鶏の学問の師だ。
「<名取>のこと、聞きましたよ。私はその場にいませんでしたが」
「どっちのことだ?」
「両方です。花鶏殿下の霊獣のことは……まあ人の噂も23日」
「75日だ。短いだろ23日は」
早蕨は無視して、
「雨月皇子のことはすぐさま箝口令が敷かれましたが、あれだけ見ていた人間がいるんですから仕方ない。人の口に戸は立てられませんからね。ただ、貴方の名前はまだ出ていません。花鶏殿下を助けようと白虎の前に突っ込んでいった事くらい」
「ほう。いいじゃないか。忠臣の鏡だな、私の評判もまた上がってしまう」
「何を暢気な。……新参の私でさえ、雨月皇子の名取に不審な点が多いことは耳に入ってくる。そしてその場に居合わせた李蘇芳の名前が、何故か不自然に隠匿されている気配も。こういうのは却って人の憶測を呼びます。気を付けてください。しばらく目立った行動は控えた方がいい」
蘇芳は大人しく頷いておいた。そもそも目立たず平穏無事にというのが、蘇芳の信条なのだ。
花鶏も久々に会ったかつての学問の師に、心なし嬉しそうだった。
「政務殿にいるんだからたまには顔を出して。早蕨の分の部屋もちゃんとあるんだから。先生も喜ぶし」
早蕨は昔の癖で頭を撫でようとして、ちょっと迷ってから親愛をこめて肩を優しく叩いた。
「ええ。殿下も、よく頑張りましたね。これまでもずっと、そうでしたが」
花鶏はきまり悪そうに肩をすくめた。蘇芳からの褒めは欲しがるくせに、早蕨のそれにはちょっと斜に構えるのが、かえって蘇芳には年相応に見えて面白い。
蘇芳以外では、この早蕨と花浴だけが、花鶏にとって家族と呼べるのかもしれない。
蘇芳の提案で、堅苦しくならないよう宴は居間を片付けて立食式にした。
花鶏が他人を入れるのを嫌がるので、黒曜宮には花浴女官長以外に通う人間がいない。その負担を考えての事でもあった。
酒を喫し(主に波瀬が)、騒ぎ(主に波瀬が)、泣き笑い(主に……)無礼講が極まった所で、蘇芳は花鶏に声をかけた。
「殿下、少し夜風に当たりましょう」
花鶏は嬉しそうに頷いた。
騒がしい場から見つからないようにそっと抜け出すのが、何となく楽しい。
(俺も酔ってるかも)
紫雲城の中に点在する宮には、それぞれ大小の庭園が誂えられている。中庭に当たるそこは低木と岩が目隠しのように配置され、ひっそりと静かだった。
「今夜は月がきれいですね」
口にしてからあちゃ、と思ったが考えてみればこの世界では問題ないし、何より相手は花鶏だった。
「死んでもいいくらいに」
驚いて花鶏を見ると、可笑しそうにくすくす笑っている。
「この言葉、知りません?巷で流行っている小説に出てくる台詞です。先生が言うもんだから思わず。ごめんなさい」
「知りませんでした。殿下は流行本なんて読まれていましたっけ」
「花浴が好きで、よく貸してくれるんです。今度先生にも貸してあげましょうか。あ、いっその事それにしてしまおうかな」
「何がですか?」
花鶏はふふんと笑って、
「『何でも言うことを聞いてあげるから』」
「あ~はいはいはい」
微妙に似ている声真似が恥ずかしくて、蘇芳は花鶏の顔の前で手の平をパタパタさせて遮った。
「寝る前にその本を読み聞かせてくれませんか。ねえいいでしょう?毎晩少しづつ。眠ってしまったら、また次の夜に続きから」
(シェヘラザードみたいだな)
「変な本じゃなければ構いませんよ」
「変な本ってどんな?」
花鶏を見ると、僕は何にも分かりません、とでも言いたげな顔だ。蘇芳は平然と、
「今言ったのは色本でしょう。口吸いだとか、互いの肌を見るだとかのはいけません。まだ殿下には早いです」
自分で振っておきながら、花鶏はカッと頬を赤くした。あけすけに答えられると思わなかったらしい。
(初心だな~。このまま健全に育って、いつか綺麗で優しい奥さんを貰って穏やかに暮らしてほしい)
蘇芳はその光景を想像して、すぐにやめた。それは幸福な想像ではあったが、その時自分がどこで何をしているのか、近頃は考えると思考が停滞するのだ。
「先生は古臭いですよ。そんなの、今時たいして不埒でもないし……」
「失礼な。それに、そんな本を読んでいる私を想像してみてください。どうです?先生が殿下の前でそういう場面を声に出して読むなんて、気まずいなんてものじゃないでしょう?」
花鶏は黙ってしまった。きっと想像していたたまれなくなったのだろう。
「でもそれなら……どうしようかな。他に先生にして欲しいこと……」
「無理して今決めなくてもいいでしょう」
こじんまりとした中庭だ。話しながらゆっくり歩いている内に、北の端にある東屋に着いた。
座りましょうか、と言って二人で腰を下ろす。石製の長椅子はひんやりと冷たい。
「殿下、東雲を呼んでくれますか?」
花鶏は瞼を伏せて何かを念じるようにした後、裾に隠れた手首を蘇芳の方へ向けた。手首には、もはや定位置なのか、
小さな黒蛇が巻き付いている。つやつやとした漆黒の鱗が月光を照り返して金色を帯びていた。
もう眠くはないようで、なあに~?という風に蘇芳を見上げてチロリと舌を出した。
「触っても構いませんか?東雲が嫌でなければ」
「もちろん。ほら東雲、先生がお前に触りたいって。行っておいで」
蘇芳は子蛇を脅かさないよう、優しく腕から巻き取ってお椀上にした手の平にのせた。
鎌首をもたげたその子と目を合わせて、
「今日が終わる前にあなたにお礼が言いたかった。私の殿下の呼び出しに応じてくれてありがとう。私は李蘇芳といいます。花鶏殿下の先生をしていて、同時に殿下の生徒でもあります。これからは二人で、殿下を支えていきましょうね、東雲」
(かわいいなあ。俺、爬虫類は苦手だったはずなのに、なんでだろ、この子はめっちゃくちゃかわいい~)
人は「カワイイ」を前にすると語彙力が消失する。そんな話は眉唾と思っていたが、しかし。チロチロ舌を出すのも可愛いし、目がくりくりして可愛いし、たまにこうやって首をかしげる仕草もかわ……もう止そう。
思考が止まらなくなったので、蘇芳は強引に打ち切った。
「殿下も、今日はお疲れ様でしたね、って……殿下!なんで泣いてらっしゃるんですか!?」
結局、後嗣の儀は正式に幕を閉じたらしい。王宮からの正式な伝令が黒曜宮に訪れ、無事皇子4人ともが後嗣の儀をつつがなく終えたことを書面にて花鶏に奏上した。
よって今夜、黒曜宮では旧知の者たちが花鶏の無事を祝って慎ましい宴の席と相成った。
「蘇芳殿~、ヒック、こっち来て一緒に飲みましょうや~。早蕨殿も~」
酒瓶の口を掴んで高く掲げてみせる波瀬は、もはやわかりやすく酔っ払いだった。
「いい加減飲みすぎだ……。花鶏殿下もどうぞ。僭越ながらお注ぎいたしましょう」
花鶏は手をひらひらさせて、
「私はいい。先生が『未成年の脳の発育に悪い』から『あるこーる』は二十歳になってからと煩いんだ。『あるはら』はしてもされても駄目だからって」
目を白黒させている青葉の方を見て苦笑しながら、
「まだあのよくわからない異国語を使う癖が抜けませんか、蘇芳様」と、早蕨が言った。
言いながら、蘇芳の杯に龍鳳を満たしてやる。
「異国語というか、うむ、まあな。花鶏殿下も最近は会話の中でよく使っておられるよ」
「いいんだか悪いんだか」
早蕨は現在、蘇芳の私邸にも黒曜宮にも居ない。彼は二年前、蘇芳の推薦を受けて科挙試験を受け見事合格した。そのまま、政務殿で外交にかかわる職務に就いている。自宅は城下に、程よい広さの部屋を間借りしていた。
平民が試験を受ける場合、貴族の推薦が必要となる。きっと早蕨の父親は、これを見越して息子の将来の道が開かれればと蘇芳の家に遣ったのだろう。
(結局、蘇芳は一度も推薦をしてやらなかった。飼い殺しだな)
優秀な人材はどんどん世に出すべき!という信念のもと、蘇芳は彼を推挙した。
「お父上の存命の間にさせてやれなくてすまない」そう言って謝る蘇芳を前に、早蕨はただ深く頭を下げた。
以来、黒曜宮に住まう花鶏や蘇芳との交流は減ったものの、相変わらず親交は続いたし、何より彼もまた花鶏の学問の師だ。
「<名取>のこと、聞きましたよ。私はその場にいませんでしたが」
「どっちのことだ?」
「両方です。花鶏殿下の霊獣のことは……まあ人の噂も23日」
「75日だ。短いだろ23日は」
早蕨は無視して、
「雨月皇子のことはすぐさま箝口令が敷かれましたが、あれだけ見ていた人間がいるんですから仕方ない。人の口に戸は立てられませんからね。ただ、貴方の名前はまだ出ていません。花鶏殿下を助けようと白虎の前に突っ込んでいった事くらい」
「ほう。いいじゃないか。忠臣の鏡だな、私の評判もまた上がってしまう」
「何を暢気な。……新参の私でさえ、雨月皇子の名取に不審な点が多いことは耳に入ってくる。そしてその場に居合わせた李蘇芳の名前が、何故か不自然に隠匿されている気配も。こういうのは却って人の憶測を呼びます。気を付けてください。しばらく目立った行動は控えた方がいい」
蘇芳は大人しく頷いておいた。そもそも目立たず平穏無事にというのが、蘇芳の信条なのだ。
花鶏も久々に会ったかつての学問の師に、心なし嬉しそうだった。
「政務殿にいるんだからたまには顔を出して。早蕨の分の部屋もちゃんとあるんだから。先生も喜ぶし」
早蕨は昔の癖で頭を撫でようとして、ちょっと迷ってから親愛をこめて肩を優しく叩いた。
「ええ。殿下も、よく頑張りましたね。これまでもずっと、そうでしたが」
花鶏はきまり悪そうに肩をすくめた。蘇芳からの褒めは欲しがるくせに、早蕨のそれにはちょっと斜に構えるのが、かえって蘇芳には年相応に見えて面白い。
蘇芳以外では、この早蕨と花浴だけが、花鶏にとって家族と呼べるのかもしれない。
蘇芳の提案で、堅苦しくならないよう宴は居間を片付けて立食式にした。
花鶏が他人を入れるのを嫌がるので、黒曜宮には花浴女官長以外に通う人間がいない。その負担を考えての事でもあった。
酒を喫し(主に波瀬が)、騒ぎ(主に波瀬が)、泣き笑い(主に……)無礼講が極まった所で、蘇芳は花鶏に声をかけた。
「殿下、少し夜風に当たりましょう」
花鶏は嬉しそうに頷いた。
騒がしい場から見つからないようにそっと抜け出すのが、何となく楽しい。
(俺も酔ってるかも)
紫雲城の中に点在する宮には、それぞれ大小の庭園が誂えられている。中庭に当たるそこは低木と岩が目隠しのように配置され、ひっそりと静かだった。
「今夜は月がきれいですね」
口にしてからあちゃ、と思ったが考えてみればこの世界では問題ないし、何より相手は花鶏だった。
「死んでもいいくらいに」
驚いて花鶏を見ると、可笑しそうにくすくす笑っている。
「この言葉、知りません?巷で流行っている小説に出てくる台詞です。先生が言うもんだから思わず。ごめんなさい」
「知りませんでした。殿下は流行本なんて読まれていましたっけ」
「花浴が好きで、よく貸してくれるんです。今度先生にも貸してあげましょうか。あ、いっその事それにしてしまおうかな」
「何がですか?」
花鶏はふふんと笑って、
「『何でも言うことを聞いてあげるから』」
「あ~はいはいはい」
微妙に似ている声真似が恥ずかしくて、蘇芳は花鶏の顔の前で手の平をパタパタさせて遮った。
「寝る前にその本を読み聞かせてくれませんか。ねえいいでしょう?毎晩少しづつ。眠ってしまったら、また次の夜に続きから」
(シェヘラザードみたいだな)
「変な本じゃなければ構いませんよ」
「変な本ってどんな?」
花鶏を見ると、僕は何にも分かりません、とでも言いたげな顔だ。蘇芳は平然と、
「今言ったのは色本でしょう。口吸いだとか、互いの肌を見るだとかのはいけません。まだ殿下には早いです」
自分で振っておきながら、花鶏はカッと頬を赤くした。あけすけに答えられると思わなかったらしい。
(初心だな~。このまま健全に育って、いつか綺麗で優しい奥さんを貰って穏やかに暮らしてほしい)
蘇芳はその光景を想像して、すぐにやめた。それは幸福な想像ではあったが、その時自分がどこで何をしているのか、近頃は考えると思考が停滞するのだ。
「先生は古臭いですよ。そんなの、今時たいして不埒でもないし……」
「失礼な。それに、そんな本を読んでいる私を想像してみてください。どうです?先生が殿下の前でそういう場面を声に出して読むなんて、気まずいなんてものじゃないでしょう?」
花鶏は黙ってしまった。きっと想像していたたまれなくなったのだろう。
「でもそれなら……どうしようかな。他に先生にして欲しいこと……」
「無理して今決めなくてもいいでしょう」
こじんまりとした中庭だ。話しながらゆっくり歩いている内に、北の端にある東屋に着いた。
座りましょうか、と言って二人で腰を下ろす。石製の長椅子はひんやりと冷たい。
「殿下、東雲を呼んでくれますか?」
花鶏は瞼を伏せて何かを念じるようにした後、裾に隠れた手首を蘇芳の方へ向けた。手首には、もはや定位置なのか、
小さな黒蛇が巻き付いている。つやつやとした漆黒の鱗が月光を照り返して金色を帯びていた。
もう眠くはないようで、なあに~?という風に蘇芳を見上げてチロリと舌を出した。
「触っても構いませんか?東雲が嫌でなければ」
「もちろん。ほら東雲、先生がお前に触りたいって。行っておいで」
蘇芳は子蛇を脅かさないよう、優しく腕から巻き取ってお椀上にした手の平にのせた。
鎌首をもたげたその子と目を合わせて、
「今日が終わる前にあなたにお礼が言いたかった。私の殿下の呼び出しに応じてくれてありがとう。私は李蘇芳といいます。花鶏殿下の先生をしていて、同時に殿下の生徒でもあります。これからは二人で、殿下を支えていきましょうね、東雲」
(かわいいなあ。俺、爬虫類は苦手だったはずなのに、なんでだろ、この子はめっちゃくちゃかわいい~)
人は「カワイイ」を前にすると語彙力が消失する。そんな話は眉唾と思っていたが、しかし。チロチロ舌を出すのも可愛いし、目がくりくりして可愛いし、たまにこうやって首をかしげる仕草もかわ……もう止そう。
思考が止まらなくなったので、蘇芳は強引に打ち切った。
「殿下も、今日はお疲れ様でしたね、って……殿下!なんで泣いてらっしゃるんですか!?」
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