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2章
②初回講義(閑話休題その2)
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自己紹介の時間となった。社会人になったばかりだったが、こう堂々と自己紹介の時間なんてものはずいぶんひさしぶりだ。でもこの時間は割と好きだ。嫌いな勉強はしなくて済むし、なによりいろんな人のことを知ることができる。仲良くなれる糸口を自然に得ることができる。好きな食べ物とか趣味とか、得意なこと、それと好きなタイプとか。聞いてて楽しい。
マミ教育官の魔法で配布されたプリントを受け取り、早速自分の自己紹介を書き始めた。
「えっと『名:マユリ、人を喜ばせるのが好きです。私は勉強とか運動とかずば抜けて得意なものはないけど何でもがむしゃらに頑張ります。好きなタイプは・・・・・・』うーん、好きなタイプはいいや。『ぜひ友達になってください』で締めよう」
サッとシートを書き上げ、友達と一緒に自己紹介をしに行った。あっという間にすべての枠が埋まり、友達は自席に戻っていった。
「マユリ―。あんたももう全部埋まったんでしょー。私たち席に戻るよー」
「わかったー。でも私はもう少し聞いて回るねー」
友達と別れ、あの最前列に座っていた男子のところへ向かう。あ、まだなんか集中して読んでる。もう自己紹介は済ませたのかな。
「なに読んでるの?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自己紹介が終わり、友達は食堂の席取りで先に教室を出ていった。その後タカヒロから預かった自己紹介シートをこっそり見てみる。
「えっと「名:マユリ 性格は明朗闊達、努力家である、多くの人を楽しませることが好き。協調性もあって、必ず皆と友達になれる。」って文章硬いなー。私、もうちょっと低レベルな表現だったと思うけど。・・・・・・でもなんか面白い人だったな。しかもまさかのこてこて関西弁!・・・・・・この「皆」にタカ君もはいっているのかな。そうだといいな。あっそうだ」
ボールペンと印鑑を取り出して、自分の自己紹介シートを書き直した。
「名:タカヒロ。第一印象は最悪で、その上自虐的な性格。気持ち悪い。一人が好きでいつもボッチである。(削除/このような人には二度と近寄りたくない/削除)それでもあなたと友達になりたいとここに誓います。マユリ」
マミ教育官の魔法で配布されたプリントを受け取り、早速自分の自己紹介を書き始めた。
「えっと『名:マユリ、人を喜ばせるのが好きです。私は勉強とか運動とかずば抜けて得意なものはないけど何でもがむしゃらに頑張ります。好きなタイプは・・・・・・』うーん、好きなタイプはいいや。『ぜひ友達になってください』で締めよう」
サッとシートを書き上げ、友達と一緒に自己紹介をしに行った。あっという間にすべての枠が埋まり、友達は自席に戻っていった。
「マユリ―。あんたももう全部埋まったんでしょー。私たち席に戻るよー」
「わかったー。でも私はもう少し聞いて回るねー」
友達と別れ、あの最前列に座っていた男子のところへ向かう。あ、まだなんか集中して読んでる。もう自己紹介は済ませたのかな。
「なに読んでるの?」
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自己紹介が終わり、友達は食堂の席取りで先に教室を出ていった。その後タカヒロから預かった自己紹介シートをこっそり見てみる。
「えっと「名:マユリ 性格は明朗闊達、努力家である、多くの人を楽しませることが好き。協調性もあって、必ず皆と友達になれる。」って文章硬いなー。私、もうちょっと低レベルな表現だったと思うけど。・・・・・・でもなんか面白い人だったな。しかもまさかのこてこて関西弁!・・・・・・この「皆」にタカ君もはいっているのかな。そうだといいな。あっそうだ」
ボールペンと印鑑を取り出して、自分の自己紹介シートを書き直した。
「名:タカヒロ。第一印象は最悪で、その上自虐的な性格。気持ち悪い。一人が好きでいつもボッチである。(削除/このような人には二度と近寄りたくない/削除)それでもあなたと友達になりたいとここに誓います。マユリ」
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