猫巫女こなつちゃんR

衣江犬羽

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西野小夏の章

プロローグ 猫と巫女と紡がれる縁

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──毎日同じ起床時間。

──毎日同じ登下校。

──毎日違う友達との会話。

──毎日違う親との会話。

 そんな繰り返しの毎日を刻む事で、彼女の日常はありふれた物の枠に収められている。
 特別な事はあまり無い、至って普通の学生と言えるだろう。ただ"一点"を除いては。

     ✳︎

 丘陵地帯から成される姫浜ひめはまという町での仕事を"あのお方"から任された私。
 役目として任された以上は、絶対に果たさねばならないのが私の、"猫"としてのポリシーだ。
 この街に迷い、欺き、そして蔓延る迷魂めいこんは必ず正しく、等しく空へと還さなければならない。
 その為には私の"力"を引き出す為の猫巫女ねこみこという"依代"を探し出さなくてはならない。

 上から町を見下ろして、時には路地裏を巡り、猫巫女の適性者を探す。
 時には野良猫から話を聞き、ここ最近の町の様子を聞いてまわったりもした。

 そしてつい先日、ようやく一番適正のある依代が見つかった。珍しくいくつか時を浪費してしまったが、遂に猫巫女としての適性を持つ彼女を見つけることが出来た。

 後は彼女に接触を試み、私の依代としなければ。
 "送り迎え"を実行する日は近い。
 
 
 
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