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2人の少女

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 アイリス=アイドクレースとレイナ=アイドクレースは、リリス王国のアイドクレース侯爵家に生まれた双子の娘だ。

 アイリスとレイナが産まれた時、元気いっぱいに産声を上げたレイナと異なり、アイリスは産声を上げなかった。
 医師たちの治療により一命は取り留めたが、アイリスの身体はすぐに熱を出す虚弱さを持っていた。

「子供は菌を持ち込む可能性がある」

 そう医師に言われた2人の母、ルナリア=アイドクレースはアイリスに付きっきりとなり、レイナと離れた。父であるアイドクレース侯爵も領地運営で子供の相手をしている暇はなく、レイナは乳母と使用人たちに育てられた。

 そのおかげか、レイナには4人の親友がいる。レイナより2つ年上の騎士見習いラエル、ラエルと同い歳で執事見習いのリアン、そしてレイナと同い歳で共に育ったスミカとフレナ。5人は身分なんて関係なく、本当に兄弟のように育った。

 一方、アイリスはほとんどをベッドで過ごす生活だった。5歳の時に知的障害と診断されてからは母、ルナリアが片時も傍を離れなかった。

 レイナとアイリスが会えるようになったのは、アイリスが寝込むことも減ってきた13の時だ。今まで共に育っていないのが嘘のように、2人はあっという間に打ち解けた。
 アイリスはラエルたちともすぐに仲良くなった。


 
 
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