妻の不倫と僕の葛藤

侘助

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妻の不倫と僕の葛藤〜〜その6

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~つづき~

妻は言いました…

「私、何で浮気しちゃったんだろう?
あの人(上司)が本当に好きでも無いのに、貴方の事が大好きだったのに、何であんな事しちゃったんだろう?」

「貴方に抱かれるのが凄く好きで、いつも愛してるって言ってくれてたのに、何で裏切っちゃったんだろう?」

「あの人の記憶が思い出せないくらい、薄っぺらく思えるのに、何であんな風になっちゃったんだろう?」

「素直で元気な子供達が居て、働き者の旦那さんが居て、専業主婦をさせて貰って、いつもいっぱい愛されてたのに、本当に本当に馬鹿な事をしました」

僕は決して彼女だけが悪いとは思ってはいない。
愛する妻の心を繋ぎ留めておけなかった事や、心に隙間を空けてしまった事、妻の変化に気付いていながら、彼女の心に向き合わなかった事は夫として本当に失格です。

離婚から12年が経ち、今は冷静に過去を振り返ることができます。

これまでの12年間、事の詳細を知っているのは僕と元妻と義両親だけで他は誰も知らない。


最後の夜、妻は寝室、僕は次男の部屋で寝ようとした時、妻が言いました。

「最後に私を抱いてください、お願いです」

だけど僕は妻の最後の願いを拒みました。

ひどい男ですよね…

でも僕は、僕との最後の行為で「許された」という事にしたくなかった。

幸せを破壊した罪は重い。

愛する妻が他の男に心を奪われる事は、毒を飲まされたように辛かった。
毒は吐いても吐いても身体からは抜けず、手足は冷え、全身が震える。

見るものが全てモノクロに見え、人の表情や言葉の意味が解らなくなる。


別れの朝に妻から

「本当にごめんなさい…自分のした事にこれだけ後悔した事は無いし、これからも無いと思う。貴方を傷つけた事はどれだけ謝っても謝りきれないです」 

「今まで凄く幸せでした…本当にありがとうございました」 

僕は
「元気で…息子達の事をくれぐれも宜しくお願いします」

これが最後の会話です。

25才で出会い、猛アタックして射止め、出会ってから17年が経ってました。

呆気ないものですよね。

それでも僕は後悔はしていない。
あのままズルズルと負の想いを抱きながら仮面夫婦を続ける事はお互いの人生にとって不幸です。

仮に離婚せず再構築を選択しても、破綻した「信用」は浮気する前には戻らない。


~つづく~
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