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嫌になるくらい優しくしてやる※

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「……ッ、ぅ、う」

 熱くて太いものが、彼女の股ぐらを引き裂かんとしている。ポルカは歯を食いしばりながら、懸命に破瓜の痛みを逃がそうと足先で藻掻いていた。

「イテェか」
「……!」

 低く耳元で囁かれた言葉に、何とか首を振る。痛いものは痛い。そりゃあもう痛い。なんなら今すぐ「痛いよバカ!!!」と泣き叫びながら暴れだしたいくらいには、痛い。

 ――でも、あの時よりはマシだよ。だって相手は惚れた相手ジルで、しかもあんな……

 先程までしつこい位に指や舌で解された事を思い出し、知らず下腹部がきゅんと締まった。破瓜の痛みで強張っていた蜜口が、潤みを帯びて少しずつ蕩け始める。

「ぁ、だいじょぶ……だよ。続けとくれ……ッん」
「……この、嘘つき女」
「……………ッ」

 思わぬ所で『嘘つき女』という言葉が心の臓に突き刺さる。そうして泣きそうになったポルカの奥へ、奥へと彼の熱杭は容赦なく押し込まれていった。

「ァあっ……く、ぅ……!」

 じわじわと裂けるような蜜口の痛みと、心の痛みに耐え続け……やがて、痛みの切っ先が行き止まった。ここが最奥だ。
 浅い息を吐きながら涙でけぶる目を凝らせば、ポルカの股とジルのソコがぴったりくっついていた。ほんの少し身じろぎしただけで下生えが絡まるほどの密着具合が今更ながら気恥ずかしい。
 それでも何とか、彼のご立派な一物が、ポルカの中に無事全部収まりきったことに少しだけホッとした。

 何せ、こうして交わるのは数十年ぶりなのだ。体は新品な上にジルの一物もかなりの大きさなので、きちんと受け入れられるか内心不安だったポルカである。

 そんなポルカの複雑な気持ちなど露知らず、ジルはこめかみから汗を流しつつニタリと笑った。

「っ、……全部、入ったなァ? ポルカ」
「……はぁ、は、ぅ」

 再び意識を繋がったそこへ戻せば、やはり疼くように痛む。これからジルが腰を振ればもっと痛むだろう。今のうちに何とか体を慣らそう……と口をはくはく動かして深呼吸していると、その唇に熱い何かが押し付けられた。
 吃驚して口を開けば、隙間からヌルリとしたものが侵入し、縮こまるポルカの舌に絡みつく。目を開けると、余りにも近い所に恋い焦がれた男の顔があった。

 ジルに、キスをされている。それも濃厚なやつを。

 そう気付いた瞬間に、ポルカの心と体は喜びと幸せに燃え上がる。

「ん、ふっ……んンッ、ぁ……ぅ」
「はっ蕩けた顔しやがる……そんなに好きかよ」
「しゅき……ジル、じる…しゅきらの、ごめ……よ…んんぅっふぁ」

 濃厚なキスの合間に、身体の力がふと抜けた瞬間を狙って腰を揺すられ、ポルカの声に段々と甘さが混じった。まだ痛みはあるが、『惚れた男にキスされている』ということがポルカをたっぷりと潤ませ、体の奥底にあった快感を呼び覚ましたのだ。
 鼻にかかった声で喘ぎ始めたポルカに口の端を歪ませ、妖精は腰の動きを少しずつ大胆にしていく。

「はぁ、いいか。お前はもう、嘘、つくんじゃねぇ」
「ぁ、あっあっあん、あぁ、ジル……!」
「正直に言え、………ッおら、これは、イテェか?」
「い、いたぃ……!奥、は、まだっ……ぁんっ」
「ここは?どうだ、よッ!」
「ふゃあっ!!!ぁあ、あんっぁ、そこ、イイ……きもちい……ぃ」

 ちゅ、ちゅ、と唇を合わせながらナカの良い所を探られ、ポルカの目の前にチカチカと小さな星が散った。……けれど『嘘をつくな』と念押しされるたび、心は軋む。それなのに、キスをされて抱きしめられて、こうして繋がった体は正直に悦び、痛みの中で貪欲に快楽を拾い始めていた。

「浅めがイイか……他は、どこがいい。どうして欲しいか言え、嘘つくなよ」
「……ぅ、あ、はぁんっじる、ジル……」

 自分の身体の現金さに再び泣きそうになりながら、ポルカはもはやヤケクソな気持ちで恋しい男の背中に腕を回した。そして、蚊のなくような声で呟く。

「……く、……て」
「あ゛?」
「ゃ……やさしく、し……て……」

 何故、結婚初夜の生娘のようなことを言ってしまったのか。ジルとは下界でいた頃数え切れない程アレコレしたし、何なら子どもも三人産んだ身だというのに。
 そもそも、これは彼の『報復』なのだ。だから痛いのも苦しいのも、優しくないのも全て大の字で粛々と受け入れるのがポルカのすべきこと、だから苦しいのも痛いのも我慢すると決めていたのだ。

 しかし、そう出来なかったのは妖精ジルのせいだ。
 『報復』だというのに懇切丁寧にポルカを抱く――“嘘をつくな”と、繰り返す、ジルのせいだ。
 思わず恨めしそうな目をしたポルカを見下ろし、妖精は……険しい顔で睨みつけた。


 ――ああ、やっぱり、身の程に合わないこと言うもんじゃないネ。


 再びポルカが泣きそうになったその時。


「ッふ、んんんんンぅんんう!!?」

 食らいつく、という言い方がぴったりくるような激しい口づけに襲われ、ポルカは目を白黒させた。舌を絡めて吸い上げられながらゆっくりと腰を打ち付けられれば、物凄い快感が下腹部へせり上がって来る。

「ぁ、あうっ……ふぁ、ぷ、ぁっじる、んんぅ」
「はぁ、はぁっ……は、ポルカ、ポルカ……!!!!」

 おまけに先程まで何処か冷たさが宿っていた朝焼け色の瞳は何故かうっとり輝いていて、頬だけでなく耳まで赤くなった強面は欲情に蕩けきっている。その顔はまるで、まるで――

「嫌になるくらい、してやる……!」
「あ、待っ……そ、そんなこと言っ、きゃぁあぁ……ぁーーーーッ!!」

 ――またそんなこと言って。アタシがあらぬことを期待しちまったら、どうしてくれるんだいーー!!

 心の叫びも虚しく、ポルカはその後本当に優しく抱かれ続け、貫通したての生娘にあるまじき快感を覚え込まされたのである。
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