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2章
⑪クリスマス(6)
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「これは修了証書だ。中を開けてみろ」
「え、もうこの特別授業も終わりですか?残りもがんばれって言われたのに」
マユリは中の封筒を恐る恐る開けて、自分の修了証書をじっと見ている。
「まあまて、タカヒロも封筒を開けてみろ」
サキ先生はいつも以上に深刻な顔をしている。自分も同様に中を確認してみると、マユリと同じように修了証書が入っていた。何の変哲もない修了証書だ。小中学校、高校、大学と何度も見てきた修了証書だ。
「なんだ、僕もマユリと同じものが入ってましたけど」
「よくマユリの物と比較して見ろ。タカヒロの修了証書には校長の印鑑がない。つまりお前は卒業できないってことだ」
温かい部屋の空気が一瞬で凍り付いた。
「え、もうこの特別授業も終わりですか?残りもがんばれって言われたのに」
マユリは中の封筒を恐る恐る開けて、自分の修了証書をじっと見ている。
「まあまて、タカヒロも封筒を開けてみろ」
サキ先生はいつも以上に深刻な顔をしている。自分も同様に中を確認してみると、マユリと同じように修了証書が入っていた。何の変哲もない修了証書だ。小中学校、高校、大学と何度も見てきた修了証書だ。
「なんだ、僕もマユリと同じものが入ってましたけど」
「よくマユリの物と比較して見ろ。タカヒロの修了証書には校長の印鑑がない。つまりお前は卒業できないってことだ」
温かい部屋の空気が一瞬で凍り付いた。
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