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第四章その10 ~最終決戦!?~ 富士の裾野の大勝負編
約束の時
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「…………興味深い闘いであった」
映像がかき消えると同時に、夜祖は静かに感想を漏らした。
普段通り穏やかな表情ではあったが、周囲の邪気は激しく逆巻き、内心の興奮を表しているかのようだ。
彼の前に跪く黒衣の青年・笹鐘は、淡々と言葉を紡ぐ。
「結果はご覧の通りですが……ディアヌス様の実体が消滅し、そこを起点としてかけた反魂の術も綻んだため、かなりの軍勢が失われました。これではもはや、巻き返しは困難でありましょう」
そもそも反魂の術は極めて高度な技であり、そう大量にかける事は難しい。そのためまず中心となる存在に術をかけ、それを周囲に派生させる事で軍勢を作るのだ。餓霊どもが大将を倒されて消えるのも、そもそもがそういう理屈である。
更にはあの闇の神人・鳳天音とて、力の源泉たるディアヌスを失った事で、活動が困難になるだろう。
だが頭を垂れる笹鐘に対し、夜祖はそこで言葉をかけた。
「まあ……誰もがそう思うであろうな」
「はいっ……!!」
笹鐘は弾けるように顔を上げた。
その表情は敗北の絶望とは程遠く、目をぎらぎらと輝かせている。
「いよいよ約束の時に御座います。全ては偉大なる夜祖大神様のお心のままに……!!」
※※第4章のディアヌス決戦編はここまでです。お読みいただきありがとうございました。
一つ一つが長いため、次章も別ブックにて再開する予定です。
どうぞよろしくお願いします。
映像がかき消えると同時に、夜祖は静かに感想を漏らした。
普段通り穏やかな表情ではあったが、周囲の邪気は激しく逆巻き、内心の興奮を表しているかのようだ。
彼の前に跪く黒衣の青年・笹鐘は、淡々と言葉を紡ぐ。
「結果はご覧の通りですが……ディアヌス様の実体が消滅し、そこを起点としてかけた反魂の術も綻んだため、かなりの軍勢が失われました。これではもはや、巻き返しは困難でありましょう」
そもそも反魂の術は極めて高度な技であり、そう大量にかける事は難しい。そのためまず中心となる存在に術をかけ、それを周囲に派生させる事で軍勢を作るのだ。餓霊どもが大将を倒されて消えるのも、そもそもがそういう理屈である。
更にはあの闇の神人・鳳天音とて、力の源泉たるディアヌスを失った事で、活動が困難になるだろう。
だが頭を垂れる笹鐘に対し、夜祖はそこで言葉をかけた。
「まあ……誰もがそう思うであろうな」
「はいっ……!!」
笹鐘は弾けるように顔を上げた。
その表情は敗北の絶望とは程遠く、目をぎらぎらと輝かせている。
「いよいよ約束の時に御座います。全ては偉大なる夜祖大神様のお心のままに……!!」
※※第4章のディアヌス決戦編はここまでです。お読みいただきありがとうございました。
一つ一つが長いため、次章も別ブックにて再開する予定です。
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