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本編

貴方だけのサラ・ノール※

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「あっ、ぁん!ふあぁ………!」

 程よい大きさの胸を、大きな手のひらがゆっくりと揉みしだく。キャミソールごしに勃ち上がった片方の乳首は、マクシムの唇で覆われていた。熱い口内で吸われ、舌で擽られる。もう片方は親指と人差し指で摘まれ、コリコリと扱かれていた。
 サラは現在、マクシムに組み敷かれている。足の間には彼の足をねじ込まれ、時折下着越しに秘所を膝や太腿で刺激される為、ソコは期待からか潤んで大変なことになっていた。

「ぁ、あッ……まって、マクシムさ、ぁあん!」
「待ちませんよ、約束は果たしました。私の好きなように、抱かせて下さるんでしょう?」

 サラの胸元から顔をあげ、そう言って小首を傾げるが、仕草は可愛くとも眼は全く可愛くない。情欲を滾らせた金色の眼が、サラの今後の運命を物語っている。
 しかし、理解が追いつかない。体は恋する男に触れられ快感で蕩けそうなのに、冷静な頭がそれを邪魔をするのだ。

 何故、マクシムは彼女を抱こうとしているのか?

『貴女にはがっかりです。サラ……従順な貴女に、興味はありません。今後は私に関わらないでくださいね、汚らわしい女です』

 そういう感じの言葉を、いや、これの三倍は辛辣な言葉をかけられると思って身構えていたというのに、蓋を開けてみれば押し倒されて体を弄られるという始末。これはいったいどういうことだろう?

「ちょっ、ぅあッ……お話、聞いてました?ちゃんと理解でき、ました?」
「しましたよ、もちろん。貴女の言葉は一字一句聴きもらしませんでしたとも!………つまり、サラは、私を、愛しているのでしょう?」
「そうですよそうですけど繰り返されると恥ずかしいのでやめてくださいぃふぁあぁ!?」

 再び胸に顔を埋めたマクシムが、彼女の下半身に手を伸ばし……既に濡れたその場所に、指を這わせ始める。布越しに秘裂を辿り、肉芽を弱く突かれ、サラの体がびくびくと体を震える。
 元々、感度も良い上に、事情はどうあれ好きな人に触れられているのだ。感じないわけがない。彼女の体は実に正直である。

「………マクシムさんは、『本気で媚びを売るサラ』はお嫌い、なんッ…でしょう?」

 ビクつく体を治めようと息を整えながら、サラは呟く。体を弄られながらする話ではないが、マクシムが止まらないのだから仕方ない。
 情けなさに泣きそうになった彼女の唇に、薄い唇が重ねられる。戸惑いなく口内に侵入してきた舌を迎え入れ、注がれる唾液を何度か飲み下すと、マクシムが喉の奥で笑うのを感じた。

「ええ、嫌いでしたよ。私の顔だけを気に入る女も、私の体に媚びを売る女も、反吐が出るほど嫌いでした」
「あ、あぁあぁアァッ!!!!」

 唾液で濡れたサラの唇をちゅ、ちゅ、と吸いながら、マクシムは言葉と裏腹にうっとりと微笑む。その笑みに見惚れたサラは次の瞬間、肉芽を強く摘まれ甘い声を上げながら絶頂した。『媚びを含む女の声』だ。彼女はさらに泣きたくなったが、マクシムの責めは止まらない。

「私を装飾品か何かのように侍らせたくて、媚びを売る女は嫌いです。私の中身を知らずに愛を語る女は、浅はか過ぎて笑えてくるほど嫌いです。……まぁ、中には男もいましたけどね、そんなこと今はどうでも良い」
「ぁっ、や……やぁ、まだイッて」
「…………………可愛いサラ、貴女こそ全然分かってない。私を嫌いだった貴女が、私に興味の無かった貴女が、私を蔑んでいた貴女が、新鮮で面白かったのはもちろん本当です」
「ふぁ、ぁああッ!!!」

 濡れた布をずらし、サラの秘所にまでマクシムの指が侵入してくる。人差し指と中指の先で入り口を擦りながら、親指は肉芽を絶妙な力加減で押し潰していた。慎ましい皮がゆっくりと剥かれ、赤く熟れた先端を掠めるように触られる。グチュグチュといういやらしい水音が響き始め、鼓膜まで犯された気がして彼女の顔はさらに赤くなった。

「新鮮で面白かった貴女が、私の外見を気に入って、私の中身を受け入れて、私に恋をして下さった。その事に感動し喜びこそすれ、どうして貴女を嫌わねばならないのか。私はその事こそ、理解できません」
「ふぁ、あ……マクシムさ、ん……!」

 嬉しい、と思ってくれている。『マクシムに恋をしたサラ』を受け入れてくれている。何より、嫌われていないと知って、彼女の感度は喜びでさらに跳ね上がった。
 ……そして、充分に愛液を絡めた長い指が、ついに蜜壺に侵入した。それは、ニュルニュルと内壁を擦り、ナカで蜜を絡めながらさらに奥へと進んでいく。まるで、マクシムに内側まで侵食されているかのようだ。



 …………考え方が変態じみている…………



 快感でぼやけた頭の片隅にいる冷静なサラもドン引きの表情だ。とてもよく分かる。変態に薫陶を受けたなど、出来ればサラも認めたくない。

「マクシムさん、マクシム………んぁ、ァん!きもちいぃ、もっとぉ………!」
「あぁああサラ!サラ………!何て、何て可愛いんでしょう!私を嫌い、塵のように蔑んでいた貴女も素敵でした……でも、そんな塵のように嫌悪していた私をそんな、そんな蕩けた瞳で………はぁ、あ、サラ……今すぐ挿入はいりたい……今すぐ貴女のナカを、内臓まで、私のものに、サラ…………!!!」

 色気滴るテノールボイスで変態発言を耳元に注ぎ込まれ、サラの蜜壺から愛液があふれる。気持ち悪い。息は荒いし、サラを見る瞳は蕩けている癖に鋭く捕食する獣の眼だし、唾液で濡れた舌で耳の穴までグチュグチュと舐められ脳味噌までこの変態に喰われるような錯覚に陥りそうだ。実に、実に気持ち悪い。

 それなのに、サラの心は歓喜に打ち震えていた。





「いいですよぅ、変態で、趣味の悪いマクシムさん」

 ゆっくりと、自分から足を開き……秘裂に指をそえて両側から開く。赤く充血した華が、マクシムの目の前で蜜を垂らしながら咲き綻んだ。

「こんな残り滓のサラでも良いなら……好きなだけ、愛して………」

 うっとりと瞳を潤ませて、頬を染めたサラは全身全霊で媚びる。普段の有能な侍女のサラは見る影もない。愛しい男を魅せて誘い寄せ色気を放つ、彼女はまさに今、『マクシムだけの女』だった。

「嗚呼、サラ……サラぁあ―――――!!!!」
「ふァ、ぁああ、あ――――!!!!!」

 凶悪な肉棒を容赦なく突き入れる。そのまま一気に最奥まで貫かれたサラは、悦びと小さな痛みの入り交じった悲鳴を上げた。その太い切っ先が子宮の入り口まで届いたのを感じ、膣口が快感できゅうっと締まる。生温い彼女のナカは、マクシムの欲望に絡みつき蠢いていた。

「はぁん、おっき………しゅごい、マクシムさぁん……!」
「ハァ、はッ………サラ……一気に奥まで入りましたね。搾り取られそうですよ…!想像よりもずっと、すごいです。サラ……!」
「ふふ、マクシムさんたら……私と、ァん!するのを想像してたんですかぁ?ふ、はぁ……つくづく、変態です……ねぇッあぁあ!!」
「していましたよ!ええ!幾度も幾度も想像の中で貴女の膣内を蹂躙しては、子宮に私の子種をたっぷりと注ぎ込んでいました!!因みに、想像の中で貴女は三十回は妊娠していますよ。妊娠していなかった想像も含めると貴女のナカに射精した回数はもはや計り知れません…………!!」
「え!?あんっあ!そ、それは流石に引きますよぅ………ああんっ!?や、またおっきく」
「貴女が………!蕩けた瞳で僅かに軽蔑を滲ませたり、するから…………ッ!!!はぁ、もう我慢できない……!」

 子宮口に強く押し付けられている肉棒がビクビクと震えている。射精直前の反応を文字通り肌で感じ、サラは少し笑った。そして、ナカにいるマクシムを思い切り締め付けてやる。すると、感極まったのかマクシムがサラをかき抱いた。サラも手を回して抱き返し、銀色の髪を掻き回す。

「サラ………出したい、出したいです。サラ、許しを下さい。貴女のナカに、子宮に、種付けする許可を……サラ、サラ………!!」
「仕方ない、人ですねぇ!いいですよぅ、…………サラは、マクシムさんのものですから」
「嗚呼、サラ……………出るッ!!」

 変態の熱い欲望が、サラの膣内で大きく痙攣して弾けた。さらに奥へと子種を注ぎ込むように揺らされ、彼女の唇から甘い喘ぎ声がこぼれる。
 長い射精を終えても、ナカに自身を入れたまま……マクシムはサラを抱き寄せた。その胸に頬を寄せると、彼女の胸は今までにないほどの幸福で満たされていった。





「マクシムさん………キス、して?」

 そう言って目を閉じて軽く唇をすぼめる。所謂、『キス待ち顔』というやつだ。
 素面のサラなら絶対にこんな媚びることはしない。事後の呆けた頭だから出来る所業である。そして、確認でもあるのだ。出すものを出して恐らく正気……いや、変態に言うのも可笑しいが、正気に返った状態でもこの『媚びまくっているサラ』を受け入れられるのか?―――拒否された場合は今まで通り、犬に、いや変態に噛まれたとでも思ってこの恋をすっぱり諦めよう。子どもが出来ていたら……どこかで乳母になるのもいい。

 そんなことをぐるぐる考えていた彼女の唇に、温かい何かが重ねられた。

 唇が離れ、サラが目を開くと、そこには……………息を荒らげ目元を赤く染めた変態の美貌があった。ついでに、瞳は金色にギラギラと煌めいている。

「んっ!?マクシムさ……ふぁあ!?」

 次の瞬間、ズンッと下半身に衝撃が走り、思わずサラは目の前の麗しい肉体にしがみついた。未だ固さを保ち、サラを貫いたままだったマクシムの肉棒が、再び彼女の体を苛み始める。膣内で白濁と愛液が混ざり合い、ぐぢゅぐぢゅと泡立つ音が響き渡り、サラの腰がガクガクと震えた。

「ぁあ、ン!まくしむっ…や、ァ!」
「サラ……サラ!そんなッ、そんな凶悪に可愛らしいことをして、いけない子ですねぇ!!ハァッ一度では足りません、もっと貴女が欲しい……ッもっと、もっと貴女を……堪能させて……!!」
「やら、やぁ!も、イッちゃ…やぁあ!またおっき、いぃ…まくしむ、さぁん!!」
「次に出した後は、全身を舐め回します…!!足の爪先から眼球まで全部舌で味わって、汗の味を口の中で転がしたっぷり堪能します!そして四つん這いになった貴女を後ろから焦らすように犯して差し上げたい……サラ……まだまだ足りません!ハァッ貴女の……夢にまで見た貴女の膣内ナカ…ずっと入っていたい……!!」

 隙間がなくなるほどに密着してグチュグチュと腰を動かしながら、サラの耳元でそんなことを囁き続けるマクシム。発言は変態的だし、顔は恍惚としているし、腰使いは激しいくせに的確にサラの感じる場所を突いてくる。変態の癖に床上手……否、変態だからこそ床上手なのか。卵が先が鶏が先か、真相はサラにも分からない。



 分かるのは……マクシムが、サラの全てを本気で欲しがっているということ。
 そして、この恋を、諦めなくてもいいのいうことだけだ。



 サラの心に歓喜が湧き上がる。衝動で足を腰に絡め、自分からもソコを擦り付けてより深く、マクシムを奥へと迎え入れた。

「ンッ…あん!どうぞ、いっぱい……いっぱい、シて、まくしむさんの、ァあん!気が、すむまでぇ……!」
「………………………ッ、サラ!!!!!」

 そう言って頬に口付ければ、変態は瞳を潤ませてサラの顔中にキスし始めた。その素直な反応はとても可愛い。下半身は全く可愛くないのだけれど。










 結局、その後マクシムは朝までサラを放さなかった。一晩中変態に貪り喰われ足腰が立たなくなったサラは、疲労と羞恥によるしかめっ面で仕事を休み………反対にマクシムは近年稀に見るほどのツヤツヤした美貌と鮮やかな仕事ぶりを発揮したらしい。
 彼らが『上手く行った』ということはその日屋敷中に知られることとなり、生温かく彼らを見守っていた者達はこっそりと赤飯を炊いたりした。



 サラの同僚たち……『侍女の会』の面々は、彼女の恋が実ったことを喜べばいいのか、変態に友人を奪われたことを嘆けばいいのか、微妙な面持ちで仕事に励んだという。因みに、お団子のミミだけは固くガッツポーズをとっていた。
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