私が唯一愛した人は、双子の姉を愛していたので、友情と仕事に生きることを決めました

紫蘭

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レッスン再開2

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 衣装部屋の奥でレイナはドレスに着替える。
 今日は家族以外の人と会うので、コルセットは外せない。

 コルセット自体の苦しさや辛さは、とっくの昔に慣れたが、コルセットをするとなると自分1人で着替えができないのが難点だ。

 どうにかして1人で着れるようにならないかな?

 スミカにコルセットを締めてもらいながら、レイナはそんなことを思う。

 後ろ手で締めるのはさすがに厳しいそうだ。




「レイナ!あのね、レイナがいいなら、髪飾りおそろいのお花のにしたいの」

 アイリスが持ってきたのは小さな花飾りとキラキラ揺れる宝飾が美しいバレッタ。

 昨年侯爵が王都からのお土産として2人に買ってきたものだ。

 うーん。

 レイナは少し思案する。

 これから夏を迎える今の時期にあっているとは言えないが、今日の相手はリスト様だ。

 季節感やマナーより、おそろいを付けたいというアイリスの気持ちを汲んでくれるだろう。

「いいわね。じゃあ、アイリスのドレスを選びに行きましょう。お母様、お部屋にいらっしゃるの?」

 いつも着いて歩くルナリアの姿が見えないことにレイナは疑問を抱いていた。

「お母様はね、お父様に呼ばれて朝早くに出ていったって言ってたわ」

「そうなの」



 アイリスが起きていない時間にという侯爵なりの配慮なのだろう。
 ただ、唯一の誤算はレッスンを楽しみにしていたアイリスが、普段よりもだいぶ早く目を覚ましたことだ。

 話の内容は、社交界デビューのことか、王都のことか、とレイナは予測を立てる。

 レイナの社交界デビューの準備は、乳母のネカが中心となって進めているが、さすがに母であるルナリアがノータッチという訳には行かない。


 アイリスの部屋に行くと、ルナリアはまだ戻ってきていないようだった。


「レイナ、こっちこっち!」

 アイリスはレイナの手を引き、衣装部屋へと急ぐ。

「アイリス、走ったらダメよ。せっかく元気になったんだから」

「はぁーい」
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