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アイドクレース侯爵家2

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「今、全体的に貴族が減っている。侯爵家はまだしろ、伯爵家以下はこの数年で断絶する家も出てくるかもしれない。

 その原因は10年前に合った王位争いだ。6人いた王子たちが争い、残ったのは第1王女のみ。我々侯爵家は基本的には争いに参加しなかったが、公爵家と伯爵家以下はそれぞれの王子を旗頭に戦ったこともあり、跡取りになる端だった息子を多くなくしている。

 そして今、その影響がもろに出始めている。なんだかわかるな」


「領地の、魔力低下でしょうか」

「そうだ」

 この国には魔法こそ存在しないが魔力というものは存在する。
 魔力は代々貴族の血に宿るとされている。
 そしてその魔力によって領地を守り、運営していくのが貴族の仕事だ。

 王家が持つ魔力が1番強く、したがって王家の血を引く公爵家が貴族の中では最も魔力を持っている。

 侯爵家は広大な領地を維持するだけの魔力があり、それ以下は、血筋の魔力量で運営できるサイズの領地が与えられる。

 領地に魔力が行きわたらなくなると、その土地は不作が続き、だんだんと土地は涸れていく。
 貴族は土地を豊かにするために、魔力を注ぎ続けるのが使命だ。

「貴族が減った。つまり運営できる土地も減る。しかし、人々が住む土地のサイズが変わるわけではない。今、じわじわと辺境の方から順に土地は衰えて言っているのだ。
 ここで問題になってくるのが、アイドクレース家の跡取り問題だ。
 今現在、親戚筋または魔力量に見合う男子はとても少ない。
 そして数少ない男子は、他の家も喉から手が出るほど欲しい人材だ。
 こんなことをレイナに任せるのは心苦しいが、レイナの社交界デビューにこの家の存続がかかっているのだ」


 想像していたよりも何倍も重い責任にレイナの頭は真っ白になった。
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