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第一章・学園編
第四話
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(う~ん…ここは、どこだ。僕は…一体)
今まで気絶してたのだろうか、意識を失ってたようだ。
意識は戻ったようだが、目は開けないし身体を動かすのもできない。直ぐには動けないようだ。
あれから一体どうなったのだろうか。
ゴオォォという音と炎に飲み込まれるところまでは覚えてはいるが、そこから先は全く記憶がない。
そもそもの話、炎に飲み込まれたってことは、僕は既に死んでることになるのではないか。
(ということは、僕のこの意識はなんだ?意識があるってことは生きているのか?)
自分が生きてるのか死んでいるのか、よく分からない状況だ。
体を動かそうにも動かせないし、調べようがない。
《おい、意識はあるか。》
あれ、どこからか女性の声が聞こえたぞ。
(え~と、誰だ?)
《ふむ、意識はあるようだな。其方の声は余に届いておるぞ。》
また声が聞こえた。というか、さっきから頭に声が響いてるようだ。
となるとこれは、テレパシーというやつか。テレパシーは妖精や精霊とかが使う意思疎通手段であり、一部の上位モンスターも可能だと本で読んだことがある。
(えっと、すみませんがどちら様ですか?)
僕は声を意識にして聞いてみた。口で聞こうにも口も動かせないし、意識で意思疎通してみることにした。
《おっとそうだった。そういえば其方は今身体が無かったな。》
身体がない‼︎一体どういうことだ。
いや待て!そもそも火に飲み込まれたのを最後に見たから、身体が炎に焼かれて燃え尽きたのだろう。
《そうなるとだ。其方には『魔力探知』を習得してもらわなくてはな。》
魔力探知?それって自身の魔力を感知する魔力感知とは違うのか。探知というからには魔力を探って知るわけだろうけど。
まぁ今の自分は身体がないようだし、魔力感知で相手の姿を見れるのなら習得して損はない。
(あの、自分は魔力感知はできますが、探知はできません。)
《なら外部の魔力を探知してみろ。そうすれば余の姿を見ることができよう。》
外部の魔力の探知。
一応できなくはないが、広範囲を探知するとなると疲れる。であれば、探知する範囲を狭めればできるはずだ。
(まずは自分を中心に5メートルの範囲を探知。)
そうして5メートル範囲の魔力を探知する。すると前方になにかとんでもないくらい大きな魔力反応がした。
(な、なんだこの魔力!こんなに大きな魔力反応は初めてだぞ。)
するとまた声が聞こえてくる。
《どうやら余の魔力を探知したようだな。魔力探知ができれば、感知のように相手の気配を感じ取ることができ、隠密で魔力を隠してる者を探り出すことができる。》
なるほど。つまり敵からの奇襲対策ができるというわけか。
もはや僕には死角なし!てか。
《一応言っておくが、隠れてる者を見つけ警戒したところで奇襲に対応できなければ意味がないぞ。》
つまり警戒しても自分の身体がそれに必ず対応できるわけではなく、無敵になったわけではないということか。
《さて、探知ができたところで其方の器の大きさが分かった。》
ん?どういうことだ。器の大きさ?
《余の業火で焼き尽くす際、其方のこれまでの記憶を読ませてもらった。どうやら我が子を押し付けられた挙句、濡れ衣を着せられたようだな。》
濡れ衣か、確かに僕は囮として濡れ衣を着せられたな。
今頃アイツらは学園に戻ってるはずだし、恐らく僕は死んでると報告してるはずだ。
《そして記憶を読むと同時に、其方には器としての才、つまり余と契約するに値する器の可能性を見出し、其方を復活させた。》
復活させたって…いやそれよりも契約するに値する器というのが気になる。なんだか話がついていけないのだが。
(あの、すみませんが貴方は一体何者なんですか。貴方は魔力量が多い強者なのは分かるのですが。)
すっかり放置してたがいい加減気になって聞いてみた。
これほど大きな魔力反応だから、とんでもない相手なのは分かる。
《ふむ、それもそうだな。それでは余の姿を見せて進ぜよう。》
女性の声の主がそう言うと、僕自身に異変が起きる。
変な感覚がして、まるで身体が新しく構築していってるといえばいいのだろうか。
それと同時に僕の意識も少しずつ遠のいていき、再び意識を無くす。
ーーー
ーーー
ーーー
(あれ、僕は一体…)
寝起きの感覚で意識が覚醒する。
一体何が起きたのかは分からないが、身体が再構築されるような変な感触をしたのは覚えてる。
《目を覚ましたようだな。体の調子はどうだ。》
頭に女性の声が響く。先程の女性の声だ。
寝起きの感覚で目を開けると、目の前には山の風景ともう一つ。
身体が金色と赤色の炎でできてる巨大な鳥。その目には知性があって、綺麗なオレンジ色の宝石のようだ。
まるで炎の化身とでも言うべき姿だ。
《人間でだと、初めましてと最初にいうな。余は不死鳥。人々からは“火の鳥”、“鳳凰”、“朱雀”と、様々な呼び名で呼ばれている。》
~ 主人公プロフィール 種族編~
⬇︎
【潜在能力値】
『名前』コトノ=オオトリ
『種族とは?』
この世界で種族を大きく分けると、「人間」「亜人」「魔人」「モンスター」に分けられる。「亜人」はエルフやドワーフといった、人間に近い姿をした種族。亜人は人間の味方、“人類の一種”とされていて、人間との交流もある。
「モンスター」はツノウサギ、ウルシガラス、スライムといった人間に敵対している種族。モンスターは魔人の味方、“魔人の一種”とされていて、駆除対象。
「魔人」は、モンスターの上位の存在。モンスターの突然変異種とされていて、知識を有している。人の姿に近いモンスター、悪魔や吸血鬼が例とされる。
ちなみに不死鳥は“朱雀=神獣”だったり“鳳凰=霊獣”と様々であるものの、基本はモンスターである。
今まで気絶してたのだろうか、意識を失ってたようだ。
意識は戻ったようだが、目は開けないし身体を動かすのもできない。直ぐには動けないようだ。
あれから一体どうなったのだろうか。
ゴオォォという音と炎に飲み込まれるところまでは覚えてはいるが、そこから先は全く記憶がない。
そもそもの話、炎に飲み込まれたってことは、僕は既に死んでることになるのではないか。
(ということは、僕のこの意識はなんだ?意識があるってことは生きているのか?)
自分が生きてるのか死んでいるのか、よく分からない状況だ。
体を動かそうにも動かせないし、調べようがない。
《おい、意識はあるか。》
あれ、どこからか女性の声が聞こえたぞ。
(え~と、誰だ?)
《ふむ、意識はあるようだな。其方の声は余に届いておるぞ。》
また声が聞こえた。というか、さっきから頭に声が響いてるようだ。
となるとこれは、テレパシーというやつか。テレパシーは妖精や精霊とかが使う意思疎通手段であり、一部の上位モンスターも可能だと本で読んだことがある。
(えっと、すみませんがどちら様ですか?)
僕は声を意識にして聞いてみた。口で聞こうにも口も動かせないし、意識で意思疎通してみることにした。
《おっとそうだった。そういえば其方は今身体が無かったな。》
身体がない‼︎一体どういうことだ。
いや待て!そもそも火に飲み込まれたのを最後に見たから、身体が炎に焼かれて燃え尽きたのだろう。
《そうなるとだ。其方には『魔力探知』を習得してもらわなくてはな。》
魔力探知?それって自身の魔力を感知する魔力感知とは違うのか。探知というからには魔力を探って知るわけだろうけど。
まぁ今の自分は身体がないようだし、魔力感知で相手の姿を見れるのなら習得して損はない。
(あの、自分は魔力感知はできますが、探知はできません。)
《なら外部の魔力を探知してみろ。そうすれば余の姿を見ることができよう。》
外部の魔力の探知。
一応できなくはないが、広範囲を探知するとなると疲れる。であれば、探知する範囲を狭めればできるはずだ。
(まずは自分を中心に5メートルの範囲を探知。)
そうして5メートル範囲の魔力を探知する。すると前方になにかとんでもないくらい大きな魔力反応がした。
(な、なんだこの魔力!こんなに大きな魔力反応は初めてだぞ。)
するとまた声が聞こえてくる。
《どうやら余の魔力を探知したようだな。魔力探知ができれば、感知のように相手の気配を感じ取ることができ、隠密で魔力を隠してる者を探り出すことができる。》
なるほど。つまり敵からの奇襲対策ができるというわけか。
もはや僕には死角なし!てか。
《一応言っておくが、隠れてる者を見つけ警戒したところで奇襲に対応できなければ意味がないぞ。》
つまり警戒しても自分の身体がそれに必ず対応できるわけではなく、無敵になったわけではないということか。
《さて、探知ができたところで其方の器の大きさが分かった。》
ん?どういうことだ。器の大きさ?
《余の業火で焼き尽くす際、其方のこれまでの記憶を読ませてもらった。どうやら我が子を押し付けられた挙句、濡れ衣を着せられたようだな。》
濡れ衣か、確かに僕は囮として濡れ衣を着せられたな。
今頃アイツらは学園に戻ってるはずだし、恐らく僕は死んでると報告してるはずだ。
《そして記憶を読むと同時に、其方には器としての才、つまり余と契約するに値する器の可能性を見出し、其方を復活させた。》
復活させたって…いやそれよりも契約するに値する器というのが気になる。なんだか話がついていけないのだが。
(あの、すみませんが貴方は一体何者なんですか。貴方は魔力量が多い強者なのは分かるのですが。)
すっかり放置してたがいい加減気になって聞いてみた。
これほど大きな魔力反応だから、とんでもない相手なのは分かる。
《ふむ、それもそうだな。それでは余の姿を見せて進ぜよう。》
女性の声の主がそう言うと、僕自身に異変が起きる。
変な感覚がして、まるで身体が新しく構築していってるといえばいいのだろうか。
それと同時に僕の意識も少しずつ遠のいていき、再び意識を無くす。
ーーー
ーーー
ーーー
(あれ、僕は一体…)
寝起きの感覚で意識が覚醒する。
一体何が起きたのかは分からないが、身体が再構築されるような変な感触をしたのは覚えてる。
《目を覚ましたようだな。体の調子はどうだ。》
頭に女性の声が響く。先程の女性の声だ。
寝起きの感覚で目を開けると、目の前には山の風景ともう一つ。
身体が金色と赤色の炎でできてる巨大な鳥。その目には知性があって、綺麗なオレンジ色の宝石のようだ。
まるで炎の化身とでも言うべき姿だ。
《人間でだと、初めましてと最初にいうな。余は不死鳥。人々からは“火の鳥”、“鳳凰”、“朱雀”と、様々な呼び名で呼ばれている。》
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【潜在能力値】
『名前』コトノ=オオトリ
『種族とは?』
この世界で種族を大きく分けると、「人間」「亜人」「魔人」「モンスター」に分けられる。「亜人」はエルフやドワーフといった、人間に近い姿をした種族。亜人は人間の味方、“人類の一種”とされていて、人間との交流もある。
「モンスター」はツノウサギ、ウルシガラス、スライムといった人間に敵対している種族。モンスターは魔人の味方、“魔人の一種”とされていて、駆除対象。
「魔人」は、モンスターの上位の存在。モンスターの突然変異種とされていて、知識を有している。人の姿に近いモンスター、悪魔や吸血鬼が例とされる。
ちなみに不死鳥は“朱雀=神獣”だったり“鳳凰=霊獣”と様々であるものの、基本はモンスターである。
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