悪役令嬢のお父様

時既に…

「待て待て待て待て待てっ！！」

国王の慌てる様子を見ながらブラダマンは真面目な顔でティーカップに口をつける。
ブラダマンテの中で結論は既に出ている。
元々乗り気では無かった婚約の話、破棄するにしてもその余りにもお粗末なやり方と後始末。
そして何より…

「僕の愛娘マイエンジェルを蔑ろにして他の有象無象くそ◯ッチに靡く様な見る目の無い男が将来の王になり兼ねない国に居られるか！！」

ブラダマン、心親バカの叫びであった。









その後、ディルム国王の必死な説得と殴り合いによって何とかジェリクル家が国を出るのを阻止できた。
その代償はそれなりに大きく、現王子の廃嫡と国外追放、今回の件に関わった者に対する厳罰など暫く王国を揺るがす出来事が起きたのである。
なお、この時、ジェリクル家は娘の傷心旅行と銘打ち隣国にあるリゾート地に半年程の休暇をもぎ取って旅行に出掛けた。
その際にディルム国王には「戻ってきて落ち着いてなかったら…わかるよな？」と一言残して…

「どうしてこうなった…」

その場には頭を抱えてより老け込んだ国王の姿があったとか。











この後、国外追放された王子とかその辺りが攻めて来たり、今が好機と王国に攻め入ろうとした国があったりと波乱な出来事が起こるがそれはまた別の話。