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アルバイト勧誘編
現役ユース生①
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放課後、漆間大附属高校生徒会との意見交換会という名目で堂大寺会長含めた生徒会の面々が瑞都高校にやってきた。
目的はもちろん意見交換会などではなく、前に行った交流会のフットサルの罰ゲームだ。
漆間大は負けた罰として女子生徒の制服を着させられることとなった。
とはいえ、全員分の制服を借りることなどできるわけもなく、結局罰ゲームを受けるのは神奈月先輩の制服を借りた堂大寺会長のみとなった。
「ぐぐぐ…………この俺様がこんな辱めを……!」
「あははははは! 凄くお似合いじゃないかミッキー! いや、この場合はミニーちゃんかな?」
その呼び名はいかんでしょ。
「さすが会長!」
「そこまで似合うのは会長ぐらいのものです!」
「いよっ! ミス漆間大!」
「てめぇら……自分が着なくていいと分かった途端に……!」
そりゃ自分達が着なくていいと分かったら強気になるよなぁ。
実際、堂大寺会長の女装姿を見て楽しんでいるのは神奈月先輩だけだ。
大鳥先輩は哀れみ、前橋や梨音は若干引いている。
「おい神奈月! これでこの前の貸しはチャラだからな!」
「もちろん。充分に楽しませてもらったよ」
「次は必ず俺達が勝ち、お前に辱めを与えてやるからな……!」
「たとえば?」
「水着姿で清掃活動とかさせてやる」
この会長水着好きすぎないか?
確かこっちが負けた時の罰ゲームも水着だったよな。
意外と性欲に忠実だよ。
「未来さん……次変な罰ゲームとか絡めたら私は参加しませんからね」
前橋が釘を刺すように言った。
前橋からしたら勝ってもメリットゼロだもんな。
「高坂」
元フットサル経験者の山田が声を掛けてきた。
「おう、山田。良かったな女装することにならなくて」
「全くだぜ。危うく足の骨折ってでも来るの躊躇ったぐらいだ」
「そりゃやりすぎだな」
「ところでよ、高坂は足を怪我してサッカーやめたんだよな? 前はフットサルできてたけど今はどうなんだよ?」
フットサルができてたと言っても走ることのできなかった試合だ。
初心者が多くいたあの試合だから成り立っていたようなもので、俺の中では決してフットサルができてたとは言い難い。
「前よりかはマシになってるけど、全力で走ったりはまだ出来ない。ボールを軽く蹴るぐらいまでだな」
「それじゃあよ、今度フットサル一緒にやらないか? 有志集めてチーム作って、小さい大会があるんだよ」
そう言って山田は携帯を俺に見せてきた。
そこには6チーム参加の総当たりで優勝を決める、フットサルの大会について記載されたホームページだった。
いわゆる個人参加できるフットサル、『個サル』と呼ばれるものだった。
「こんなのあるんだ」
「な、面白そうだろ? チームをごちゃ混ぜでやるところもあるけど、ここは自分達のチームで戦うんだよ。もう既に予約は入れてたんだけどよ、一人急な用事で来れなくなっちまって足らないんだわ。もし良かったら高坂が参加してくれればなって」
前のフットサル以来、少しフットサルについても調べたから知識はあるが、狭いコートながらも運動量はそれなりにある。あまり走れない俺が参加してもいいものか。
「…………運動量にはあまり期待しないでもらえれば」
「全然良いに決まってんだろ! この前の試合ですら俺より上手かったのによ、天下の高坂が参加してくれるなら心強いっての!」
「天下取った覚えないんだけど」
「んじゃ決まりな! 次の土曜日、朝10時から! ちなみに残りの三人は俺の中学の時の知り合いだ。もしかしたら高坂でも知ってる奴がいるかもな」
「有名な奴なのか?」
「現役ユース生だぜ」
現役ユース生……だって?
それも俺が知ってるレベルの奴ってことは…………もしかしてヴァリアブルの誰かじゃないだろうな……?
目的はもちろん意見交換会などではなく、前に行った交流会のフットサルの罰ゲームだ。
漆間大は負けた罰として女子生徒の制服を着させられることとなった。
とはいえ、全員分の制服を借りることなどできるわけもなく、結局罰ゲームを受けるのは神奈月先輩の制服を借りた堂大寺会長のみとなった。
「ぐぐぐ…………この俺様がこんな辱めを……!」
「あははははは! 凄くお似合いじゃないかミッキー! いや、この場合はミニーちゃんかな?」
その呼び名はいかんでしょ。
「さすが会長!」
「そこまで似合うのは会長ぐらいのものです!」
「いよっ! ミス漆間大!」
「てめぇら……自分が着なくていいと分かった途端に……!」
そりゃ自分達が着なくていいと分かったら強気になるよなぁ。
実際、堂大寺会長の女装姿を見て楽しんでいるのは神奈月先輩だけだ。
大鳥先輩は哀れみ、前橋や梨音は若干引いている。
「おい神奈月! これでこの前の貸しはチャラだからな!」
「もちろん。充分に楽しませてもらったよ」
「次は必ず俺達が勝ち、お前に辱めを与えてやるからな……!」
「たとえば?」
「水着姿で清掃活動とかさせてやる」
この会長水着好きすぎないか?
確かこっちが負けた時の罰ゲームも水着だったよな。
意外と性欲に忠実だよ。
「未来さん……次変な罰ゲームとか絡めたら私は参加しませんからね」
前橋が釘を刺すように言った。
前橋からしたら勝ってもメリットゼロだもんな。
「高坂」
元フットサル経験者の山田が声を掛けてきた。
「おう、山田。良かったな女装することにならなくて」
「全くだぜ。危うく足の骨折ってでも来るの躊躇ったぐらいだ」
「そりゃやりすぎだな」
「ところでよ、高坂は足を怪我してサッカーやめたんだよな? 前はフットサルできてたけど今はどうなんだよ?」
フットサルができてたと言っても走ることのできなかった試合だ。
初心者が多くいたあの試合だから成り立っていたようなもので、俺の中では決してフットサルができてたとは言い難い。
「前よりかはマシになってるけど、全力で走ったりはまだ出来ない。ボールを軽く蹴るぐらいまでだな」
「それじゃあよ、今度フットサル一緒にやらないか? 有志集めてチーム作って、小さい大会があるんだよ」
そう言って山田は携帯を俺に見せてきた。
そこには6チーム参加の総当たりで優勝を決める、フットサルの大会について記載されたホームページだった。
いわゆる個人参加できるフットサル、『個サル』と呼ばれるものだった。
「こんなのあるんだ」
「な、面白そうだろ? チームをごちゃ混ぜでやるところもあるけど、ここは自分達のチームで戦うんだよ。もう既に予約は入れてたんだけどよ、一人急な用事で来れなくなっちまって足らないんだわ。もし良かったら高坂が参加してくれればなって」
前のフットサル以来、少しフットサルについても調べたから知識はあるが、狭いコートながらも運動量はそれなりにある。あまり走れない俺が参加してもいいものか。
「…………運動量にはあまり期待しないでもらえれば」
「全然良いに決まってんだろ! この前の試合ですら俺より上手かったのによ、天下の高坂が参加してくれるなら心強いっての!」
「天下取った覚えないんだけど」
「んじゃ決まりな! 次の土曜日、朝10時から! ちなみに残りの三人は俺の中学の時の知り合いだ。もしかしたら高坂でも知ってる奴がいるかもな」
「有名な奴なのか?」
「現役ユース生だぜ」
現役ユース生……だって?
それも俺が知ってるレベルの奴ってことは…………もしかしてヴァリアブルの誰かじゃないだろうな……?
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