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第二章囚われの生活

ミーナという少女1

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 空腹感が解消されると、より早く思考が回り始めた。今日はしばらくこの露店の並ぶエリアにとどまっておいたほうが良いだろう。ミーナ様と奥様が出かけるときに鉢合わせし
てしまうことだけは避けたい。それに1週間は働きず目立ったので少し休みたかった。たまの保美ぐらい良いじゃないか。居酒屋に入りびたる中年の男性のようなセリフがもれそうになるのを耐える。
 そんなことを思いながら歩いていると、書店が見えてきた。この書店の内装はカフェのようになっている。それだけではなく、実際に飲み物を飲みながら気になっている本を試し読みすることができるのだ。今の流行には縁がなかったのでここで少しのぞいていくことに決めた。領地の子供たちにも何か娯楽が必要だと考えていたのでちょうどよい。
 書店に入り、ココアを頼んでから、ゆり椅子に腰かけた。ココアを受け取るまでのんびりと外を眺める。すると窓の外に見知った顔を見つけた。
 あれは・・・。頭の中では答えは出ていたが、その光景が信じられず何度か視線を店に戻してからもう一度窓の外を見る。長い黒髪に、黒曜石のように輝くひとみ。
 まちがいない。やっぱり、ミーナ様だわ。なぜこんなところに来ているのかしら。奥様は一緒ではないのかしら。疑問はいくらでも浮かんだが、湯気の立つココアを手渡され、それらは霧散した。お題を渡し、頭を下げる。
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