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幼馴染スパダリ族VS超恋愛初心者○
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大体、こんな無防備な格好で男にベッドに押し倒されて、告白されて、耳を舐められた挙句キスを迫られるなんて普通は耐えられない。即通報すべきである。そもそも、風呂上がりで部屋に招き入れるのも駄目だろう。
ここまで侵入を許したのは、相手が吉弘だったからだ。
――何だかんだ言っても、優しいもん。掴まれてる手首だって全然痛くないし。
大の男、しかもガタイの良く力も強い吉弘が本気で掴んだら、きっと痛くて痣も出来ただろう。痛くない、苦しくない、絶妙な力加減は、こんな時でも吉弘が舞花を気遣っている証拠である。
この優しい幼馴染は、舞花の嫌がることは絶対にしない。だから、信頼できるし安心できる。
「吉弘は、いやじゃないよ」
舞花がにへっと笑ってそう言うと、吉弘から何故か重苦しいため息が聞こえてくる。
「……おっ前はぁあ!」
「えっ、うぁあ!?」
その後何故か怒ったような顔をした吉弘が、彼女に覆い被さってきた。そして、舞花の唇に食らいつくようにキスをする。
「ン……っ」
本当に食べられるかと思うくらい、吉弘の大きな口で下唇を食まれる。肉厚な舌が唇を舐め、口をこじ開けて舌先同士を合わせ、くすぐり、吸い上げる。口内を掻き回され、時折舌先を吸われ、未知の感覚に背筋が震えた。
「んっ……はぁ、舞花……まーちゃん……っ」
「はぅ、んっ……ちゅ」
徐に腕を捕まえていた手が離れ、舞花の両耳を塞いだ。
塞がれたせいか、キスのぐちゅぐちゅという濡れた音が、耳奥でやけに生々しく、いやらしく響いてくる。
――き、キスってすごい……!
『初めてのキスはレモン味』と何処かで聞いたことがあるが、味なんて感じる余裕もない。それほどに吉弘とのキスは濃厚で激しい。
耳を舐められるのに比べたらキスくらい、と考えていたが、恋愛経験初心者マークの舞花には刺激が強すぎる。
そして更にもう一つ問題が。それは――
「はぁ、あ……、舞花……っ!」
少しはだけたバスローブから見える、分厚い胸板。風呂上がりの肌は、興奮からか汗ばんでいる。切れ長の目尻と耳先は赤くなり、時折上下する喉仏が、湿った吐息がやけに色っぽい。
スパダリ族の花とキラキラ効果もあいまって、キスの最中の吉弘の色気は爆発していた――その数値、通常の数百倍。
そう、視覚的な刺激も強すぎるのである。
「……は、おらもっと口開けろ」
「んむぁぅう」
ぐいっと親指で唇を割り開き、逃げる舞花の舌先を弄りながらねっとりと舌なめずりする吉弘。まさに捕食者、雄と呼んでいいその色香――こんなのを超恋愛初心者が真正面から浴びたらどうなるか。
「……も、もう……っもう、無理ぃい……」
「んっ……は!? 舞花!? おい、しっかり……おい!!!!」
押し倒し、告白、耳責め、とびきり濃厚なキス、そして凄まじいまでの色香。
怒涛のお色気展開に限界を迎えた舞花は、その場でパタリと気を失ってしまったのだった。
ここまで侵入を許したのは、相手が吉弘だったからだ。
――何だかんだ言っても、優しいもん。掴まれてる手首だって全然痛くないし。
大の男、しかもガタイの良く力も強い吉弘が本気で掴んだら、きっと痛くて痣も出来ただろう。痛くない、苦しくない、絶妙な力加減は、こんな時でも吉弘が舞花を気遣っている証拠である。
この優しい幼馴染は、舞花の嫌がることは絶対にしない。だから、信頼できるし安心できる。
「吉弘は、いやじゃないよ」
舞花がにへっと笑ってそう言うと、吉弘から何故か重苦しいため息が聞こえてくる。
「……おっ前はぁあ!」
「えっ、うぁあ!?」
その後何故か怒ったような顔をした吉弘が、彼女に覆い被さってきた。そして、舞花の唇に食らいつくようにキスをする。
「ン……っ」
本当に食べられるかと思うくらい、吉弘の大きな口で下唇を食まれる。肉厚な舌が唇を舐め、口をこじ開けて舌先同士を合わせ、くすぐり、吸い上げる。口内を掻き回され、時折舌先を吸われ、未知の感覚に背筋が震えた。
「んっ……はぁ、舞花……まーちゃん……っ」
「はぅ、んっ……ちゅ」
徐に腕を捕まえていた手が離れ、舞花の両耳を塞いだ。
塞がれたせいか、キスのぐちゅぐちゅという濡れた音が、耳奥でやけに生々しく、いやらしく響いてくる。
――き、キスってすごい……!
『初めてのキスはレモン味』と何処かで聞いたことがあるが、味なんて感じる余裕もない。それほどに吉弘とのキスは濃厚で激しい。
耳を舐められるのに比べたらキスくらい、と考えていたが、恋愛経験初心者マークの舞花には刺激が強すぎる。
そして更にもう一つ問題が。それは――
「はぁ、あ……、舞花……っ!」
少しはだけたバスローブから見える、分厚い胸板。風呂上がりの肌は、興奮からか汗ばんでいる。切れ長の目尻と耳先は赤くなり、時折上下する喉仏が、湿った吐息がやけに色っぽい。
スパダリ族の花とキラキラ効果もあいまって、キスの最中の吉弘の色気は爆発していた――その数値、通常の数百倍。
そう、視覚的な刺激も強すぎるのである。
「……は、おらもっと口開けろ」
「んむぁぅう」
ぐいっと親指で唇を割り開き、逃げる舞花の舌先を弄りながらねっとりと舌なめずりする吉弘。まさに捕食者、雄と呼んでいいその色香――こんなのを超恋愛初心者が真正面から浴びたらどうなるか。
「……も、もう……っもう、無理ぃい……」
「んっ……は!? 舞花!? おい、しっかり……おい!!!!」
押し倒し、告白、耳責め、とびきり濃厚なキス、そして凄まじいまでの色香。
怒涛のお色気展開に限界を迎えた舞花は、その場でパタリと気を失ってしまったのだった。
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