3 / 30
鋼神勇者
第1話 放射性物質
しおりを挟む 昼前まで降りしきっていた雨は止み、舗装されていないぬかるんだ道が傾いた夕暮れの光を反射してオレンジ色に輝いている。
林道の入口には規制線を示す「KEEP OUT」のテープが貼られ、多くの警察官が動き回っていた。
「大橋警部補」
豊かに蓄えた口髭を弄りながら、これまた豊かな腹回りを揺らして大橋と呼ばれた警官が答える。
「ふむ、杉多巡査部長、何かわかったか?」
「被害者は浅田次郎、30歳。住所は土岐市ですね。財布に免許証がに入ってました。斎藤を確認に向かわせます」
「ん、たのむ」
「詳しい死因は検視してみなければ分かりませんが高所から突き落とされたような潰れ方をしていますね」
「ここでか?」
林道とはいえ緩いハイキングコースになっている。辺りには背の低い広葉樹しかない
「どこかで殺害して運んできたんですかね?」
「わからん」
「さっきのゲリラ豪雨が足跡を洗い流してしまった」
「専務(鑑識)が何か掴んでくれるといいのですが」
「それと彼もこちらに向かっているそうです」
「そうか。彼が来てくれるのか。それなら安心だ」
「彼が出張ってくるほどの事件なんですかねえ。いつもあの組織、絡みしか現場に来ないのに」
「あー実はそれがらみだから食いついたかもしれんの」
そう言うと大橋警部補は空を見上げた。彼岸を過ぎた空はわずかに秋の気配を漂わせていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
規制線の張られた林道よりだいぶ手前、主要な幹線道路より僅かに脇に入った場所。二名の警官が交通整理をしていた。関係車両以外を通さずに追い返すためだ。
年嵩と若者のコンビで前者は今カップルの乗ったSUVを支道に誘導しているところだった。
そこにスバルインプレッサXVが角を曲がって入ってくる。トンネル崩落事故でも運転手が生存した頑丈でタフな車だ。
「おーーい!!とまれーーー」
若い方の警官が誘導灯を横にして掲げ、止まるように命令する。
その指示にインプレッサは素直に従うと、まるで教科書の様に模範的な減速をして停止した。
「いやあ、すみませんね警察車両以外は通行できないんですよ」
警官の言葉に答えるために運転席のウィンドウが下りてくる。
「いえ、私は関係者ですよ。警察と契約しているコンサルタントです」
「ん、声が……って子供ぉ!?君いっ!!何やってるんだ車なんか運転して!!今すぐ降りなさいっ!!」
運転席から覗くのはどう見ても小学生くらいの少年だった。もちろん免許証が発行される年齢とは思えない。
しかし、少年は取り立てて慌てることもなく深いため息をつくと免許証と警察発行のIDカードをずいと見せつける。
「子供のオモチャか?」
若い警官はそれを取り上げるとまじまじと見る。
「それにしては良くできてるな。写真も本人だし、しかしこの年齢はないだろう」
若い警官が運転席から少年を引き摺り出そうか迷っているとカップルの車を誘導し終えた年嵩の警官が近づいてきた。
「どうかしたか」
「お疲れ様ですっ!!いえ、この子が車を運転してて!!」
「ああ、久しぶり。お疲れ様。行って良いですよ」
「巡査部長ぉ!?」
少年は軽く会釈をすると車を発進させようとする。
「ちょっと何やってるんですか!!補導しないと」
若い警官はインプレッサを止めようと車体の前にでる。
キキッ!!
少年は嫌そうな顔をしながら急停車させる。
「おいっ」
「何で止めるんですかっ」
年嵩の警官は若い警官を羽交い締めにすると道の端へと引きずっていった。
そしてドスの効いた声で耳元に囁いた。
「そいつに関わるな。ノサップ岬派出所に飛ばされたくはないだろ」
若い警官はその言葉に硬直する。
「もう行って良いですか?」
「ええ、ええ構いませんよ。うちの若いのが失礼しました。」
ブンとい低い排気音と共にインプレッサは走り去っていった。
「何者です?」
「お前聞いたことないか?少年コンサルタント」
「あ!!噂には。あれがそうなんですか」
「免許証の記述が正しいかは分からんが見た目通りの年齢じゃないのは確かだ。奴に突っかかっていった警官は左遷させられたり消えたりしている。お前も気を付けろ」
「本当ですか??」
「かなり上層部の幹部と繋がりがあるのは確からしい」
そうして二人は遠ざかっていくテールランプをぞっとしない思いで見送った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「どうも、ご無沙汰しています。大橋警部補」
KEEPOUTのテープを乗り越えて少年が現場に入ってくる。
子供サイズながら高級そうなかっちりとしたスーツに身を包みボトムは【半ズボンではなく】足首までぴっしりと折目の入った長めのパンツだ。
靴は動きやすいようなトレッキングシューズで甲には銅板が入っている。
いわゆる【安全靴】仕様である。
髪は長くも短くもなく後ろに流されている。
眉は太く意思の強さを感じさせる。
表情は厳しく引き締められていて普段から揺らぐことはない。
その体重移動から、ある種の人間が見ればジャケットの裏に小火器を吊るしていることが分かるだろう。
上半身のボリュームが大きく見えるのは肌着の上にボディアーマーをきているからだ。
「荒間 城太郎(あらま じょうたろう)現着しました」
「おおっ!!来たな少年探偵」
「違います。警察と契約した【コンサルタント】です。何度も申し上げているはずですが」
「そう不機嫌になるなよ。軽い冗談じゃないか」
城太郎と名乗った少年は周りにいる警官たちに軽く挨拶をして遺体に近づく。
さすがに強行班の人間は彼を知っているのか見とがめたりはしない。
「状況は?」
「被害者の名前、住所、年齢は無線で言ったとおりだ。専務の作業終了。現場で採取した遺留物や写真等をを持ち帰ってからの分析だな。一応殺人事件として捜査している」
「こんな高所の無い所で墜落死に見える遺体だ。少なくとも死体をここ迄運んだ人間が居るはずだ。自殺体を遺棄したという可能性もあるが……」
「これから運び出すところだがどうする?調べるかね?」
「ええ。検視を待ってからでは初動捜査の方針を決められないでしょう。少し遺体を見せてもらいますよ」
そう言うと城太郎は遺体へと近づく。
ピーッ‼ピーッ‼ピーッ‼
あと数歩という所まで来ると彼の左手につけた腕時計が警告音を発した。
城太郎は顔をしかめると時計の盤面を覗き込んだ。
そこには針はなく液晶になっている。そして赤い文字で目まぐるしく数字が表示されていた。
彼の時計は特注の多機能スマートウォッチになっている。
その後、城太郎はライトのようなものを取り出して死体を照らして始めた。
「大橋警部補」
「なんだね?」
「先行した専務には、よく除染するように言っておいて下さい。人が触れても問題ないレベルではあるのですが」
「え!?」
「見てください。この時計は線量計の機能も備えています」
「そんな機能が!?この数値が線量かね?」
「ええ。この遺体に付着した砂利の様な物。それに近づけると高線量を表示します。」
「しかも紫外線ライトで蛍光する。たぶん燐灰ウランか閃ウラン鉱」
厚手のゴム手袋を二重にはめると城太郎は死体をまさぐり始めた。
「中肉中背、特に何か鍛えている風もない。徹頭徹尾、普通の中年男性」
「そうだ。単に巻き込まれた被害者なんだろう」
「僕はそうは思いませんね」
「何か引っかかるのかね」
「あまりに無個性。絵にかいたような普通です。人間、特徴がないように見えてどこか少ないながらも長じた部分があるものです。それをわざと削っているような感じを受けます」
「それにこの手が……」
「警部補。聞き込みから今戻りました。」
「おお。戻ったか」
「お疲れ様です。斉藤巡査」
「や、城太郎君。3日ぶり」
斉藤巡査は軽く飄々とした感じで敬礼する。
「浅田次郎について聞き込みをしてきました。近所の人間に写真を見せたところ本人に間違いなさそうです。それで彼についてですが……」
そこでちらりと城太郎のほうを伺う。
「そうですね。死体を見た結果から斉藤巡査の聞いてきた事を予想してみましょうか」
承太郎は浅田次郎についての推測を話し始めた。
「彼の両親はすでに死亡しているか行方不明。兄弟いない」
「近所付き合いは悪くなく、地域の清掃活動等には積極的に参加するが特定の親しい人間はいない」
「良くわかるな」
「趣味はアウトドアで休日になると家を空けることが多い」
「そして公的機関に勤めている」
「土岐市役所の住民課だ。ほかも住居の周辺住民への聞き込みと概ね合っている」
斎藤巡査は大きく頷いた。
「俺の聞き込みは無駄だったか?」
「いいえ。事実との照合は必要でしょう。私の話はただの推測です」
「鑑識と科学捜査、各種専門家の意見を聞けばいずれ同じ結果にたどり着かもしれません。しかしそこまで座して結果を待つような事になれば貴重な時間を浪費してしまいます。それは犯人を利することに他なりません」
「ある程度の見込み捜査は必要でしょう。ですから私はある仮定をたててそこから逆算して彼の人物像を想像したのです。」
「じょ、城太郎くん。それで何だねその仮定とは。もったいぶらずに教えてくれ」
「それは……」
「それは?」
「その仮定とは……」
「その仮定とは?」
「彼は【人類肥大連合】の【潜伏諜報員】なのです」
「「「な、なんだってーーーーーーーーー!?」」」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる