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第四章その10 ~最終決戦!?~ 富士の裾野の大勝負編

お前しか見てない!

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 激しい打ち合いの末、誠達は再び距離を離した。

 ……いや、距離をとりたかったのではなく、よろめいて自然に間合いが離れたのだ。

 ディアヌスは殺意で血走った目を見開き、えた。

「もう永津彦など関係ない!! 貴様だけを討ち倒す!!!」

 誠も応じた。

「ふざけるな!! こっちは最初から、お前しか見てないっ!!!」

 ディアヌスは雄叫びを上げると、全身から凄まじい邪気を立ち昇らせた。間違いなく全ての力をつぎ込んで、この戦いに終止符をうつつもりだ。

 誠も機体を操作すると、各種兵装を一斉解除パージした。

 砲を捨てる、背部装備マウントした副兵装サブウェポンたぐいも捨てる。

 防御に使う力だって惜しくて、装甲各部の電磁シールドも解除した。

 全てのエネルギーを刀身に、そして人工筋肉に。ただ最後の一撃に、全身全霊を注ぎ込むためにだ。

 全ての属性添加機が電磁過負荷オーバーロード上等で唸りを上げ、魔王の全力に対抗するべく、青い光が火柱のように立ち昇った。

 やがてディアヌスは大地を蹴立て、渾身の力で切りかかってくる。間違いなく過去最高の一撃であり、下手に受ければ一瞬で終わりだ。

「おおおおおおおっっっ!!!」

 誠も同時に前に出た。思考するよりも早く、機体が動いたのだ。

 技術も作戦も何もない、最後の最後は、ただ前に出てぶつかるのみ。本能のままの行動である。

 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 両者がぶつかり合った瞬間、凄まじい火花が立ち昇った。

 互いの刃に宿る力が、目もくらむ光となって周囲に発散されていく。

 膨大な力の余波を受け、大地そのものが揺れ動いている。

 必死に太刀を握り、吹き飛びそうになる機体を踏ん張らせながら、誠は歯を食いしばった。

 もう少しで眼前の魔王に届く。

 あと少し……あともう少しだけ出力が上がれば……!!!
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