俺はどうしても主人公になれない

もぐのすけ

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コメディ編

34話 探偵

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「携帯を無くしたんだ」
「お、おう」

 放課後、部室に向かおうとしたら長屋バカが困った顔をして話しかけてきた。
 面倒くさい匂いを嗅ぎ取った俺はその場から逃げだしたのだった。


           ~Fin~


「終わらすな!」
「な、なんだよ」
「マジで困ってんだよ助けてくれ!」
「助けてくれっつっても…………どうせどっかに置き忘れたんだろ」
「違う! 昼に食堂で飯を食いながら携帯をいじっていたら、そのままお盆に乗せて一緒に片付けてしまったんだ」
「バカさ加減が斜め上すぎだ!」

 普通忘れないだろ!
 どんだけバカなんだコイツ!

「だったら食堂行って聞いてこいよ。それで済む話だろ」
「それで済んでないから困ってんだろ。おばちゃんに聞いたけど無かったってよ」
「それじゃあ一生見つからないな。あきらめろ」
「待てってあきらめんの早すぎだろ!」

 俺は海野先輩からの頼み事で頭がいっぱいなんじゃい!
 お前の携帯のことなんて構ってられるかよ!

「おい足軽、話は聞かせてもらったぜ」
「俺の名前は長屋ながやだ! というか誰だ!」
「探し物ならこの…………シャーロック中西にお任せ!」
「…………まずその探偵服はどこから調達してきた」
「私がどんな難事件でも解決してみせよう」

 お、無視か。

「じゃあ俺の携帯を見つけてくれ!」
「任せたまえ。アリソン君、メモを」
「持ってやすぜ兄貴」

 お前らノリいいな。
 というか有馬はワトソンかよ。
 キャラ作り絶対間違えてるだろ。
 盗賊の下っ端みたいになってんじゃねーか。

「まず簡単な事を教えてくれ」
「おう」
「食堂で座っていた場所はどの辺りだ?」
「なんか奥の方」

 …………………………。

「じゃ、じゃあ何時ごろお盆を片付けたんだ?」
「覚えてない」

 …………………………。

「食べた物は何だったんだ?」
「蕎麦だったか……Aランチだったか……唐揚げだったか……」

 …………………………。

「……シャーロック中西?」
「この事件は迷宮入りだ……」
「シャーロック中西ーーー!!!」
「何だよ全然ダメじゃん」
「分かるかぁこんなもん! お前が覚えてなさすぎなんだよバカ! 何食べたかぐらい覚えとけ!」
「バカとはなんだよ! 何食べたか忘れることなんて年寄りのおばあちゃんでもあることだろ!」
「おばあちゃんと比べてどうすんだよ! お前17歳の若者だろうが!」
「残念でしたまだ16歳ですー! 誕生日は3月でしたー!」
「揚げ足取ってくるんじゃねぇよバカ!」
「また言いやがったなこの野郎!」

 もう行っていいかな俺。
 2人で仲良く言い合ってればいいと思う。

「さっさと携帯探しに行った方がいいんじゃねーの……?」
「なぁアリソン」
「有馬で頼む」
「中西のあの服どうしたんだよ」
「アイツ演劇部だからな。このあと演劇で使う衣装なんだとよ」
「マジで!?」

 1年近く経って初めて知った真実!
 全然そんな風には見えねーな。
 運動部系かと思ったら意外と文化系かい。

「ちなみに演目は?」
「『未解決探偵』」
「ダメじゃねーか!」
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