13 / 160
第六章その2 ~あきらめないわ!~ 不屈の本州脱出編
女神様がくれた勇気
しおりを挟む
(何だこれ……あったかい……?)
寒さで遠退きかけた意識で、誠は探った。
凍えかけた体の中……恐らく胸の辺りに、微かに宿る温かな何か。
誠は仰向けになると、震える手を胸に当てる。
操縦用の防御手袋、そしてパイロットスーツ越しでも分かる程の温かさだ。それはだんだん熱を増し、温かいを越えてもはや熱い。
遭難して体が冷え切ると、逆に暑くてたまらなくなるというが、そうした異常とも違うようだ。
(今度は左手? どうなってるんだ?)
左手にも同様の熱を感じて、誠は防御手袋を外した。
そこに青い細胞片が輝いていた。
左手の甲に移植された細胞片は、操縦者と人型重機の感覚を一体化させるために用いる逆鱗……つまりは生体通信端末である。
滑らかなその表面には、神社でよく見る八角形に漢字の三を描いた模様が映っている。正式には『折敷に三文字』、よく三島紋と呼ばれる神紋だ。
「何だこれ……何で今になって」
誠はそこで気が付いた。
「そうか、神器の太刀と、岩凪姫の魂の欠片……!」
女神・岩凪姫は、無数の光となって弾けた。その光の1つは、誠の体に吸い込まれていったのだ。
そしてそれとは別に、誠は女神から力を託されていた。
この日本奪還の冒険を始める際、授けられた太刀である。
『我が力を集めて研ぎ出した神器、岩凪の太刀だ。私と同じでやたら頑丈だし、物質や魔物は切れるが、逆に善なる者は切れない』
女神のそんな言葉と共に、太刀は誠の逆鱗に吸い込まれたのだ。
胸に宿る魂と、左手に宿る神器の太刀。2つの霊気が共鳴し、誠の中で熱く激しく燃え上がろうとしている。まるでまだ諦めるなと言うかのように。
そしてほぼ同時に、思い出が堰を切ったようによみがえった。
初めて女神が姿を見せた時……確かあの時は、自衛軍の恰好をしていたっけ。
神様が変装するなんて、日本初の事じゃないか?
あれから四国を取り戻し、九州、北陸、東海……そして柱と封印の防衛まで、あらゆる場面で彼女は導いてくれた。
決して完璧な女神というわけではない。むしろかなり人間ぽくて、色んな姿を見せてくれた。
鶴や神使を怒る時の顔。
時折見せる優しい顔。
犠牲者達を思って見せた悲しげな顔。
けれどどんな顔をしていても、その根底には人々の幸せを願う愛情があった。
だから誠達は、あの岩凪姫について行ったのだ。どんなに彼女が怖く見えても、無意識にその言葉に従っていたのだ。
正直彼女自身、遠い昔に嫁入りに失敗して、かなり辛い思いをしたのだ。
他の神々と違い、参拝客もほとんどいない。歴史に忘れ去られた、この国の日陰を生きるような女神なのだ。
それなのに神という立場であり続け、気が遠くなるぐらい長い時間、人々を守ってきてくれた。
考えてみれば、恐ろしい重圧だっただろう。
他の神々が不在の中、たまたま日本を守る重責を背負わされてしまったのだ。
ガラじゃないとか、自分には無理だとか、色々思うところはあったはず。
それでも出来る事を1つずつやって、人々を励まし続けてくれた。
強いから神じゃない、生まれつき偉いから神なんじゃない。その勇気と心根こそが、彼女を尊い女神たらしめたのだ。
(そうだ……岩凪姫も佐久夜姫も、神様だって必死だったんだ。何千年も、ずっとこの世のために力を尽くして……だったら俺の10年ぐらい何だっていうんだ……!)
誠はゆっくりと立ち上がった。
彼方から、子供の泣き声が聞こえてきた。眠ろうとしても、不安に押し潰されそうになったのだろう。
誠は遠い昔、大人達に助け出された自分を思い浮かべた。
(思い出せ……あの頃俺は、どうして助かったんだ?)
(この混乱の始まった時、何1つ武器が通じなかったのに、自衛隊や警察たちは諦めなかった。その時その時出来る事をやって、必死に俺達を逃がしてくれた)
だからこうして生きているのだ。あの日泥だらけになっても助けてくれた大人がいたから、今の自分は生きているのだ。
(だったらあの子達を逃がそう。何としても次の未来に繋げよう。それが女神の思いを継ぐ事だし、あの日助けてくれた……沢山の英雄への恩返しだろ?)
そこで誠の脳裏に、女神達の姿が思い浮かんだ。
『私達の出番は終わった。次はお前達が頼りだよ』
『大丈夫、あなた達ならきっとできるわ』
彼女達の表情は、そう励ましてくれているかのようだ。
誠は拳を強く握り締めた。全身に力を入れ、武者震いしながら身を屈める。
それでも気持ちは全然収まらない。
「う、うううっ、うわあああああああっっっ!!!!!」
身の内に駆け巡る激しい力に、思わず咆えた。
闇に包まれた空に負けないように、絶望を跳ね除けるために、全力で雄たけびを上げていたのだ。
ある意味バカになっていたのかもしれない。危ないとか、敵に聞きつけられるとか、そんな理性は吹っ飛んでいた。
やがて隊員達が駆けつけて来た。
「ど、どうしたの……!?」
「鳴っち、あんた大丈夫なん……!?」
カノンが、難波が、宮島が、香川が、心配そうに見つめている。
「大丈夫だ……!」
誠はそれだけ言うと、大股で歩き始めた。傾斜を登り、隊員達を通り過ぎて。
バスの元に戻ると、数人の子供と母親達が立っていた。
泣いた子供が他の人の眠りに迷惑かと気遣ったのだろう。
誠は大股で歩み寄ると、泥だらけのグラブを外した。
子供の頭に手を置いて、くしゃくしゃと撫でる。
「もう大丈夫だからな……!」
ずっと見てきた女神の姿や、あの日見た大人達の強がりを真似して、自信満々に言ったのだ。
「大丈夫、絶対俺達が守るから……!」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そこで唐突に、輸送車に衝撃が走った。
車両を覆い尽くすような激しい霊気が立ち昇ると、車の上に、1人の少女が仁王立ちしていたのだ。
長い髪をポニーテールにまとめ、空色の着物に鎧姿。
日の本を取り戻すべく八百万の神々が送り出した、戦国時代のお姫様……つまりは鶴だ。
「黒鷹、私も分かったわ!」
鶴は開口一番そう言った。
「ヒメ子も馴染んだんだな」
「もちろんよ、私もへこたれてられないわ! ナギっぺとサクちゃんも、私の中にいるんだもの!」
誠の問いに、鶴は元気いっぱいで答えた。
「最後まで頑張るわ、それが鶴ちゃんだから! 頑張りの鶴、信頼の私よ!」
「よく言うよ、調子いいなあ」
彼女の肩に乗るコマも、少し嬉しそうにツッコミを入れる。
輸送班の音羽隊も集まってきて、辺りは最早カオスになった。
誠と鶴は頷くと、2人同時に周囲に言う。
『それじゃ、作戦会議を!!!』
寒さで遠退きかけた意識で、誠は探った。
凍えかけた体の中……恐らく胸の辺りに、微かに宿る温かな何か。
誠は仰向けになると、震える手を胸に当てる。
操縦用の防御手袋、そしてパイロットスーツ越しでも分かる程の温かさだ。それはだんだん熱を増し、温かいを越えてもはや熱い。
遭難して体が冷え切ると、逆に暑くてたまらなくなるというが、そうした異常とも違うようだ。
(今度は左手? どうなってるんだ?)
左手にも同様の熱を感じて、誠は防御手袋を外した。
そこに青い細胞片が輝いていた。
左手の甲に移植された細胞片は、操縦者と人型重機の感覚を一体化させるために用いる逆鱗……つまりは生体通信端末である。
滑らかなその表面には、神社でよく見る八角形に漢字の三を描いた模様が映っている。正式には『折敷に三文字』、よく三島紋と呼ばれる神紋だ。
「何だこれ……何で今になって」
誠はそこで気が付いた。
「そうか、神器の太刀と、岩凪姫の魂の欠片……!」
女神・岩凪姫は、無数の光となって弾けた。その光の1つは、誠の体に吸い込まれていったのだ。
そしてそれとは別に、誠は女神から力を託されていた。
この日本奪還の冒険を始める際、授けられた太刀である。
『我が力を集めて研ぎ出した神器、岩凪の太刀だ。私と同じでやたら頑丈だし、物質や魔物は切れるが、逆に善なる者は切れない』
女神のそんな言葉と共に、太刀は誠の逆鱗に吸い込まれたのだ。
胸に宿る魂と、左手に宿る神器の太刀。2つの霊気が共鳴し、誠の中で熱く激しく燃え上がろうとしている。まるでまだ諦めるなと言うかのように。
そしてほぼ同時に、思い出が堰を切ったようによみがえった。
初めて女神が姿を見せた時……確かあの時は、自衛軍の恰好をしていたっけ。
神様が変装するなんて、日本初の事じゃないか?
あれから四国を取り戻し、九州、北陸、東海……そして柱と封印の防衛まで、あらゆる場面で彼女は導いてくれた。
決して完璧な女神というわけではない。むしろかなり人間ぽくて、色んな姿を見せてくれた。
鶴や神使を怒る時の顔。
時折見せる優しい顔。
犠牲者達を思って見せた悲しげな顔。
けれどどんな顔をしていても、その根底には人々の幸せを願う愛情があった。
だから誠達は、あの岩凪姫について行ったのだ。どんなに彼女が怖く見えても、無意識にその言葉に従っていたのだ。
正直彼女自身、遠い昔に嫁入りに失敗して、かなり辛い思いをしたのだ。
他の神々と違い、参拝客もほとんどいない。歴史に忘れ去られた、この国の日陰を生きるような女神なのだ。
それなのに神という立場であり続け、気が遠くなるぐらい長い時間、人々を守ってきてくれた。
考えてみれば、恐ろしい重圧だっただろう。
他の神々が不在の中、たまたま日本を守る重責を背負わされてしまったのだ。
ガラじゃないとか、自分には無理だとか、色々思うところはあったはず。
それでも出来る事を1つずつやって、人々を励まし続けてくれた。
強いから神じゃない、生まれつき偉いから神なんじゃない。その勇気と心根こそが、彼女を尊い女神たらしめたのだ。
(そうだ……岩凪姫も佐久夜姫も、神様だって必死だったんだ。何千年も、ずっとこの世のために力を尽くして……だったら俺の10年ぐらい何だっていうんだ……!)
誠はゆっくりと立ち上がった。
彼方から、子供の泣き声が聞こえてきた。眠ろうとしても、不安に押し潰されそうになったのだろう。
誠は遠い昔、大人達に助け出された自分を思い浮かべた。
(思い出せ……あの頃俺は、どうして助かったんだ?)
(この混乱の始まった時、何1つ武器が通じなかったのに、自衛隊や警察たちは諦めなかった。その時その時出来る事をやって、必死に俺達を逃がしてくれた)
だからこうして生きているのだ。あの日泥だらけになっても助けてくれた大人がいたから、今の自分は生きているのだ。
(だったらあの子達を逃がそう。何としても次の未来に繋げよう。それが女神の思いを継ぐ事だし、あの日助けてくれた……沢山の英雄への恩返しだろ?)
そこで誠の脳裏に、女神達の姿が思い浮かんだ。
『私達の出番は終わった。次はお前達が頼りだよ』
『大丈夫、あなた達ならきっとできるわ』
彼女達の表情は、そう励ましてくれているかのようだ。
誠は拳を強く握り締めた。全身に力を入れ、武者震いしながら身を屈める。
それでも気持ちは全然収まらない。
「う、うううっ、うわあああああああっっっ!!!!!」
身の内に駆け巡る激しい力に、思わず咆えた。
闇に包まれた空に負けないように、絶望を跳ね除けるために、全力で雄たけびを上げていたのだ。
ある意味バカになっていたのかもしれない。危ないとか、敵に聞きつけられるとか、そんな理性は吹っ飛んでいた。
やがて隊員達が駆けつけて来た。
「ど、どうしたの……!?」
「鳴っち、あんた大丈夫なん……!?」
カノンが、難波が、宮島が、香川が、心配そうに見つめている。
「大丈夫だ……!」
誠はそれだけ言うと、大股で歩き始めた。傾斜を登り、隊員達を通り過ぎて。
バスの元に戻ると、数人の子供と母親達が立っていた。
泣いた子供が他の人の眠りに迷惑かと気遣ったのだろう。
誠は大股で歩み寄ると、泥だらけのグラブを外した。
子供の頭に手を置いて、くしゃくしゃと撫でる。
「もう大丈夫だからな……!」
ずっと見てきた女神の姿や、あの日見た大人達の強がりを真似して、自信満々に言ったのだ。
「大丈夫、絶対俺達が守るから……!」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そこで唐突に、輸送車に衝撃が走った。
車両を覆い尽くすような激しい霊気が立ち昇ると、車の上に、1人の少女が仁王立ちしていたのだ。
長い髪をポニーテールにまとめ、空色の着物に鎧姿。
日の本を取り戻すべく八百万の神々が送り出した、戦国時代のお姫様……つまりは鶴だ。
「黒鷹、私も分かったわ!」
鶴は開口一番そう言った。
「ヒメ子も馴染んだんだな」
「もちろんよ、私もへこたれてられないわ! ナギっぺとサクちゃんも、私の中にいるんだもの!」
誠の問いに、鶴は元気いっぱいで答えた。
「最後まで頑張るわ、それが鶴ちゃんだから! 頑張りの鶴、信頼の私よ!」
「よく言うよ、調子いいなあ」
彼女の肩に乗るコマも、少し嬉しそうにツッコミを入れる。
輸送班の音羽隊も集まってきて、辺りは最早カオスになった。
誠と鶴は頷くと、2人同時に周囲に言う。
『それじゃ、作戦会議を!!!』
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
H.I.S.A.H.I.T.O. みだりにその名を口にしてはならない小説がある。
あめの みかな
ファンタジー
教会は、混沌の種子を手に入れ、神や天使、悪魔を従えるすべを手に入れた。
後に「ラグナロクの日」と呼ばれる日、先端に混沌の種子を埋め込んだ大陸間弾道ミサイルが、極東の島国に撃ち込まれ、種子から孵化した神や天使や悪魔は一夜にして島国を滅亡させた。
その際に発生した混沌の瘴気は、島国を生物の住めない場所へと変えた。
世界地図から抹消されたその島国には、軌道エレベーターが建造され、かつての首都の地下には生き残ったわずかな人々が細々とくらしていた。
王族の少年が反撃ののろしを上げて立ち上がるその日を待ちながら・・・
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる