私が唯一愛した人は、双子の姉を愛していたので、友情と仕事に生きることを決めました

紫蘭

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レッスン2

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「素晴らしいです!アイリス様はとても素敵な才能をお持ちなのですね」

「アイリス、今の演奏いつもよりとっても楽しかった!森の動物たちがぴょんぴょん跳ねて踊ってるみたい!」

 興奮しているリストにつられたのか、アイリスも頬を上気させる。

「リスト様!次は何を演奏する?アイリスが弾けるのはあと童謡が2つと、練習曲が1つよ」

「そうですね。じゃあ今度は練習曲を弾いて頂けますか?」

「うん、分かっーー」

「待って!」

 どんどん進んでいくレッスンにアイリスの言葉を遮るようにしてレイナはストップを掛けた。

「アイリス、興奮しすぎよ。頬を真っ赤にして。このまま続けるとお熱が出るわよ。今日はここまでにしましょう?」

「えぇー、アイリス、まだピアノのお稽古したい」

 レイナの言葉にアイリスは頬をぷくーっと膨らませる。

「でも熱を出すのも嫌でしょう?リスト様は週に2度いらっしゃる予定だから、続きは今度にしてベッドに行きましょう?お母様も心配するわ」 

「……わかった」

 ちょっぴり肩を落としつつ、アイリスはそう返事をする。
 レイナはスミカを呼んで、アイリスを部屋まで連れていかせた。
「リスト様、お待たせいたしました」

「いや、アイリス様はいつもあのぐらいで体調を崩されるのですか?」

 少々困惑した様子で、リストはレイナに尋ねた。

「そうですね。あの様子だと今晩にでも熱は出るでしょう。あのまま続けさせていたら、1週間程度寝込んでもおかしくありません」

「病弱だとは伺っていましたが、それほどとは。私も少々興奮してしまいまして、次からはアイリス様の体調に注意いたします」

「ありがとうございます」

「それでは、レイナ様のレッスンを始めましょう。まずは、レイナ様のお好きな曲を1曲、お聞かせ願えますか?」

「はい」

 
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