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2章
④補修(閑話休題)
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「ところで、マユリ。もし捕まえられたら“誰か”と一緒に特別講義を受けられるけど、誰と受けたいんだ?」
「それは、タカ君しかいないと思いますけど」
「そっかー、マユリはそのタカ君、とじゃないと受けたくないのかー。ほかの人は嫌なのかー」
「っ!誤解を招くようなことは言わないでください!余っているのが私とタカ君だけなのであって、仕方なくです!!それにその棒読み、確信犯ですよね!?」
「誤解ってなんのことかな?確信って何を確信してるのかな?私にはさっぱりわからないのだが。そこんとこ詳しく教えてもらえるだろうか?」
「~~~~~~~~っ!」
「聞こえなかったのか?そこんとこ詳しく・・・・・・」
「はい!もう十分、時間たちました!私は追いかけます!!」
マユリは逃げるようにその場を立ち去った。
「おいおい。まだ四、五分しかたってないぞ」
もう話を聞いておらず、マユリは階段を上っていってしまった。
「やれやれ、タカヒロもマユリもめんどうくさいな。本当に。まあ若さゆえかな。なんかかわいくて、おせっかいを焼いてしまう・・・・・・。これが年ってやつか・・・・・・。いやいや!まだ私は二九歳、あの子たちと同じ二十代だっ!て、まったく何を考えているのか」
二人が去っていった後、サキは事務室に戻った。白の軍に入って研修を終えてからずっと、ここは私の居城になっている。
「タカヒロは自分が全世界の嫌われ者、なんて思っているのだろう。ボッチをさげすむ現代の風潮がそうしてしまったのか、群れを作る人間の本能に逆らっているからなのか、もともとの性格なのかはわからない。それにタカヒロは本音も言わない。きっと恐れているんだろう。人に迷惑をかけることを。受け止めてくれるかどうかわからない不安、よくわかる。それでも確かにお前を好いてくれるやつはいる。受け止めてくれる人が必ずいる。それに気づけば、タカヒロの世界は変わる。そのきっかけをあげるのが私の仕事だ。・・・・・・やっぱり私はおせっかいなのだろうな」
サキはコーヒーをすすって、パソコンを眺めていた。
「さてタカヒロ、二対一の勝負の始まりだ!!」
「それは、タカ君しかいないと思いますけど」
「そっかー、マユリはそのタカ君、とじゃないと受けたくないのかー。ほかの人は嫌なのかー」
「っ!誤解を招くようなことは言わないでください!余っているのが私とタカ君だけなのであって、仕方なくです!!それにその棒読み、確信犯ですよね!?」
「誤解ってなんのことかな?確信って何を確信してるのかな?私にはさっぱりわからないのだが。そこんとこ詳しく教えてもらえるだろうか?」
「~~~~~~~~っ!」
「聞こえなかったのか?そこんとこ詳しく・・・・・・」
「はい!もう十分、時間たちました!私は追いかけます!!」
マユリは逃げるようにその場を立ち去った。
「おいおい。まだ四、五分しかたってないぞ」
もう話を聞いておらず、マユリは階段を上っていってしまった。
「やれやれ、タカヒロもマユリもめんどうくさいな。本当に。まあ若さゆえかな。なんかかわいくて、おせっかいを焼いてしまう・・・・・・。これが年ってやつか・・・・・・。いやいや!まだ私は二九歳、あの子たちと同じ二十代だっ!て、まったく何を考えているのか」
二人が去っていった後、サキは事務室に戻った。白の軍に入って研修を終えてからずっと、ここは私の居城になっている。
「タカヒロは自分が全世界の嫌われ者、なんて思っているのだろう。ボッチをさげすむ現代の風潮がそうしてしまったのか、群れを作る人間の本能に逆らっているからなのか、もともとの性格なのかはわからない。それにタカヒロは本音も言わない。きっと恐れているんだろう。人に迷惑をかけることを。受け止めてくれるかどうかわからない不安、よくわかる。それでも確かにお前を好いてくれるやつはいる。受け止めてくれる人が必ずいる。それに気づけば、タカヒロの世界は変わる。そのきっかけをあげるのが私の仕事だ。・・・・・・やっぱり私はおせっかいなのだろうな」
サキはコーヒーをすすって、パソコンを眺めていた。
「さてタカヒロ、二対一の勝負の始まりだ!!」
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