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遅延新入生勧誘編
代表選抜③
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Uー15のドイツ代表にはバイエルン、ドルトムント、ヴォルフスブルクといったブンデスリーガでも強豪とされるチームの下部組織から選出された選手の他にも、バルセロナやマンチェスターユナイテッドといった他リーグの下部組織に所属している選手が呼ばれていた。
中でもバイエルンミュンヘンの至宝とも呼ばれているマルコ・ヴィテッシュという選手は、15歳にして既にブンデスリーガ初出場を果たしている。
この選手を如何にして封じ込めるかが今回の試合の鍵となるだろう。
「いいか、俺達は急造のチームであまりチーム練習もしてない以上、連携に期待は出来ない。だがな、ここにいる奴らは全員同世代で誰よりも上手い奴らが集まってるって知ってるはずだ。日本のUー15代表がどれほどのもんか、ドイツの奴らに知ってもらおうぜ」
今回のキャプテンを務めるFC横浜レグノスの三船翔哉__しょうや__#さんが喝を入れるようにして言った。
来年高一の翔哉さんとはよく代表で同じになっていたためよく知っている。
「前線のヴァリアブル組、攻撃は全てお前らに掛かってるからな」
スタメンにはヴァリアブルのメンバーが全員入っており、4ー2ー3ー1のフォーメーションで前線4枚は俺、涼介、光、優夜のヴァリアブルの選手で固められていた。
「俺にボール集めてや! 全部決めたるさかい!」
「じゃあ一回外すごとに飲み物一本奢りな」
「なっ……!」
「いいね、優夜はよく外すし」
「ぐぬぬ……! せやったら逆に決めるたびに飲み物奢りやで!」
「おーいいぜ」
「忘れたとは言わせへんからな!」
「おら集中しろお前ら、始まるぜ」
円陣を組み、気合いの入った掛け声と共にポジションに付いた。
試合開始合図の笛が鳴り、ドイツボールでキックオフ。
序盤は受け身に回ることが多かった。
やはりドイツ代表は個々の技術が高く、ワンタッチからツータッチでパスを回していくため、俺達Vの前線からのゲーゲンプレスも本場には通用しないというわけか、ヒラリとかわされていく。
そしてトップ下にいるマルコ・ヴィテッシュにボールが渡ると途端にスピードアップする。
周りを動かし、自身を際立たせるプレーの数々。
DF陣がことごとく切り裂かれ、何度もピンチを作り出してしまう。
「何してんねん! 簡単にやられすぎやろ!」
ハーフラインでボールの供給を待っている優夜も苛立ちを隠せなくなってきている。
開始から15分、俺達は一度もハーフラインから敵陣にボールを運べていなかった。
それでも俺は焦らずその機を待っていた。
最終ラインで常に守備の調整を行い、まるで何かを試すようにして敵に決定的なチャンスを作らせていない男を信じて。
マルコがドリブルで一人をかわし、ワンツーでDFの裏を抜けようとした。
「三船!」
賢治の一言でボランチの翔哉さんがマルコに詰める。
ドリブルで持ち込めないと判断したマルコが、近くの仲間にリターンをした。
その一瞬の隙を狙っていた賢治がそのボールを素早くカットする。
その瞬間、優夜が走り出した。
「修斗ぉ!」
強烈なパスが俺に向かって飛んでくる。
ほとんどシュート性の強さだ。
だがこの強さは、俺が普段からチームメイトに要求している強さだった。
俺がトラップする瞬間を狙っているのか、前に向かせまいと後ろからマークに来る気配を感じた。
それをかわすため、俺は右足裏ワンタッチでボールを左に動かしつつマルセイユターンで前を向き、その流れのままドリブルして詰めてきていたディフェンダーをかわした。
「Waaaas!?」
「修斗! 右!」
右を駆け上がってきた光にスルーパスを出し、光が爆速で持ち上がる。
ドイツの左サイドバックも中々に足が速いようだが、光はそれすらも置き去りにする。
中へ中へと切り込んでいき、状況は2対2。
優夜が中へ入ってくる光と交差するように外側へ走り出した。
二人が縦のラインで交差する直前、光が優夜にスルーパスを出し、優夜が抜け出した。
敵のディフェンスに体を寄せられるも、優夜はそれすらものともしないフィジカルでボールを右ゴールエリア手前まで持ち運び、左サイドネット目掛けてシュートを放った。
「もらったぁ!」
しかし、ゴールキーパーのファインセーブに防がれ、ボールは左サイドに転がっていった。
「嘘やろ!?」
そのこぼれ球に反応していたのは涼介だった。
守備で下がっていたはずなのに光と同じように左サイドを駆け上がっており、敵のディフェンスよりも早く上がってきていた。
かなり長い時間攻めてきていたために、右サイドバックの選手が深く入り込み過ぎていたのだろう。
「修斗!」
ペナルティエリアでボールを拾った涼介はダイレクトでセンターにいる俺にパスを出した。
それを左足ダイレクトでシュートを撃つ。
力は入れず、ボールの芯を捉えるようにして振り抜く。
ボールはそのままゴールへと吸い込まれていき、ネットを揺らした。
一度の攻撃で俺達は点を決めた。
「よっし!!」
「やったぜ修斗ー!!」
「があああああ何でお前が決めんねん!!」
「これで優夜は奢り決定だな」
「やかましい!」
「ははっ! やっぱスゲーよお前ら!!」
「全部Vの奴らだけで決めやがった……! やっぱ化け物揃いだな……!」
その後、ドイツ代表に1点を返されるも2点を追加し、俺達が交代した後半にスコアが変動することはなく、結果3ー1でドイツ代表に勝利した。
中でもバイエルンミュンヘンの至宝とも呼ばれているマルコ・ヴィテッシュという選手は、15歳にして既にブンデスリーガ初出場を果たしている。
この選手を如何にして封じ込めるかが今回の試合の鍵となるだろう。
「いいか、俺達は急造のチームであまりチーム練習もしてない以上、連携に期待は出来ない。だがな、ここにいる奴らは全員同世代で誰よりも上手い奴らが集まってるって知ってるはずだ。日本のUー15代表がどれほどのもんか、ドイツの奴らに知ってもらおうぜ」
今回のキャプテンを務めるFC横浜レグノスの三船翔哉__しょうや__#さんが喝を入れるようにして言った。
来年高一の翔哉さんとはよく代表で同じになっていたためよく知っている。
「前線のヴァリアブル組、攻撃は全てお前らに掛かってるからな」
スタメンにはヴァリアブルのメンバーが全員入っており、4ー2ー3ー1のフォーメーションで前線4枚は俺、涼介、光、優夜のヴァリアブルの選手で固められていた。
「俺にボール集めてや! 全部決めたるさかい!」
「じゃあ一回外すごとに飲み物一本奢りな」
「なっ……!」
「いいね、優夜はよく外すし」
「ぐぬぬ……! せやったら逆に決めるたびに飲み物奢りやで!」
「おーいいぜ」
「忘れたとは言わせへんからな!」
「おら集中しろお前ら、始まるぜ」
円陣を組み、気合いの入った掛け声と共にポジションに付いた。
試合開始合図の笛が鳴り、ドイツボールでキックオフ。
序盤は受け身に回ることが多かった。
やはりドイツ代表は個々の技術が高く、ワンタッチからツータッチでパスを回していくため、俺達Vの前線からのゲーゲンプレスも本場には通用しないというわけか、ヒラリとかわされていく。
そしてトップ下にいるマルコ・ヴィテッシュにボールが渡ると途端にスピードアップする。
周りを動かし、自身を際立たせるプレーの数々。
DF陣がことごとく切り裂かれ、何度もピンチを作り出してしまう。
「何してんねん! 簡単にやられすぎやろ!」
ハーフラインでボールの供給を待っている優夜も苛立ちを隠せなくなってきている。
開始から15分、俺達は一度もハーフラインから敵陣にボールを運べていなかった。
それでも俺は焦らずその機を待っていた。
最終ラインで常に守備の調整を行い、まるで何かを試すようにして敵に決定的なチャンスを作らせていない男を信じて。
マルコがドリブルで一人をかわし、ワンツーでDFの裏を抜けようとした。
「三船!」
賢治の一言でボランチの翔哉さんがマルコに詰める。
ドリブルで持ち込めないと判断したマルコが、近くの仲間にリターンをした。
その一瞬の隙を狙っていた賢治がそのボールを素早くカットする。
その瞬間、優夜が走り出した。
「修斗ぉ!」
強烈なパスが俺に向かって飛んでくる。
ほとんどシュート性の強さだ。
だがこの強さは、俺が普段からチームメイトに要求している強さだった。
俺がトラップする瞬間を狙っているのか、前に向かせまいと後ろからマークに来る気配を感じた。
それをかわすため、俺は右足裏ワンタッチでボールを左に動かしつつマルセイユターンで前を向き、その流れのままドリブルして詰めてきていたディフェンダーをかわした。
「Waaaas!?」
「修斗! 右!」
右を駆け上がってきた光にスルーパスを出し、光が爆速で持ち上がる。
ドイツの左サイドバックも中々に足が速いようだが、光はそれすらも置き去りにする。
中へ中へと切り込んでいき、状況は2対2。
優夜が中へ入ってくる光と交差するように外側へ走り出した。
二人が縦のラインで交差する直前、光が優夜にスルーパスを出し、優夜が抜け出した。
敵のディフェンスに体を寄せられるも、優夜はそれすらものともしないフィジカルでボールを右ゴールエリア手前まで持ち運び、左サイドネット目掛けてシュートを放った。
「もらったぁ!」
しかし、ゴールキーパーのファインセーブに防がれ、ボールは左サイドに転がっていった。
「嘘やろ!?」
そのこぼれ球に反応していたのは涼介だった。
守備で下がっていたはずなのに光と同じように左サイドを駆け上がっており、敵のディフェンスよりも早く上がってきていた。
かなり長い時間攻めてきていたために、右サイドバックの選手が深く入り込み過ぎていたのだろう。
「修斗!」
ペナルティエリアでボールを拾った涼介はダイレクトでセンターにいる俺にパスを出した。
それを左足ダイレクトでシュートを撃つ。
力は入れず、ボールの芯を捉えるようにして振り抜く。
ボールはそのままゴールへと吸い込まれていき、ネットを揺らした。
一度の攻撃で俺達は点を決めた。
「よっし!!」
「やったぜ修斗ー!!」
「があああああ何でお前が決めんねん!!」
「これで優夜は奢り決定だな」
「やかましい!」
「ははっ! やっぱスゲーよお前ら!!」
「全部Vの奴らだけで決めやがった……! やっぱ化け物揃いだな……!」
その後、ドイツ代表に1点を返されるも2点を追加し、俺達が交代した後半にスコアが変動することはなく、結果3ー1でドイツ代表に勝利した。
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