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「その通りですね、失礼いたしました。フェルムート公爵。ですが、殿下のことは放っておけませんわ。困るのはアンジュさんですもの。そう思いませんこと?」
 ソニア様は年上の公爵に嗜められたのが恥ずかしかったのか、真っ赤に頬を染めながら謝罪し、
」殿下、出過ぎたことを申し上げました。お詫びにアンジュさんを今日から舞踏会の日までお世話させてください」
 ノア様にも頭をお下げになった。
「こちらこそ、すまなかったね、ソニア嬢。僕も大人気なかった。アンジュを預かってくれるのは助かるよ。舞踏会の装いは一人でできるものでもないしね。ジェノイド侯爵のものならば信用できる」
 流石に頭をお下げになることはなかったが、ノア様もソニア様に謝罪なさった。一連のやり取りは、高位貴族と王族の対面を保つのに十分だった。私的な場でも、最後には綺麗に収める。今後は私も見習わなければならない。
「ということで、私の屋敷で一週間生活することになりそうだけれどかまわないかしら、アンジュさん」
 まずい。自分もガッツリこの話に関係があるのだった。ソニア様とノア様、ジェフリーの中の良さに気を取られていて、すっかり他人事だと思い込んでいた。
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