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初めてのフロリダ・メルディ⑤
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それから舞花は、これでもかというほどフロリダ・メルディを満喫した。
特にトワイライトゾーンの目玉、UFOに攫われる『ザ・アブダクション』。フリーフォール系特有の浮遊感は最高で、舞花は終始興奮しっぱなしだ。
勿論記念写真はばっちり、限定Tシャツも購入し、ご満悦。舞花があまりにはしゃいでいたからか、銀色の宇宙風ワンピースを着こなした店員さんが何か英語で尋ねてくる。
「『試着室もありますから、着て行かれますか?』って聞かれてるぞ」
「い、イエス!!」
ご厚意に甘えて、舞花は意気揚々と試着室に乗り込んで限定Tシャツに着替えた。モスマンキャップと限定Tシャツを着た舞花は完全に『フロリダ・メルディ満喫中の浮かれた観光客』だ。
「おう、よく似合ってんじゃねぇか」
「……吉弘も似合うよ……」
「? 何でテンション下がってんだよ」
一方吉弘は、『ラフな格好でお越しのスパダリ族』という雰囲気で何故か様になっていた。Tシャツもキャップも同じはずなのに、誠に遺憾である。
「きぇえええいスパダリ族許すまじ!」
「おあっ!? なんだもがっもぐ」
塩の代わりにポップコーンを投げ……るわけにはいかないので、悔し紛れにメロンソーダ味のポップコーンを詰め込んだ。
しかし頬がポップコーンで膨らんでも、今度は『格好いい』から『可愛い』に印象が変わってどちらにしろキラキラし続けている。心なしか、吉弘を見る周囲の人々も「cute」とか言っているのが聞こえてくるのは何故か。解せぬ。
……と、まぁそんな感じで、トワイライトゾーンを中心にそれぞれのエリアを一通り回っていく。フロリダ・メルディはエリアごとにアトラクションやイベントも様々で、どこに行っても楽しい。
舞花は吉弘の手を引っ張って、たくさん遊んで、食べて、笑った。笑いすぎてほっぺたはずっと筋肉痛だ。
――こんなに笑ったの、お姉ちゃんが家を出ていってから初めてかも。
自分の肘くらいまであるターキーレッグを囓りつつ、ふとそんなことを思う。隣にいる、たまにキラキラする幼馴染に妙な安心感を覚えながら、舞花はひたすら夢と冒険と未知の世界に酔いしれたのだった。
特にトワイライトゾーンの目玉、UFOに攫われる『ザ・アブダクション』。フリーフォール系特有の浮遊感は最高で、舞花は終始興奮しっぱなしだ。
勿論記念写真はばっちり、限定Tシャツも購入し、ご満悦。舞花があまりにはしゃいでいたからか、銀色の宇宙風ワンピースを着こなした店員さんが何か英語で尋ねてくる。
「『試着室もありますから、着て行かれますか?』って聞かれてるぞ」
「い、イエス!!」
ご厚意に甘えて、舞花は意気揚々と試着室に乗り込んで限定Tシャツに着替えた。モスマンキャップと限定Tシャツを着た舞花は完全に『フロリダ・メルディ満喫中の浮かれた観光客』だ。
「おう、よく似合ってんじゃねぇか」
「……吉弘も似合うよ……」
「? 何でテンション下がってんだよ」
一方吉弘は、『ラフな格好でお越しのスパダリ族』という雰囲気で何故か様になっていた。Tシャツもキャップも同じはずなのに、誠に遺憾である。
「きぇえええいスパダリ族許すまじ!」
「おあっ!? なんだもがっもぐ」
塩の代わりにポップコーンを投げ……るわけにはいかないので、悔し紛れにメロンソーダ味のポップコーンを詰め込んだ。
しかし頬がポップコーンで膨らんでも、今度は『格好いい』から『可愛い』に印象が変わってどちらにしろキラキラし続けている。心なしか、吉弘を見る周囲の人々も「cute」とか言っているのが聞こえてくるのは何故か。解せぬ。
……と、まぁそんな感じで、トワイライトゾーンを中心にそれぞれのエリアを一通り回っていく。フロリダ・メルディはエリアごとにアトラクションやイベントも様々で、どこに行っても楽しい。
舞花は吉弘の手を引っ張って、たくさん遊んで、食べて、笑った。笑いすぎてほっぺたはずっと筋肉痛だ。
――こんなに笑ったの、お姉ちゃんが家を出ていってから初めてかも。
自分の肘くらいまであるターキーレッグを囓りつつ、ふとそんなことを思う。隣にいる、たまにキラキラする幼馴染に妙な安心感を覚えながら、舞花はひたすら夢と冒険と未知の世界に酔いしれたのだった。
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