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レイナにふさわしい曲3

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 レイナはネカ、スミカ、フレナの顔を正面から見据える。
 ここで折れてしまっては、アイドクレース侯爵を説得することなどできない。

「本当に分かっていますか?レイナ様が行く道が茨の道であることを。ただでさえ、レイナ様の道は棘だらけです。それなのに、自ら茨に突っ込むというのですか」

「はい。そうでなければ、私は私では無いので」

 沈黙が広がる。

 ネカは眉間に皺を寄せ、レイナが今まで見たことの無い表情を浮かべたまま黙り込んでいた。

「「……あの!」」

 沈黙を破ったのは綺麗に被った2人の声。
 目線で譲り合い、話始めたのはフレナだった。

「私は、王都のことも、社交界のことも、わかりません。だから、私の意見なんて大した価値も無いかもしれない。でも、レイナ様とずっと一緒に過ごしてきた人として、レイナ様には1番美しい姿で社交界デビューをして欲しいです」

「私も、メイド見習いとして、レイナ様が1番美しく見える姿を作ることが使命だと思っています。
 だから、レイナ様が自分自身が1番美しくあれる姿を選ぶのならば、応援したいです」

「……ネカ」

 そっと、レイナはネカの意見を問う。

「……わかりました。今から全く違うコンセプトで練り直すのは骨が折れますよ。特に、流行と違うことをするならば。明日からお休みはないと思ってください」

「ネカ!」

「レイナ様の本当の美しさ、子育てしたネカが気づいていないとでも?」

「そうよね。私を育ててくれたのはネカだった」

 オムツを変えてくれたのも、ミルクを与えてくれたのも、全て、全て、ネカだ。

「さて、レイナ様。レイナ様の頭の中にはある程度構想があるようにお見受けします。その頭の中にあるもの今から全て出していただきますよ。スミカとフレナはそれを書き出して資料としてまとめなさい」

「「「はい!」」」
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