私が唯一愛した人は、双子の姉を愛していたので、友情と仕事に生きることを決めました

プロローグ

　少女はすっと目線を上げる。
　目の前に広がるのは『幸せ』という言葉は彼女達のためにあるのであろうと思えるような温かな光景。
　少女には一生手に入らない、いや、少女が選ばなかった道だ。

　少女が愛した男性は少女と瓜二つの半身を選んだ。
　その時点で、少女は世間一般に言う『女としての幸せ』を捨てた。

　少女が振り返ると、そこには同じ目をした4人の仲間。
　これが、彼女が選んだ道。

　ここからは少女では居られない。
　彼女はあの幸せを守るために戦わなければならないのだ。
　そして、自分が生きると決めた道が決して不幸ではないと証明するために。

「行こう」

　彼女はそう仲間に告げる。

　彼女は歩む。強く、真っ直ぐに。