38 / 160
第六章その5 ~恐怖の助っ人!?~ ディアヌスとの再会編
おもしろ●図を広げよう。胃が消えて無くなるから
しおりを挟む
「さ、さすがにこれで終わりですよね……?」
誠の言葉に、一同は祈るようにディアヌスを見たが、ディアヌスは軽く首を振った。
「何をふざけた事を。この先が本題なのだ」
『ええええええええっっっ!!!???』
絶叫とともに、輸送機は大きく揺れ動いた。
だがディアヌスは淡々と続ける。
「反魂の術の最終目的は、邪神どもの大将を呼び出す事。太古から惑星の牢獄に封じられてきた闇の盟主、常夜命の復活だ」
「め、盟主ですと!? あなたが魔王ではないのですか!?」
佐々木が言うと、ディアヌスはじろりと彼を睨んだ。
「ひっ!?」
一睨みで胃の半分以上が消滅した佐々木に、ディアヌスは答える。
「我は肥河一帯を統べる神。魔王とは貴様らが勝手に呼んだだけだ」
佐々木は全身を冷や汗で包みながら、頑張って質問してくれる。
「で、では……ではですぞ? その闇の盟主が……本当の魔王が出てくればどうなるのでしょう……?」
「全て終わる」
ディアヌスは即答した。
「一度地の底から這い出れば、誰も倒す事は叶わぬ。日の本は粉々に砕かれ、新しく作り直されるが……奴らはそれを隠していた。だから我は怒り狂った」
「……そ、その反魂の術をやめさせれば、どうなりますかな?」
「常夜を含め、具現化が終わっていない邪神どもは、たちまち地の底に引き戻される。その間に封印に蓋をすればよかろう」
誠はそこでよろめきながら手をあげた。
「……ちょ、ちょっと待って下さい。ショックな事が多すぎて……1回図に描いて確認しますね」
誠はホワイトボードを用い、内容をペンで描き起こしていく。イラスト入りで、某教育テレビの『おもしろ地●』みたいな感じだ。
「ええと……①、まず夜祖が築いたメチャクチャ頑丈な砦があって、色んな備えとか罠が組み込まれてて、」
「②、館を中心に、物凄く広い範囲に結界が張られて、その結界はあなたでも破壊が難しくて、」
「③、遠距離から絶対攻撃を命中させる千里眼が、近づくヤツを狙っていて、」
「④、今までよりずっと強い、パワーアップした餓霊が数千体いて、」
「⑤、触られれば即アウトの黄泉の軍勢とか黄泉醜女もいて、」
「⑥、大量の邪霊が、人が来れば呪い殺そうと飛んできて。霊的に修行してない人なら即死か発狂して、」
「⑦、館の中には、まだ完全に具現化してないけど、あなたと互角に戦えるぐらいの武神が何人もいて、」
「⑧、柱の最下層では反魂の術が続行中で、どんどん邪神が出てきてて。それで間もなく最強の魔王が復活する、と…………」
誠は書き込みながら、テンションが下がって座り込んだ。
「…………おなか痛くなってきた」
「そうとも誠君、わしも胃がね……」
船団長の佐々木は、『胃い気分』と書かれた胃薬を飲みながら言った。
「こんなんどないせえちゅうんよ。うち、ゲーム買ってこれやったら叩き割るわ」
難波がドン引きを通り越した顔で呟き、カノンが頷いて後を受けた。
「このみの言う通りよね。他の邪神がどのぐらい強いかとか、まだ見当もつかないけど……そもそも餓霊と邪霊だけで、手も足も出なくないかしら。あの火車のパワーアップ版だって、こっちの射撃は効かなかったでしょ?」
ディアヌスはそこでカノンを見据えた。
「鬼の娘、雑魚に怯える必要は無かろう。この我が味方しているのだ」
「え、えっと……具体的には、どういう事ですか……?」
カノンが恐る恐る尋ねると、ディアヌスはニヤリと笑みを浮かべる。
「手はあるのだ。貴様らにうってつけの良い手がな……!」
そこで鶴が身を乗り出した。
「その話、乗った!」
「早すぎるよ鶴、せめて聞こうよ!」
即決する鶴に、コマは慌ててツッコミを入れる。
「どんな話か分からないのに……むぐっ」
コマはまたも口を塞がれ、一同はそーっとディアヌスをうかがう。
『そ、それで、どういう手なんでしょう……???』
全員の問いかけに、ディアヌスは再び笑みを浮かべる。
「簡単だ。我と対峙した貴様らの鎧、震天とやらを差し出せ。我がそれを吸収し、かつての力を取り戻すのだ」
『………………へーえ』
一瞬、みんなは他人事のように返事をした。
何だそんな事かと安堵し、良かった良かったと声を掛け合う。
だがしばし後、一同は再び絶叫した。
『ええええええええっっっ!!!???』
誠の言葉に、一同は祈るようにディアヌスを見たが、ディアヌスは軽く首を振った。
「何をふざけた事を。この先が本題なのだ」
『ええええええええっっっ!!!???』
絶叫とともに、輸送機は大きく揺れ動いた。
だがディアヌスは淡々と続ける。
「反魂の術の最終目的は、邪神どもの大将を呼び出す事。太古から惑星の牢獄に封じられてきた闇の盟主、常夜命の復活だ」
「め、盟主ですと!? あなたが魔王ではないのですか!?」
佐々木が言うと、ディアヌスはじろりと彼を睨んだ。
「ひっ!?」
一睨みで胃の半分以上が消滅した佐々木に、ディアヌスは答える。
「我は肥河一帯を統べる神。魔王とは貴様らが勝手に呼んだだけだ」
佐々木は全身を冷や汗で包みながら、頑張って質問してくれる。
「で、では……ではですぞ? その闇の盟主が……本当の魔王が出てくればどうなるのでしょう……?」
「全て終わる」
ディアヌスは即答した。
「一度地の底から這い出れば、誰も倒す事は叶わぬ。日の本は粉々に砕かれ、新しく作り直されるが……奴らはそれを隠していた。だから我は怒り狂った」
「……そ、その反魂の術をやめさせれば、どうなりますかな?」
「常夜を含め、具現化が終わっていない邪神どもは、たちまち地の底に引き戻される。その間に封印に蓋をすればよかろう」
誠はそこでよろめきながら手をあげた。
「……ちょ、ちょっと待って下さい。ショックな事が多すぎて……1回図に描いて確認しますね」
誠はホワイトボードを用い、内容をペンで描き起こしていく。イラスト入りで、某教育テレビの『おもしろ地●』みたいな感じだ。
「ええと……①、まず夜祖が築いたメチャクチャ頑丈な砦があって、色んな備えとか罠が組み込まれてて、」
「②、館を中心に、物凄く広い範囲に結界が張られて、その結界はあなたでも破壊が難しくて、」
「③、遠距離から絶対攻撃を命中させる千里眼が、近づくヤツを狙っていて、」
「④、今までよりずっと強い、パワーアップした餓霊が数千体いて、」
「⑤、触られれば即アウトの黄泉の軍勢とか黄泉醜女もいて、」
「⑥、大量の邪霊が、人が来れば呪い殺そうと飛んできて。霊的に修行してない人なら即死か発狂して、」
「⑦、館の中には、まだ完全に具現化してないけど、あなたと互角に戦えるぐらいの武神が何人もいて、」
「⑧、柱の最下層では反魂の術が続行中で、どんどん邪神が出てきてて。それで間もなく最強の魔王が復活する、と…………」
誠は書き込みながら、テンションが下がって座り込んだ。
「…………おなか痛くなってきた」
「そうとも誠君、わしも胃がね……」
船団長の佐々木は、『胃い気分』と書かれた胃薬を飲みながら言った。
「こんなんどないせえちゅうんよ。うち、ゲーム買ってこれやったら叩き割るわ」
難波がドン引きを通り越した顔で呟き、カノンが頷いて後を受けた。
「このみの言う通りよね。他の邪神がどのぐらい強いかとか、まだ見当もつかないけど……そもそも餓霊と邪霊だけで、手も足も出なくないかしら。あの火車のパワーアップ版だって、こっちの射撃は効かなかったでしょ?」
ディアヌスはそこでカノンを見据えた。
「鬼の娘、雑魚に怯える必要は無かろう。この我が味方しているのだ」
「え、えっと……具体的には、どういう事ですか……?」
カノンが恐る恐る尋ねると、ディアヌスはニヤリと笑みを浮かべる。
「手はあるのだ。貴様らにうってつけの良い手がな……!」
そこで鶴が身を乗り出した。
「その話、乗った!」
「早すぎるよ鶴、せめて聞こうよ!」
即決する鶴に、コマは慌ててツッコミを入れる。
「どんな話か分からないのに……むぐっ」
コマはまたも口を塞がれ、一同はそーっとディアヌスをうかがう。
『そ、それで、どういう手なんでしょう……???』
全員の問いかけに、ディアヌスは再び笑みを浮かべる。
「簡単だ。我と対峙した貴様らの鎧、震天とやらを差し出せ。我がそれを吸収し、かつての力を取り戻すのだ」
『………………へーえ』
一瞬、みんなは他人事のように返事をした。
何だそんな事かと安堵し、良かった良かったと声を掛け合う。
だがしばし後、一同は再び絶叫した。
『ええええええええっっっ!!!???』
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる